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真・最終章 七魔将編
オウガの興味
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「馬鹿な……こんな小僧がロンギヌスに選ばれたというのか」
「ううっ……」
「……面白い」
オウガがこの場所に戻ってきた理由は強い気配を放つ存在を確認するためだが、ロンギヌスの継承者であるミレトを見て気が変わり、彼はミレトに強い興味を抱いた。
ロンギヌスの継承者が年端も行かぬ少年である事も驚きだが、主人として認められている以上はミレトには伝説の魔槍と恐れられたロンギヌスを扱える力を持っている事を意味している。しかし、いくら才能があっても年齢が若すぎるミレトではロンギヌスを完全に扱いこなすとは思えず、オウガはミレトを見逃す事にした。
「……ここだとまずいな」
気絶しているミレトをこの場所に放置すると、いずれギルドに駆けつけてくるであろうアルドラに洗脳された冒険者や傭兵に何をされるか分からず、オウガはミレトの身体を掴むと一先ずは彼を安全な場所へと運び出す。
ミレトに興味を抱いたオウガはここで彼に手を出すような真似はせず、彼が魔槍の相応しい実力を身に付けた時、その時にオウガはミレトと戦う事を決めた。弱者や女性にはオウガは一切の興味を抱かず、常に彼が求めるのは真の強者のみであり、彼は将来自分の命を脅かす可能性を持つ少年を敢えて助ける事にした――
――同時刻、レナ達はティナを頼りに街道を移動していた。彼女はオオツチトカゲの気配を感じ取り、念じる様に瞼を閉じながら気配の位置を探る。
「えっと……あっち!!今度はあっちの方に移動してると思う!!」
「あっちですね!?」
「よし、行くぞ!!」
「待ってください、また来ましたよ!!」
ティナが指差す方向にレナ達は急いで場所を移動すると、街道に傭兵と思われる格好をした女性の集団が現れ、レナ達に目掛けて武器を掲げて突っ込む。
「見つけた!!あいつらだ!!」
「侵入者め!!」
「全員、殺せ!!だが、女は生かせ!!」
「くっ……ここは私に任せて下さい!!」
リンダは迫りくる傭兵の集団を確認して自分が足止め役を引き受ける。そんな彼女の言葉を聞いてレナは躊躇したが、今はアルドラを追跡する事に集中してこの場は彼女に任せる。
「分かった、ここはリンダさんに任せよう!!」
「レナたん!?で、でも……」
「ティナ様、私なら大丈夫です!!さあ、早く行って!!」
「……行こう」
ティナはリンダを残す事に戸惑うがそんな彼女のコトミンは肩を掴み、ここはリンダを任せて先に逝く事を促す。ティナにとってはリンダは幼い頃から自分の世話をしてくる大切な人で家族同然の存在だった。だからリンダを置いて逝く事に躊躇するが、リンダと視線を躱すと彼女の瞳を見てティナは頷く。
「き、気を付けてね!!絶対に怪我したら駄目だよ!!」
「……ええ、分かりました」
「行くぞ!!」
リンダはティナの言葉を聞いて苦笑いを浮かべながらも約束し、彼女を残してレナ達はその場を離れた。ティナはリンダの身を案じながらもここは彼女を信じて追跡を再開する。
傭兵の足止めをリンダが行う間、ティナはオオツチトカゲの気配を感じ取って場所を移動する。そして彼女が辿り着いたのは都市内に存在する「旧闘技場」だった。現在はこちらの闘技場は封鎖されているが、この場所からティナはオオツチトカゲの気配を感じ取る。
「ここ!!この中ににいるよ!!多分、もう地面の中から抜け出していると思うけど……」
「闘技場?どうしてこんな場所に……」
「考えている暇なんかないだろ!!早く行こうぜ!!」
「グルルルッ……!!」
闘技場にアルドラを連れたオオツチトカゲが移動した事にレナは戸惑うが、そんな彼をハルナは急かして闘技場の中に入るように促す。しかし、建物に入る寸前にウルが何かを感じ取ったように唸り声をあげた。
「ウル?どうした?」
「あ、あれ……何だろう、これ……」
「ティナ?どうかした?」
「そ、それが……一つじゃないの、この中からたくさんの魔物の気配を感じて……」
「たくさん?たくさんって……どういう意味だよ?」
「……まさか、そういう事かい?」
「バル!?目を覚ましてたの?」
先の戦闘で気を失っていたバルはアンジュとサーシャと共にウルの背中に乗せて貰っていたが、彼女は意識を取り戻したのかウルの背中から降りると、頭を抑えながら闘技場を見上げてレナに語り掛ける。
「あんた、忘れたのかい?この闘技場では人間同士だけじゃなく、時には魔物と戦わされる事もある事を……」
「えっ……あ、まさか!?」
「アルドラの奴は魔物も操る事ができるんだろう?なら、闘技場で飼育されている魔物も……」
「という事は……まずい!!全員、建物から離れろ!!」
バルの言葉を聞いてレナはいち早く危険を察すると、全員を建物から離れさせて身構える。ウルは背中に乗せていたアンジュとサーシャを下ろすと、コトミンは水筒を構えてティナの傍に寄り、一方でハルナとバルは素手で構えるとレナは退魔刀を引き抜く。そして建物の中から多数の魔物の鳴き声が響き、最初に現れたのはファングとコボルトの大群だった。
「ううっ……」
「……面白い」
オウガがこの場所に戻ってきた理由は強い気配を放つ存在を確認するためだが、ロンギヌスの継承者であるミレトを見て気が変わり、彼はミレトに強い興味を抱いた。
ロンギヌスの継承者が年端も行かぬ少年である事も驚きだが、主人として認められている以上はミレトには伝説の魔槍と恐れられたロンギヌスを扱える力を持っている事を意味している。しかし、いくら才能があっても年齢が若すぎるミレトではロンギヌスを完全に扱いこなすとは思えず、オウガはミレトを見逃す事にした。
「……ここだとまずいな」
気絶しているミレトをこの場所に放置すると、いずれギルドに駆けつけてくるであろうアルドラに洗脳された冒険者や傭兵に何をされるか分からず、オウガはミレトの身体を掴むと一先ずは彼を安全な場所へと運び出す。
ミレトに興味を抱いたオウガはここで彼に手を出すような真似はせず、彼が魔槍の相応しい実力を身に付けた時、その時にオウガはミレトと戦う事を決めた。弱者や女性にはオウガは一切の興味を抱かず、常に彼が求めるのは真の強者のみであり、彼は将来自分の命を脅かす可能性を持つ少年を敢えて助ける事にした――
――同時刻、レナ達はティナを頼りに街道を移動していた。彼女はオオツチトカゲの気配を感じ取り、念じる様に瞼を閉じながら気配の位置を探る。
「えっと……あっち!!今度はあっちの方に移動してると思う!!」
「あっちですね!?」
「よし、行くぞ!!」
「待ってください、また来ましたよ!!」
ティナが指差す方向にレナ達は急いで場所を移動すると、街道に傭兵と思われる格好をした女性の集団が現れ、レナ達に目掛けて武器を掲げて突っ込む。
「見つけた!!あいつらだ!!」
「侵入者め!!」
「全員、殺せ!!だが、女は生かせ!!」
「くっ……ここは私に任せて下さい!!」
リンダは迫りくる傭兵の集団を確認して自分が足止め役を引き受ける。そんな彼女の言葉を聞いてレナは躊躇したが、今はアルドラを追跡する事に集中してこの場は彼女に任せる。
「分かった、ここはリンダさんに任せよう!!」
「レナたん!?で、でも……」
「ティナ様、私なら大丈夫です!!さあ、早く行って!!」
「……行こう」
ティナはリンダを残す事に戸惑うがそんな彼女のコトミンは肩を掴み、ここはリンダを任せて先に逝く事を促す。ティナにとってはリンダは幼い頃から自分の世話をしてくる大切な人で家族同然の存在だった。だからリンダを置いて逝く事に躊躇するが、リンダと視線を躱すと彼女の瞳を見てティナは頷く。
「き、気を付けてね!!絶対に怪我したら駄目だよ!!」
「……ええ、分かりました」
「行くぞ!!」
リンダはティナの言葉を聞いて苦笑いを浮かべながらも約束し、彼女を残してレナ達はその場を離れた。ティナはリンダの身を案じながらもここは彼女を信じて追跡を再開する。
傭兵の足止めをリンダが行う間、ティナはオオツチトカゲの気配を感じ取って場所を移動する。そして彼女が辿り着いたのは都市内に存在する「旧闘技場」だった。現在はこちらの闘技場は封鎖されているが、この場所からティナはオオツチトカゲの気配を感じ取る。
「ここ!!この中ににいるよ!!多分、もう地面の中から抜け出していると思うけど……」
「闘技場?どうしてこんな場所に……」
「考えている暇なんかないだろ!!早く行こうぜ!!」
「グルルルッ……!!」
闘技場にアルドラを連れたオオツチトカゲが移動した事にレナは戸惑うが、そんな彼をハルナは急かして闘技場の中に入るように促す。しかし、建物に入る寸前にウルが何かを感じ取ったように唸り声をあげた。
「ウル?どうした?」
「あ、あれ……何だろう、これ……」
「ティナ?どうかした?」
「そ、それが……一つじゃないの、この中からたくさんの魔物の気配を感じて……」
「たくさん?たくさんって……どういう意味だよ?」
「……まさか、そういう事かい?」
「バル!?目を覚ましてたの?」
先の戦闘で気を失っていたバルはアンジュとサーシャと共にウルの背中に乗せて貰っていたが、彼女は意識を取り戻したのかウルの背中から降りると、頭を抑えながら闘技場を見上げてレナに語り掛ける。
「あんた、忘れたのかい?この闘技場では人間同士だけじゃなく、時には魔物と戦わされる事もある事を……」
「えっ……あ、まさか!?」
「アルドラの奴は魔物も操る事ができるんだろう?なら、闘技場で飼育されている魔物も……」
「という事は……まずい!!全員、建物から離れろ!!」
バルの言葉を聞いてレナはいち早く危険を察すると、全員を建物から離れさせて身構える。ウルは背中に乗せていたアンジュとサーシャを下ろすと、コトミンは水筒を構えてティナの傍に寄り、一方でハルナとバルは素手で構えるとレナは退魔刀を引き抜く。そして建物の中から多数の魔物の鳴き声が響き、最初に現れたのはファングとコボルトの大群だった。
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