不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・最終章 七魔将編

魔封じの仮面

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『アイリス、聞こえる?』
『はい?なんですか?』
『あれ!?』


レナはいつもの調子で交信を行うと、何事もなくアイリスと交信する事ができた。しかし、今まではホネミンが傍にいた時はアイリスと交信ができなかったはずだが今回の場合は何故か普通に繋がった。

驚いた様子でレナはホネミンに振り返ると、彼女が身に付けているガスマスクのような仮面を見る。交信を一旦中断してレナはホネミンが何をしたのかを問い質す。


「普通に繋がったよ。でも、どうして……」
『おお、やはりそうでしたか。となるとこの仮面を取りつけている間はどうやら私が傍にいてもレナさんは交信できるようですね』
「仮面?まさかそれに仕掛けが?」
『これは魔封じの仮面と呼ばれる魔道具です。名前の通りにこれを身に付ければ魔力が封じられるんですよ。そして魔力とは謂わば生命力その物、つまりはこの仮面を身に付ければ私の魔力は遮断されてレナさんの交信を妨害する事もありません。デメリットとしてこれを身に付けた一切の魔法は使えませんけど……』
「な、なるほど……ふざけて付けていたわけじゃないのか」


ホネミンの説明によれば彼女が身に付けているガスマスクのような仮面の正体は「魔封じの仮面」と呼ばれ、この仮面を身に付ければ魔力が抑えられて一切の魔法は使用できなくなる。その代わりに魔力が遮断されるお陰でレナはホネミンの傍でも交信が行えるようになった。

これまではホネミンの存在が交信の妨げになる事態もあったが、彼女の魔力(生命力)を抑える仮面があればよほど密着していなければ今まで通りにアイリスと交信できる事が証明された。この仮面があればホネミンも傍において活動できるため、彼女も今後はレナ達に強力してくれるという。


『ふふふ……今までは色々とあってハブられていた私ですが、これからはメインキャラクターに昇格です。この調子でメインヒロインの座も手に入れましょうかね。そして行く行くは主人公の座も……』
「不吉な事を言ってんじゃないよ。でも、まあ頼りにしているよ」
「う~ん……あれ!?レナたんがいなっ……うわぁっ!?」
「はにゃっ!?」


騒ぎ声を耳にしたティナとコトミンは目を覚ますと、二人はレナの傍に立っているガスマスクのような仮面を身に付けたホネミンを見て驚く。この世界の人間からすれば魔封じの仮面のデザインはかなり怖く、二人は警戒するように身構えると慌ててレナが説明を行う――





――色々とあったが無事にレナも回復すると今後の事を話し合うために会議室に人が集まる。既に下水道からシノビも帰還してアルドラの身に何が起きているのかを報告する。


「アルドラは呪詛に侵されている。ハヤテの奴は奴に操られて傍にいるせいで手だしはできないが、もう数日と持たないだろう」
「なるほどね……あいつら下水道なんかに隠れていたのかい」
「冒険都市の下水道は広大だ。それに都市の外にまで繋がる秘密の抜け道もあるし、見つけるのは容易ではない」
「そういう事だと人海戦術で奴等を見つけ出すのも苦労しそうだな……」
「それにアルドラに操られている人間の件もある。奴等がまた暴れ出さないように誰かが見張っておかなければならん」


アルドラの血によって操られた女性たちは殆どが現在は監獄に送り込まれ、暴れ出さないように監禁と監視を行ってる。その中にはシズネやミナといった有力な傭兵や冒険者も含まれ、生憎と彼女達は未だにアルドラの洗脳から完全に逃れたわけではない。

洗脳主であるアルドラが呪詛に侵された事で洗脳の力も弱まってはいるが、彼女が完全に死なない限りは操られた人間は元に戻す事はできない。精霊薬さえあれば彼女達を治す事はできるが、生憎とレナも手持ちの精霊薬は全て使い切ってしまった。


(ヨツバ王国の援軍に精霊薬を持参するように指示を出しておいたから、援軍が到着すれば冒険都市に操られた人たちはどうにかできるかもしれない。問題は援軍が到着するまでどれほどかかるのか……)


ティナが手紙を書いて既にヨツバ王国には援軍の要請を行っているが、ヨツバ王国からバルトロス王国まで移動するだけでもかなりの距離が存在するので援軍が到着するまではそれなりに日数が掛かる。そうなるとアルドラを倒して洗脳を解く方が現実的だが、問題なのはアルドラ以外の七魔将の存在だった。


「七魔将のガオウはレナが倒したんだろう?となると残りの七魔将は……五人かい」
「あれ?六人じゃないの?」
「ティナ様……既に七魔将のメドゥーサはレナ様が倒しておられますので五人ですよ」


七魔将の内の「魔眼将メドゥーサ」は既にレナが王都の地下で討伐を果たしており、先日の「牙人将ガオウ」も討ち取っているので残された七魔将は五人だけである。その内の「紅血将アルドラ」と「鬼人将オウガ」は取り逃がしてしまい、他の三名の七魔将の内に居場所が既に判明しているのは王都で暴れているという「竜人将ガイア」だけである。




※すいません、投稿に1時間遅れました!!(´;ω;`)
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