不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・最終章 七魔将編

王都へ向けて

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「王都か……そういえばレミア達は無事かな、俺が倒れている間に連絡はあった?」
「ああ、一応はしておいたよ。冒険都市が解放された事は伝えてある。と言っても元凶を捕まえるのは失敗したけどね……」
「アルドラは下水道から抜け出している可能性もある。だが、我々が王都へ向かった事を知れば再びここへ戻る可能性もある以上、全員がここを離れるわけにはいかんぞ」
「そうなると何人かは残る必要があるわけか……」
「こっちはずっと閉じ込められて身体がうずうずしてるんだ。俺は王都へ行かせてもらうぜ」
「儂もだ。七魔将だか何だか知らんがこれ以上は好きにさせんぞ」
「あたしも行くぞ!!」


剣聖の中で捕まっていたシュンとロウガは王都へ向かう事を告げ、それに便乗する形でハルナも挙手する。剣聖は戦力として大きいので冒険都市に残ってほしいのだが、二人とも意志は固いらしく止めたとしても勝手に向かうだろう。

仮にレナやバルが止めたとしてもシュンとロウガは二人に仕えているわけではなく、彼等を止められるとしたらマリアしかいない。そのマリアも不在なために二人を止める事はできないと判断したレナは仕方なくハルナ共々連れて行く事にした。


「まだ呪詛に侵された人たちも完全に快復したわけじゃないし……ホネミンは悪いけどここに残ってくれる?」
「いえいえ、聖水香さえあればもう私が居ても居なくても問題ありませんよ。折角この仮面も手に入れた事ですし、今回は私も同行します」
「お、お前も来るのかよ……(ぷるぷるっ)」
「どうしたのハルナ?」
「野性的本能が働いてホネミンに怯えてる」


ホネミンが同行すると言い出すとハルナは何故か彼女が身に付けている仮面を見て身体を震わせ、まるで怯えている猫のようにレナの後ろに隠れる。どうやらホネミンのガスマスクのような仮面に怯えているらしく、意外と可愛い所がある事が判明した。

それはともかく、ロウガ、シュン、ハルナ、ホネミンの4人は王都へ向かうつもりらしく、レナは最初の3人はともかくどうしてホネミンも乗り気になのか気になって尋ねる。


「ホネミンはどうして一緒に行こうとするんだよ」
「もしもレナさんがアルドラにやられたらどうするんですか。洗脳されたレナさんを相手に戦うのなんて御免ですし、きっとアイリス様も困りますよね」
「まあ、それはそうだろうけど……」
「仮にレナさんがアルドラに操られたらアイリス様に強力してもらってこちらの情報は全て筒抜けになるんですよ。そうなった場合、アイリス様が認知できない私の存在を真っ先に消そうとするでしょう。だからそういう事態にならないように私が傍にいてあげますよ」
「う~ん、アイリスがそんな風に協力するとは思えないけどな……」


頑なにホネミンがレナに同行しようとするのはアルドラに彼が操られないように見張るためらしく、もしもレナがアルドラに洗脳されでもしたら真っ先に自分が狙われる可能性がある事を伝える。この世界でアイリスが存在を感知できない人間は彼女だけであり、もしも洗脳されたレナにアイリスが協力したらホネミンの存在だけが脅威と成りえる。


『アイリス、ホネミンはこんな事を言っているけど洗脳されても俺に強力してくれるの?』
『まあ……状況によりますね。私としてもアルドラなんかにレナさんを操られたくはないですけど、洗脳された場合はレナさんは私の存在を伝えるかもしれません』
『洗脳って恐ろしいな……確かにそれはまずそうだ』


レナはアイリスの存在を秘匿しており、この世界でレナがアイリスと交信できる事を知っている人間はホネミンぐらいしかいない。だからこそレナにとっての脅威と成りえるのはホネミンだけであり、逆に言えば自分が操られた時に何とかしてくれる相手は彼女しかいない。


「ホネミンの薬で洗脳された人間を元に戻せないの?」
「どうですかね、今の所は精霊薬しか効果がなかったんでしょう?流石の私も伝説の薬の生成は難しいですね……一か月ぐらいはかかります」
「それでも一か月でできるのか……」
「おいおい、何者だこの嬢ちゃん。精霊薬はヨツバ王国の秘薬だぞ?」


一か月もあれば精霊薬を再現できると断言するホネミンにシュンは呆れた表情を浮かべるが、実際に彼女ならば作り出せるという確信はある。そもそも呪詛に侵された人間を治す「聖水香」もホネミンが作り出した薬であり、薬師としての腕前は世界一といっても過言ではない。

レナはホネミン、ハルナ、シュン、ロウガの4人を見つめ、色々と考えた末に王都へ戻るのは自分を含めた5人で向かう事にした。冒険都市にも戦力を残しておく必要があるため、これ以上の人数は連れて行く事はできない。


「よし、なら王都の事は俺達に任せて他の皆は冒険都市の事を頼むよ」
「大丈夫なのかい?回復薬としてティナやコトミンぐらいは連れて行ったらどうだい?」
「そこは私がいるので問題ありません。どんな怪我だろうと治してみせますよ……薬で」
「最後の言葉がちょっと不穏に聞こえるけど……まあ、一応は大丈夫だよ」


回復魔法を扱えるティナかコトミンは連れて行くべきかとレナも考えたが、まだ呪詛に侵されている人間もいるので二人には彼等の治療を頼む。こうしてレナはいつもとは違った面子で王都へ向かう事になった。
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