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真・最終章 七魔将編
黒雲人形
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「ハルナ!?」
「まずい、直撃を受けたぞ!!」
『降りるぞ!!』
ブラクに踏み潰されたハルナを見てレナ達も居ても立っても居られず、城壁を飛び降りていく。高レベルの人間ならば20メートルほどの高さの城壁だろうと飛び降りても問題はなく、魔法を使える人間ならば安全に着地できる。
「風圧!!」
「雪月花!!」
『風の精霊よ』
『ふんっ!!』
レナは着地の寸前で初級魔法の風圧で落下速度を落とし、シズネの場合は雪月花で氷の坂道を作り出して滑り落ちる。ハヤテは風の精霊の力を借りてゆっくりと地上へ降り立ち、ゴウライの場合は何事もなく地上へ降り立つ。
地上へ降りたレナ達はブラクの様子を伺うと、地面に倒れたハルナに向けてブラクは幾度も足を踏みつける。今現在のブラクは闇属性の魔力の塊であり、普通の人間ならば触れるだけで呪詛に侵されてしまう。
「まずい!!あのままだと本当に死ぬぞ!!」
「ダイン、何とかできないの!?」
「ちょ、ちょっと待てよ!!今、降りてるから……」
ダインは影魔法で自分の影をロープの代わりにして城壁を降りていくと、ハルナの様子を伺ってある事に気付く。何度もブラクに踏みつけられながらもハルナ自身は全身に電流を迸らせて耐えていた。
「ぐぎぎっ……!!」
『ちぃっ……まだ抗うか!!』
「い、生きてる!!信じられない……ハルナの奴はまだ生きてるぞ!!」
「え!?」
ハルナは全身に雷属性の魔力を纏う事でブラクの攻撃を防ぎ、どうにかブラクの攻撃を耐えていた。しかし、踏みつける度に彼女の纏う電流が弱まっていき、顔色も悪くなっていく。
「まずい!!あのまま踏み続けられたらハルナの魔力が持たない!!」
「とりあえず、あのデカブツを斬るしかなさそうだな師匠!!」
『私に合わせろ!!遠距離攻撃できる奴は手伝え!!』
「それなら俺も……」
「くっ……流石にこの距離は無理ね」
ハヤテの言葉にレナは合成魔術を発動させるために両手を重ね合わせ、シズネはブラクとの距離をみて眉をしかめた。彼女の雪月花は相手に直接斬りつけねば真の力は発揮できず、その代わりにツバサとシュンが風の斬撃を放つ。
「行くぞ坊主!!俺達の攻撃に続け!!」
『居合一式、斬!!』
「火炎弾!!」
最初に仕掛けたのはハヤテとシュンであり、先ほどのように二人は刃を振り抜くと風の斬撃が誕生して空中で混じり合う。二つの風邪の斬撃が合わさった事でより大きな斬撃と化し、さらにレナが合成魔術で火炎の塊を生み出す。
黒雲と融合して巨人と化したブラクに向けて風の斬撃と炎の塊が接近し、それに対してブラクは避ける素振りも見せずに胴体が切断され、爆炎が切り裂いた上半身に突っ込む。レナは火炎弾が触れたのを見て爆発するかと思ったが、何故か彼の放った火炎弾はブラクの切り裂いた上半身を突き抜けて見当違いの方向へ消えてしまう。
「えっ!?」
「な、何だ!?当たったよな!?」
『そんな馬鹿な……』
「効いていないの!?」
『オロカモノドモガッ……』
切り裂かれたはずの上半身と下半身の切断部分から黒色の魔力が迸ると、切断面同士を繋いで元の形に戻る。全く元通りの形に再生したブラクを見てレナ達は唖然とするが、それを見たダインがブラクの正体を見抜く。
「そ、そうか!!あいつ、人の姿をしているように見えても実際はそうじゃないんだ!!雲をかき集めて人の形を保っているだけなんだ!!」
「どういう意味だよ!?」
「つまり、あいつに実体はない!!だからいくら攻撃してもすぐに再生するんだ!!」
「そんな……」
「ていう事はやっぱり聖属性の魔法攻撃しか駄目って事か!!」
『何を言っているのかよく分からんが、あいつに物理攻撃は聞かないという事か?』
ダインの言葉を聞いて他の者たちはブラクの正体を知り、このまま攻撃を続けても意味はないと悟る。現在のブラクは巨人の様に見えてもあくまでも実態は持たない黒雲の塊にしか過ぎず、攻撃を受けているハルナも物理的な損傷は負っていない。しかし、彼女はブラクの黒雲に触れる度に魔力が削られて消耗していく。
『モウゲンカイノヨウダナ……!!』
「ち、ちくしょう……うあっ!?」
「ハルナ!!」
「このままだと殺されるわよ!!何か方法はないの!?」
「そ、そう言われても……」
「俺がやる!!」
限界を迎えたのかハルナの身体に纏う電流が消え去り、次に攻撃を受けたら彼女は耐え切れないと判断したレナは、無茶を承知でもう一度だけカラドボルグを作り出そうとする。退魔刀を物質変換の能力で聖剣へと変化させ、ブラクに目掛けて雷撃を放つ。
「喰らえっ!!」
『バカガッ……!!』
「なっ……!?」
レナは聖剣を繰り出すと金色の電撃が放たれるが、その攻撃に対してブラクは形を変形させて先ほどハルナの攻撃をかわしたように大穴を作り出す。それによってレナの放った雷光も大穴を通過して避けられてしまった。
「まずい、直撃を受けたぞ!!」
『降りるぞ!!』
ブラクに踏み潰されたハルナを見てレナ達も居ても立っても居られず、城壁を飛び降りていく。高レベルの人間ならば20メートルほどの高さの城壁だろうと飛び降りても問題はなく、魔法を使える人間ならば安全に着地できる。
「風圧!!」
「雪月花!!」
『風の精霊よ』
『ふんっ!!』
レナは着地の寸前で初級魔法の風圧で落下速度を落とし、シズネの場合は雪月花で氷の坂道を作り出して滑り落ちる。ハヤテは風の精霊の力を借りてゆっくりと地上へ降り立ち、ゴウライの場合は何事もなく地上へ降り立つ。
地上へ降りたレナ達はブラクの様子を伺うと、地面に倒れたハルナに向けてブラクは幾度も足を踏みつける。今現在のブラクは闇属性の魔力の塊であり、普通の人間ならば触れるだけで呪詛に侵されてしまう。
「まずい!!あのままだと本当に死ぬぞ!!」
「ダイン、何とかできないの!?」
「ちょ、ちょっと待てよ!!今、降りてるから……」
ダインは影魔法で自分の影をロープの代わりにして城壁を降りていくと、ハルナの様子を伺ってある事に気付く。何度もブラクに踏みつけられながらもハルナ自身は全身に電流を迸らせて耐えていた。
「ぐぎぎっ……!!」
『ちぃっ……まだ抗うか!!』
「い、生きてる!!信じられない……ハルナの奴はまだ生きてるぞ!!」
「え!?」
ハルナは全身に雷属性の魔力を纏う事でブラクの攻撃を防ぎ、どうにかブラクの攻撃を耐えていた。しかし、踏みつける度に彼女の纏う電流が弱まっていき、顔色も悪くなっていく。
「まずい!!あのまま踏み続けられたらハルナの魔力が持たない!!」
「とりあえず、あのデカブツを斬るしかなさそうだな師匠!!」
『私に合わせろ!!遠距離攻撃できる奴は手伝え!!』
「それなら俺も……」
「くっ……流石にこの距離は無理ね」
ハヤテの言葉にレナは合成魔術を発動させるために両手を重ね合わせ、シズネはブラクとの距離をみて眉をしかめた。彼女の雪月花は相手に直接斬りつけねば真の力は発揮できず、その代わりにツバサとシュンが風の斬撃を放つ。
「行くぞ坊主!!俺達の攻撃に続け!!」
『居合一式、斬!!』
「火炎弾!!」
最初に仕掛けたのはハヤテとシュンであり、先ほどのように二人は刃を振り抜くと風の斬撃が誕生して空中で混じり合う。二つの風邪の斬撃が合わさった事でより大きな斬撃と化し、さらにレナが合成魔術で火炎の塊を生み出す。
黒雲と融合して巨人と化したブラクに向けて風の斬撃と炎の塊が接近し、それに対してブラクは避ける素振りも見せずに胴体が切断され、爆炎が切り裂いた上半身に突っ込む。レナは火炎弾が触れたのを見て爆発するかと思ったが、何故か彼の放った火炎弾はブラクの切り裂いた上半身を突き抜けて見当違いの方向へ消えてしまう。
「えっ!?」
「な、何だ!?当たったよな!?」
『そんな馬鹿な……』
「効いていないの!?」
『オロカモノドモガッ……』
切り裂かれたはずの上半身と下半身の切断部分から黒色の魔力が迸ると、切断面同士を繋いで元の形に戻る。全く元通りの形に再生したブラクを見てレナ達は唖然とするが、それを見たダインがブラクの正体を見抜く。
「そ、そうか!!あいつ、人の姿をしているように見えても実際はそうじゃないんだ!!雲をかき集めて人の形を保っているだけなんだ!!」
「どういう意味だよ!?」
「つまり、あいつに実体はない!!だからいくら攻撃してもすぐに再生するんだ!!」
「そんな……」
「ていう事はやっぱり聖属性の魔法攻撃しか駄目って事か!!」
『何を言っているのかよく分からんが、あいつに物理攻撃は聞かないという事か?』
ダインの言葉を聞いて他の者たちはブラクの正体を知り、このまま攻撃を続けても意味はないと悟る。現在のブラクは巨人の様に見えてもあくまでも実態は持たない黒雲の塊にしか過ぎず、攻撃を受けているハルナも物理的な損傷は負っていない。しかし、彼女はブラクの黒雲に触れる度に魔力が削られて消耗していく。
『モウゲンカイノヨウダナ……!!』
「ち、ちくしょう……うあっ!?」
「ハルナ!!」
「このままだと殺されるわよ!!何か方法はないの!?」
「そ、そう言われても……」
「俺がやる!!」
限界を迎えたのかハルナの身体に纏う電流が消え去り、次に攻撃を受けたら彼女は耐え切れないと判断したレナは、無茶を承知でもう一度だけカラドボルグを作り出そうとする。退魔刀を物質変換の能力で聖剣へと変化させ、ブラクに目掛けて雷撃を放つ。
「喰らえっ!!」
『バカガッ……!!』
「なっ……!?」
レナは聖剣を繰り出すと金色の電撃が放たれるが、その攻撃に対してブラクは形を変形させて先ほどハルナの攻撃をかわしたように大穴を作り出す。それによってレナの放った雷光も大穴を通過して避けられてしまった。
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