不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
1,624 / 2,091
真・最終章 七魔将編

レナの強み

しおりを挟む
(リヴァイアサン……そうだ!!)


レナは手にしていた退魔刀に視線を向け、魔刀術を解除させて元の状態へと戻す。自ら魔刀術を解除したレナにホムラは訝しむが、レナは退魔刀を地面に突き刺すと空間魔法を発動させて適当な道具を探す。


「これでいいか」
「……何の真似だ」


こんな時のためにレナは常日頃から異空間には予備の武器を収納しており、彼が取り出したのは何処にでもある長剣ロングソードだった。魔剣や聖剣の類どころか魔法金属製ですらない長剣を取り出した事にホムラは唖然とした。

しかし、長剣を手にしたレナは意識を集中させると「物質変換」の能力を発動させる。彼が手に触れた物体はどんな物だろうと変換する事ができる。それが例え聖剣や魔剣の類でもレナは生み出す事ができた。


「はぁあああっ!!」
「この力は……まさか!?」


長剣を聖剣リヴァイアサンへと変化させたレナにホムラは驚き、一方でレナは作り出した聖剣リヴァイアサンを握りしめてホムラに突っ込む。レナが作り出した聖剣リヴァイアサンは彼の意思に応じて力を発揮し、刀身の部分に水の刃が形成される。


(リヴァイアサンは水を操るのか!!)


雪月花の場合は冷気だがリヴァイアサンは水を生成するらしく、刃を纏うように作り出された水の刃をホムラに振り下ろす。その攻撃に対してホムラは薙刀で受け止め、水と炎の刃が衝突した。


「だああっ!!」
「ちぃいっ!!」


ただの水ならばホムラの作り出した炎によって一瞬で蒸発されるだろうが、レナの聖剣リヴァイアサンが作り出した水は魔力で構成されている。レナの意思に応じて水の剣縦横無尽に変化し、鍔迫り合いの状態から水の刃が形を変えて無数の触手と化してホムラに巻き付く。


「これでどうだ!!」
「なっ!?」
「まだまだ!!」


聖剣リヴァイアサンの力でホムラを拘束すると、この状態からレナは空間魔法を発動させてもう一本の剣を取り出す。それを手にしたレナは物質変換の能力で新しい武器を作り出す。



――レナの職業は「支援魔術師」と「錬金術師」であり、前者の場合は支援魔法で自ら強化を行い、錬金術師はあらゆる道具を造り替える力を持つ。これらを生かしてレナは合成魔術や魔鎧術や魔刀術を頼らず、自分なりの方法で強くなる道を進む。




長剣を手にしたレナは二つ目の聖剣を作り出し、彼が生み出したのは聖剣カラドボルグだった。生まれて初めてレナが手にして使用した聖剣でもあり、彼は普通の人間ならばあり得ない二つの聖剣を駆使して戦う。


「うおおおおおっ!!」
「がはぁっ!?」


通常であれば聖剣に選ばれるのは一人だけだが、レナの場合は触れた聖剣を自分の武器として扱える。確かに彼は聖痕の所有者ではないので自分で作り出した聖剣だろうと真の効果は発揮できない。しかし、膨大な魔力を消費すれば二つの聖剣を作り出して同時に扱う事もできた。

マリアとの特訓のお陰で前よりも魔力容量が大幅に増したレナは聖剣リヴァイアサンとカラドボルグを使用し、二つの聖剣の力を合わせてホムラを追い詰める。水の触手で拘束されたホムラは逃げる事も避ける事もできず、カラドボルグが放つ金色の電流を受けて膝をつく。


「馬鹿、なっ……!?」
「はあっ、はあっ……」
「レナ!!何事だ!?」
「おい、こっちの方で何か光って……って、何だこれ!?」
「これはいったい……!?」
「わあっ!?な、何があったの!?」
「これは……」
「ウォンッ!?」
「「ぷるぷるっ!?」」
「キュロッ?」


ホムラを戦闘不能に追い込むとようやく仲間達が到着し、この時にレナが手にしていた二つの聖剣が元の長剣へと戻った。しかし、負荷を与えすぎたせいか長剣は元に戻ると罅割れて壊れてしまい、地面に散らばる。それを見たレナは額の汗を拭いながらも自分の両手を確認した。


(……まだ余裕はあるな)


二本の聖剣を生成して利用したにもかかわらず、まだ自分の魔力に余裕があると悟ったレナは笑みを浮かべた。だが、すぐに傷ついたホムラを見て頭を掻きながらティナに頼む。


「ティナ!!悪いんだけどこいつを治療してくれる?」
「え?あ、うん!!」
「お、おい……そいつ、もしかしてホムラか?」
「どうしてここに……」
「いったい何があったの?」
「その辺の事は後で説明するよ。でも、その前に……」


ティナはホムラの元に駆けつけると黒焦げと化した彼女に回復魔法を施し、その間に他の仲間達はレナに何があったのか聞き出そうとした。しかし、彼はそれを答える前に周囲を見渡して隠れている人物に声をかける。


「おい、そこにいるんだろ!!出て来い!!」
「ひっ!?」
「あれ、お前……あっ!?裏切り女!!」
「お前は……カノンか!?」
「どうしてここに……」


レナが大声を上げると建物の瓦礫の裏から悲鳴が上がり、やがて怯えた様子のカノンが姿を現わす。彼女を見て他の仲間達も驚き、一方でレナの方は腕を組んで彼女を睨みつける。カノンと関わると面倒事ばかりのため、本当なら顔も見たくない相手だった。
しおりを挟む
感想 5,095

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。

しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。 私たち夫婦には娘が1人。 愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。 だけど娘が選んだのは夫の方だった。 失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。 事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。 再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。