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真・最終章 七魔将編
魔鎧術の奥義
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「たく、私は戦闘タイプじゃないんですけどね!!」
「キキィッ!?」
「何!?」
ホネミンは木の枝に魔力を纏わせる事で剣へと変化させると、近づいて来た猩々に斬りかかる。猩々は慌てて避けるが、ホネミンは戦技も繰り出す。
「刺突!!」
「ギャウッ!?」
「何!?」
シズネやミナが得意とする刺突の戦技をホネミンが繰り出した事にカゲマルは驚き、彼女がここまで戦えるとは思ってもいなかった。だが、ホネミンの経歴を考えればここまでの事ができてもおかしくはない。
彼女は元々はアイリスの加護を受けたエルフであり、子供の頃はレナと同様にアイリスの指導を受けて様々な能力を身に付けた。その中でも一番に技術を磨いたのは魔鎧術であり、彼女が扱う魔鎧術はレナ達よりも練度が高い。ただの木の枝を魔力を纏わせる事で武器に造り替えるなど普通の人間では真似できない。
「ていていていっ」
「ギャアアッ!?」
掛け声とは裏腹にホネミンは剣を繰り出し、その攻撃を避けようとしても何故か猩々は避けられずに受けてしまう。カゲマルはどうして猩々にホネミンの攻撃が当たるのかと不思議に思うが、その秘密は彼女の武器が関係していた。
(何だ、あの武器は……刀身が伸びた!?)
ホネミンが所有する武器は彼女が木の枝に魔力を纏わせて作り出した「魔力剣」であり、剣の形をしているが実際は彼女の魔力が実体化しただけに過ぎない。だからこそホネミンの意思に応じて刃は変化し、刀身を伸ばす事や曲げる事もできる。
「せいやぁっ」
「グエッ!?」
気の抜ける掛け声とは裏腹にホネミンは猩々の急所に的確に攻撃を繰り出し、彼女は猩々の腹部に蹴りを叩き込む。ただの人間の蹴りならば猩々に通じるはずがないが、肉体を再生したホネミンは生前の時より肉体が大幅に強化されており、彼女の攻撃を受けた猩々は膝をつく。
思いもよらぬ苦戦を強いられた猩々は目の前の相手を雌とは思わず、脅威として認識した。もう油断はしないで殺す事を誓った猩々は石斧を握りしめ、ホネミンに目掛けて振り下ろす。
「キィイイイッ!!」
「おっと!?」
「いかん、避けろ!!」
石斧を振りかざす猩々に対してホネミンは剣を構えるが、それを見ていたカゲマルは嫌な予感を覚えた。猩々は石斧を振り下ろすと思われた瞬間、途中で石斧を止めた。ホネミンが剣で受け止めようとした時に石斧が止まってしまい、呆気に取られた彼女に対して猩々は前蹴りを繰り出す。
「キキィッ!!」
「はぐぅっ!?」
「まずい!!」
前蹴りを受けたホネミンは後方へ吹き飛び、猩々の怪力で蹴り飛ばされたら一流の冒険者でも無事では済まない。カゲマルはホネミンを助けるために駆け出すが、蹴り飛ばされたはずのホネミンは難なく地面に着地を行う。
「ふうっ……危なかったですね」
「だ、大丈夫なのか!?」
「ええ、どうにか……防御が間に合いました」
「キキィッ……!?」
攻撃を受ける寸前にホネミンは魔鎧術を発動させ、自分の腹部に魔力を覆っていた。猩々が攻撃を繰り出したのはホネミンの腹部でしかなく、彼女は攻撃を受ける直前で魔鎧術で防御に成功していた。
攻撃される寸前に一瞬で魔鎧術を形成する事はレナでさえも真似はできず、何百年も魔鎧術を扱い続けたホネミンだからこそできる芸当である。それでも防御に成功したとはいえ、全く衝撃を受けていないわけではないので彼女は猩々を睨みつける。
「流石に今のはイラッとしましたね……絶対に許さんぞ虫けらども!!じわじわとなぶり殺しにしてやります!!」
「虫けら共!?」
「キキィッ!?」
ホネミンの言葉にカゲマルは自分も含まれているのかと驚くが、久々に本気で怒ったホネミンは両手を重ね合わせる。祈りをするように彼女は両手を合わせた状態で目を閉じると、徐々に彼女の身体が魔力で覆われていく。
彼女の身体が魔力に包み込まれるのを見てカゲマルは魔鎧術を発動させたのかと思ったが、すぐに彼は異変に気付く。まるでレミアの「聖鎧」のように彼女は自分の魔力を実体化させ、鎧のように変化を行う。レミアの場合は聖鎧や聖槍といった鎧や槍の形に魔力を変化させるが、ホネミンの場合は防具や武器などではなく、別の生物の姿へと変化を行う。
『ぐるるるっ……!!』
「キ、キキィッ!?」
「こ、これは……白狼種!?」
全身から魔力を放出したホネミンは巨大な狼のような姿に変身し、自分と相対する猩々を睨みつける。その姿は白狼種のウルと酷似しているが、ウルよりも一回りは大きくて全身から光を放つ。猩々は目の前に現れた巨狼に戸惑い、それでも石斧を手にして襲い掛かる。
「キィイイイッ!!」
『がうっ!!』
「何っ!?」
石斧が繰り出された瞬間、白狼と化したホネミンは石斧に噛みつき、そのまま力尽くで引き剥がす。猩々は石斧をあっさりと奪われてしまい、石斧を奪い取ったホネミンは更に前脚を繰り出して先ほどのお返しとばかりに猩々を吹き飛ばす。
「キキィッ!?」
「何!?」
ホネミンは木の枝に魔力を纏わせる事で剣へと変化させると、近づいて来た猩々に斬りかかる。猩々は慌てて避けるが、ホネミンは戦技も繰り出す。
「刺突!!」
「ギャウッ!?」
「何!?」
シズネやミナが得意とする刺突の戦技をホネミンが繰り出した事にカゲマルは驚き、彼女がここまで戦えるとは思ってもいなかった。だが、ホネミンの経歴を考えればここまでの事ができてもおかしくはない。
彼女は元々はアイリスの加護を受けたエルフであり、子供の頃はレナと同様にアイリスの指導を受けて様々な能力を身に付けた。その中でも一番に技術を磨いたのは魔鎧術であり、彼女が扱う魔鎧術はレナ達よりも練度が高い。ただの木の枝を魔力を纏わせる事で武器に造り替えるなど普通の人間では真似できない。
「ていていていっ」
「ギャアアッ!?」
掛け声とは裏腹にホネミンは剣を繰り出し、その攻撃を避けようとしても何故か猩々は避けられずに受けてしまう。カゲマルはどうして猩々にホネミンの攻撃が当たるのかと不思議に思うが、その秘密は彼女の武器が関係していた。
(何だ、あの武器は……刀身が伸びた!?)
ホネミンが所有する武器は彼女が木の枝に魔力を纏わせて作り出した「魔力剣」であり、剣の形をしているが実際は彼女の魔力が実体化しただけに過ぎない。だからこそホネミンの意思に応じて刃は変化し、刀身を伸ばす事や曲げる事もできる。
「せいやぁっ」
「グエッ!?」
気の抜ける掛け声とは裏腹にホネミンは猩々の急所に的確に攻撃を繰り出し、彼女は猩々の腹部に蹴りを叩き込む。ただの人間の蹴りならば猩々に通じるはずがないが、肉体を再生したホネミンは生前の時より肉体が大幅に強化されており、彼女の攻撃を受けた猩々は膝をつく。
思いもよらぬ苦戦を強いられた猩々は目の前の相手を雌とは思わず、脅威として認識した。もう油断はしないで殺す事を誓った猩々は石斧を握りしめ、ホネミンに目掛けて振り下ろす。
「キィイイイッ!!」
「おっと!?」
「いかん、避けろ!!」
石斧を振りかざす猩々に対してホネミンは剣を構えるが、それを見ていたカゲマルは嫌な予感を覚えた。猩々は石斧を振り下ろすと思われた瞬間、途中で石斧を止めた。ホネミンが剣で受け止めようとした時に石斧が止まってしまい、呆気に取られた彼女に対して猩々は前蹴りを繰り出す。
「キキィッ!!」
「はぐぅっ!?」
「まずい!!」
前蹴りを受けたホネミンは後方へ吹き飛び、猩々の怪力で蹴り飛ばされたら一流の冒険者でも無事では済まない。カゲマルはホネミンを助けるために駆け出すが、蹴り飛ばされたはずのホネミンは難なく地面に着地を行う。
「ふうっ……危なかったですね」
「だ、大丈夫なのか!?」
「ええ、どうにか……防御が間に合いました」
「キキィッ……!?」
攻撃を受ける寸前にホネミンは魔鎧術を発動させ、自分の腹部に魔力を覆っていた。猩々が攻撃を繰り出したのはホネミンの腹部でしかなく、彼女は攻撃を受ける直前で魔鎧術で防御に成功していた。
攻撃される寸前に一瞬で魔鎧術を形成する事はレナでさえも真似はできず、何百年も魔鎧術を扱い続けたホネミンだからこそできる芸当である。それでも防御に成功したとはいえ、全く衝撃を受けていないわけではないので彼女は猩々を睨みつける。
「流石に今のはイラッとしましたね……絶対に許さんぞ虫けらども!!じわじわとなぶり殺しにしてやります!!」
「虫けら共!?」
「キキィッ!?」
ホネミンの言葉にカゲマルは自分も含まれているのかと驚くが、久々に本気で怒ったホネミンは両手を重ね合わせる。祈りをするように彼女は両手を合わせた状態で目を閉じると、徐々に彼女の身体が魔力で覆われていく。
彼女の身体が魔力に包み込まれるのを見てカゲマルは魔鎧術を発動させたのかと思ったが、すぐに彼は異変に気付く。まるでレミアの「聖鎧」のように彼女は自分の魔力を実体化させ、鎧のように変化を行う。レミアの場合は聖鎧や聖槍といった鎧や槍の形に魔力を変化させるが、ホネミンの場合は防具や武器などではなく、別の生物の姿へと変化を行う。
『ぐるるるっ……!!』
「キ、キキィッ!?」
「こ、これは……白狼種!?」
全身から魔力を放出したホネミンは巨大な狼のような姿に変身し、自分と相対する猩々を睨みつける。その姿は白狼種のウルと酷似しているが、ウルよりも一回りは大きくて全身から光を放つ。猩々は目の前に現れた巨狼に戸惑い、それでも石斧を手にして襲い掛かる。
「キィイイイッ!!」
『がうっ!!』
「何っ!?」
石斧が繰り出された瞬間、白狼と化したホネミンは石斧に噛みつき、そのまま力尽くで引き剥がす。猩々は石斧をあっさりと奪われてしまい、石斧を奪い取ったホネミンは更に前脚を繰り出して先ほどのお返しとばかりに猩々を吹き飛ばす。
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