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真・最終章 七魔将編
八番目の聖剣
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「確かに色々と魔石が置いてあるけど……どの魔石を結合させればいいわけ?」
『レナさんの体質に合わせた魔石となると火属性か水属性ですね』
「でも、俺がよく扱うのは土属性だけど……」
『好きに選んでいいと思いますよ。但し、チャンスは一度だけです。失敗したら取り返しがつかないので気をつけてください』
レナの敵聖属性は「火」と「水」であり、彼の魔鎧術が青色の炎なのはこの二つの性質を持ち合わせているからである。しかし、当の本人は火属性や水属性の魔法はあまり使わず、戦う時は常に土属性の魔法を多用している。この三つの属性の内のどれかを選び、聖剣を生み出さなければならない。
子供の頃の彼は火属性の魔法はよく使っていたが、水属性の魔法は全くと言っていいほど使用していない。そこで水属性は除外して火属性か土属性のどちからを選ぶか考えたが、悩んだ末にレナは片方の魔石を選ぶ。
「これにするよ」
『では聖光石と組み合わせてください。かなりの集中力を必要とするので私は黙って見守ります』
「よし……」
緊張した面持ちでレナは火属性の魔石と聖光石を重ね合わせ、両手で上下に挟み込む。この際に魔石同士が接触し、そこからさらに錬金術師の能力を生かして結合を行う。
錬金術師の「物質変換」と「形状高速変化」の二つの能力を同時に発動させ、魔石同士を結合させて新しい魔石を作り出す。本来であれば異なる属性同士の魔石を組み合わせれば反発作用を引き起こして大惨事になるが、それでもレナは実行した。
「う、ぐぅっ……あぁああああっ!?」
魔石同士を結合させる際に強烈な光が放たれ、空間全体を覆い込む。目を開く事もままならない状態の中、レナは両手の中に納まる魔石同士が磁石のように反発している事に気付く。少しでも力を緩めれば魔石同士が弾き飛ばされる事は間違いなく、彼は歯を食いしばって二つの魔石を抑えつける。
(なんて魔力だ……けど、負けるか!!)
二つの魔石の反発を抑え込みながらレナは全身の力を込めて魔石同士を押し込み、徐々にだが二つの魔石が組み合わさって一つの魔石へと変化していく。最終的にはレナの両の掌に収まり、やがて赤色の光が空間内を照らす。
「はあっ、はあっ……できた」
聖剣レーヴァティンに装着されている魔石と似た色合いの魔石がレナの掌の中に納まり、この時にレナの両手は酷い火傷を負っていた。魔石同士の反発によって危うく両手が溶かされるところだったが、どうにか結合に成功したレナは回復魔法で両手を治す。
両手の怪我をどうにか治した後、改めてレナは自分の聖光石を見て以前よりも魔力が増している事に気付く。彼が選択したのは「火属性の魔石」であり、聖光石と組み合わせた事でより強力な力を持つ魔石へと変化した。
『炎光石の完成ですね』
「炎光石……レーヴァティンにくっついている魔石とそっくりだ」
『それ以上ですよ』
アイリスによればレナが作り出した魔石は聖剣レーヴァティンに搭載されている魔石よりも力が強く、後は魔石の器をなる聖剣を用意するだけだった。しかし、聖剣の器となる武器を作る作業も楽ではなく、ここからはレナの武器も必要となる。
『さあ、休んでいる暇はありませんよ。次は聖剣の製作です』
「えっ……こいつを退魔刀に嵌め込めば聖剣になるんじゃないの?」
『それだけでは足りないんです。レナさんの退魔刀に嵌め込むだけだと力が暴走します。聖剣として力を引き出すためにはアダマンタイトではなく、オリハルコンが必要になります』
アダマンタイト製のレナの退魔刀に炎光石を嵌め込むだけでは力は発揮できず、彼の退魔刀を聖剣と同じように扱うためにはオリハルコンが必要だとアイリスは告げた。アダマンタイトよりもオリハルコンの方が魔力の伝導率が高く、そのために彼女はオリハルコン製の武器を探し出して退魔刀に装着するように促す。
『そこいら辺に置いてあるオリハルコン製の武器を改造して退魔刀にくっつけてください。柄と刃の間にオリハルコンを埋め込む感じです』
「簡単に言うなよ……こんな感じ?」
武器庫の中に保管されていたオリハルコン製の剣を手にしたレナは錬金術師の能力で退魔刀に組み込み、刃と柄の間に魔石を嵌め込む窪みを作り出す。そこに先ほど作り上げた炎光石を嵌め込むと、退魔刀に異変が発生した。
炎光石を嵌め込んだ瞬間に退魔刀に刻まれていた魔術痕が勝手に形を変え、火属性以外の魔術痕が消え去る。やがて刃には炎の紋様が浮かび上がると、それを手にしたレナは聖剣に触れた時のような感覚を覚える。
「この感覚は……!?」
『遂に完成しましたね……これこそが八番目の聖剣にしてレナさんだけの専用武器です』
「……俺の聖剣」
退魔刀は遂に聖剣の器へと造り替えられ、この世界には本来は存在しないはずの八番目の聖剣へと生まれ変わった。レナは刀身に浮かんだ炎の紋様を確認し、今ならばどんな敵にでも勝てる気がした。
『レナさんの体質に合わせた魔石となると火属性か水属性ですね』
「でも、俺がよく扱うのは土属性だけど……」
『好きに選んでいいと思いますよ。但し、チャンスは一度だけです。失敗したら取り返しがつかないので気をつけてください』
レナの敵聖属性は「火」と「水」であり、彼の魔鎧術が青色の炎なのはこの二つの性質を持ち合わせているからである。しかし、当の本人は火属性や水属性の魔法はあまり使わず、戦う時は常に土属性の魔法を多用している。この三つの属性の内のどれかを選び、聖剣を生み出さなければならない。
子供の頃の彼は火属性の魔法はよく使っていたが、水属性の魔法は全くと言っていいほど使用していない。そこで水属性は除外して火属性か土属性のどちからを選ぶか考えたが、悩んだ末にレナは片方の魔石を選ぶ。
「これにするよ」
『では聖光石と組み合わせてください。かなりの集中力を必要とするので私は黙って見守ります』
「よし……」
緊張した面持ちでレナは火属性の魔石と聖光石を重ね合わせ、両手で上下に挟み込む。この際に魔石同士が接触し、そこからさらに錬金術師の能力を生かして結合を行う。
錬金術師の「物質変換」と「形状高速変化」の二つの能力を同時に発動させ、魔石同士を結合させて新しい魔石を作り出す。本来であれば異なる属性同士の魔石を組み合わせれば反発作用を引き起こして大惨事になるが、それでもレナは実行した。
「う、ぐぅっ……あぁああああっ!?」
魔石同士を結合させる際に強烈な光が放たれ、空間全体を覆い込む。目を開く事もままならない状態の中、レナは両手の中に納まる魔石同士が磁石のように反発している事に気付く。少しでも力を緩めれば魔石同士が弾き飛ばされる事は間違いなく、彼は歯を食いしばって二つの魔石を抑えつける。
(なんて魔力だ……けど、負けるか!!)
二つの魔石の反発を抑え込みながらレナは全身の力を込めて魔石同士を押し込み、徐々にだが二つの魔石が組み合わさって一つの魔石へと変化していく。最終的にはレナの両の掌に収まり、やがて赤色の光が空間内を照らす。
「はあっ、はあっ……できた」
聖剣レーヴァティンに装着されている魔石と似た色合いの魔石がレナの掌の中に納まり、この時にレナの両手は酷い火傷を負っていた。魔石同士の反発によって危うく両手が溶かされるところだったが、どうにか結合に成功したレナは回復魔法で両手を治す。
両手の怪我をどうにか治した後、改めてレナは自分の聖光石を見て以前よりも魔力が増している事に気付く。彼が選択したのは「火属性の魔石」であり、聖光石と組み合わせた事でより強力な力を持つ魔石へと変化した。
『炎光石の完成ですね』
「炎光石……レーヴァティンにくっついている魔石とそっくりだ」
『それ以上ですよ』
アイリスによればレナが作り出した魔石は聖剣レーヴァティンに搭載されている魔石よりも力が強く、後は魔石の器をなる聖剣を用意するだけだった。しかし、聖剣の器となる武器を作る作業も楽ではなく、ここからはレナの武器も必要となる。
『さあ、休んでいる暇はありませんよ。次は聖剣の製作です』
「えっ……こいつを退魔刀に嵌め込めば聖剣になるんじゃないの?」
『それだけでは足りないんです。レナさんの退魔刀に嵌め込むだけだと力が暴走します。聖剣として力を引き出すためにはアダマンタイトではなく、オリハルコンが必要になります』
アダマンタイト製のレナの退魔刀に炎光石を嵌め込むだけでは力は発揮できず、彼の退魔刀を聖剣と同じように扱うためにはオリハルコンが必要だとアイリスは告げた。アダマンタイトよりもオリハルコンの方が魔力の伝導率が高く、そのために彼女はオリハルコン製の武器を探し出して退魔刀に装着するように促す。
『そこいら辺に置いてあるオリハルコン製の武器を改造して退魔刀にくっつけてください。柄と刃の間にオリハルコンを埋め込む感じです』
「簡単に言うなよ……こんな感じ?」
武器庫の中に保管されていたオリハルコン製の剣を手にしたレナは錬金術師の能力で退魔刀に組み込み、刃と柄の間に魔石を嵌め込む窪みを作り出す。そこに先ほど作り上げた炎光石を嵌め込むと、退魔刀に異変が発生した。
炎光石を嵌め込んだ瞬間に退魔刀に刻まれていた魔術痕が勝手に形を変え、火属性以外の魔術痕が消え去る。やがて刃には炎の紋様が浮かび上がると、それを手にしたレナは聖剣に触れた時のような感覚を覚える。
「この感覚は……!?」
『遂に完成しましたね……これこそが八番目の聖剣にしてレナさんだけの専用武器です』
「……俺の聖剣」
退魔刀は遂に聖剣の器へと造り替えられ、この世界には本来は存在しないはずの八番目の聖剣へと生まれ変わった。レナは刀身に浮かんだ炎の紋様を確認し、今ならばどんな敵にでも勝てる気がした。
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