不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・最終章 七魔将編

最上級魔法「七光」

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「――レナが扉の中に吸い込まれた!?」
「ふんっ!!ふんっ!!ふんぬっ……駄目だ、びくともしない!!」
「こら~!!レナたんを出して~!!」


黄金の扉の前にはダイン達が集まり、必死に黄金の扉を開けようとしていた。しかし、先ほどはゴンゾウとティナの二人がかりで開いた扉だが、いくら力を込めようとびくともしない。

扉に嵌め込まれていた七つの聖剣は効力が切れて元の剣に戻ってしまい、唯一に退魔刀だけが抜き取られていた。レナが黄金の扉を通過する際に退魔刀だけは回収し、残った六つの剣が地面に散らばっていた。


「駄目でござる、剣を嵌めようとしても反応しないでござる。やはり、聖剣を集めなければ……」
「くそっ、あいつ何を考えてるんだ!?何で一人で行くんだよ!!」
「こうなったらスラミンとヒトミンを隙間に押し込んで中に送り込む」
「「ぷるるるっ(いたたたっ)」」


コトミンは駄目元でスラミンとヒトミンを扉の隙間に押し込むが、如何にスライムであろうと小さな隙間を潜り抜けるのは無理らしく、そもそも聖剣が嵌め込まれていない状態では扉の先には何も存在しない。


「ど、どうしますか?私の聖剣を使いますか?」
「いや、聖剣の数は7つでござる。全ての聖剣を揃えないと開く事はできないのでは……」
「何を騒いでいるのかしら?」
「ぬあっ!?」
「マリア様!?」


扉の前でダイン達が騒いでいると、洞窟の奥からマリアとツバサが姿を現わす。彼女が登場すると即座に氷雨に所属する冒険者は膝を突き、ダインも焦った表情を浮かべる。


「あっ、あんた……今まで何処に居たんだよ!?」
「ダイン殿、それは流石にマリア殿に失礼では……」
「別に気にしていないわ。それよりもレナは何処に居るのかしら?」


ダインの発現にハンゾウは眉をしかめるが、マリアはレナの姿を探す。確かに彼女はここへ来る途中でレナの魔力を感じたのだが、何故か今は感じられなくなっていた。


「そ、それが……レナ殿はこの扉の中に入って姿を消したのでござる。恐らく、別の空間に飛ばされたと思うのでござるが……」
「レナ殿が!?」
「この扉は……」


ハンゾウの説明を聞いてマリアは黄金の扉に視線を向け、七つの聖剣の窪みと鍵穴を確認した。彼女はこれまで通過した黒門とは雰囲気が異なる事に気付き、試しに扉に触れてみるが反応はない。

だいたいの事情を察したマリアは黄金の扉に掌を構え、彼女は七つの聖剣の窪みを確認してある事を考える。そして扉を開くために必要な手順を見抜いて全員を下がらせた。


「そういう事ね。全員、扉から離れなさい」
「マリア殿?いったい何を……」
「この扉を開くわ」
「えっ!?そんな事ができるのですか?」
「聖剣を揃えなければ開かないのでは……」


マリアの発現に全員が驚き、誰もが7つの聖剣を揃えなければ扉は開かれないと思い込んでいた。しかし、マリアは扉の仕組みを見ただけで理解できた。なぜならば彼女は「鑑定眼」という能力を生まれながら持っているからである。

彼女の瞳には黄金の扉の詳細な情報が映し出され、扉を開く方法は鍵を使うか、聖剣を揃えるか、あるいはこの二つの代用品を用意すればいい。そして今回の場合は聖剣の代わりにマリアは魔法を使う。


「下がっていなさい、巻き込まれると死ぬわよ」
「全員下がれ!!マリア様の言う通りにしろ!!」
「うわわっ!?」
「皆、俺の後ろに下がれ!!」


マリアの傍から全員が離れると、ゴンゾウの後ろに仲間達が避難する。全員が離れたのを確認するとマリアは杖を取り出し、彼女は意識を集中させて最上級魔法オーバーマジックの準備を行う。


「最上級魔法……七光《セブンレイ》」
「こ、この魔法は!?」
「まさか!?」


魔法を唱えた瞬間にマリアの杖から七つの魔法陣が同時に展開され、七つの色合いの魔力の塊が出現した。以前にも彼女は複数の魔法を同時に発動させた事はあるが、今回は七つの魔法を同時に展開した。

最上級魔法はどれも習得難易度が高いが、この七光と呼ばれる魔法は実際には存在しない。マリアが生み出した全く新しい最上級魔法だと言える代物であり、世界中の魔術師を集めたとしてもこの魔法を扱える人間は彼女以外にいない。この魔法の発動条件は七つの属性を全て極めた人間にしか扱えないからである。


「流石にこの魔法は魔力の消費が激しいわね……」


マリアは珍しく弱音を吐き、この魔法の最大の欠点は七つの魔法を同時に使用するために聖剣を使用する時以上に魔力を消費してしまう。七つの上級魔法を同時に発動している事に等しく、いくらマリアであろうと長時間の維持はできない。

それでも彼女はレナを救うために黄金の扉に狙いを定め、この時に七つの聖剣の窪みの位置を確認する。そして彼女は七つの魔力の塊をそれぞれの聖剣の窪みに目掛けて放つ。


「発射《ブラスター》」
『うわぁあああっ!?』


七つの魔力の塊から同時に光線が発射され、黄金の扉の窪みの中に衝突した。普通ならば爆発が発生して扉が吹き飛んでもおかしくはないが、何故か扉は魔力の光線を受けた瞬間に光り輝き、まるで光線を吸収しているかのように輝きが強まっていく。
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