1,728 / 2,091
真・最終章 七魔将編
監視衛星
しおりを挟む
――全ての準備を整えたレナ達は転移魔法で目的地に移動する前にリーリスが衛星から炎龍の様子を伺う。そして炎龍が封じられていたはずの火山が完全に消えてなくなっている事が判明した。
「見てください、これが炎龍の現在地です」
「うわっ……何処から取り出したのこのデカいモニター」
「な、何だこれは!?水晶壁か?」
「この世界でも水晶玉で遠方の景色を移す道具があるでしょう?あれと同じ感じです」
「ああ、そういえば闘技祭でもそんなのがあったな……」
リーリスが用意したモニターを見てレナ以外の者達は驚くが、水晶玉を利用して遠方の景色を映し出す技術はこの世界にも存在し、実際に闘技祭などでは戦闘の様子を水晶玉に送って世界中で配信されていた。そう説明すると全員が納得し、そしてモニターに映し出される炎龍の姿を確認する。
現在の炎龍は焦土と化した場所に存在し、そこはかつて炎龍が封じられていたはずの鉱山が存在するはずだった。しかし、復活した炎龍によって鉱山は跡形もなく消し飛ばされていた。
「こ、これが炎龍……なんとおぞましい姿だ」
「火竜と似ている部分もありますけど……完全に別物じゃないですか!!」
「火竜の10倍以上の力を持つ存在です。決して油断しないでください、もう完全に復活を果たしているようです」
「火竜の10倍か……」
竜種の中でも火竜は最も人的被害を与えている存在なので有名だが、その火竜の上位種である炎龍は比べ物にならない力を秘める。真正面から戦いを挑んでも勝ち目はなく、やはり作戦通りに戦うしかない。
「むむっ……これは困りましたね」
「どうした?」
「炎龍の放つ火属性の魔力の波動の影響のせいか、炎龍が滞在する付近の温度が異様に上昇しています。50度は超えてますね」
「50度!?砂漠より暑いのか!?」
「とても人間が生きていける環境ではありませんね」
「そ、そういえば……生き物の姿が全く見当たらない」
炎龍が存在するだけで周囲に熱が発生し、その影響で炎龍の佇む地域には1匹たりとも魔物の存在が確認できなかった。炎龍と戦う以上は熱対策を行わなければならず、事前に全員が火属性の耐性を持つマントを身に付ける。
「こちらのマントは常に装備しておいてください。それとこのカプセルも渡しておきます」
「何だこれは……」
「私が特製で作った薬です。これを噛み砕くだけで体力も回復しますよ」
「おお、拙者の国の兵糧丸みたいでござるな」
リーリスは全員に特別な薬が入ったカプセルを手渡し、これを飲むだけで肉体の回復効果と体力を強化する事ができるらしい。炎龍との戦闘では回復薬を飲む暇もない事を考えられ、戦闘前にカプセルは口に含んでおけばいざという時に飲み込んで回復もできる。
モニターに表示されている炎龍は眠っているのか動く様子がなく、その傍には七魔将のラストが佇んでいた。彼は炎龍の傍で目を閉じた状態で座り込み、眠っているというよりは精神を集中させるために座禅を行っている様子だった。
「どうやら敵も私達を待ち構えているようですね」
「リーリス、衛星からレーザーとか撃てないの?」
「SFじゃあるまいし撃てませんよそんなの」
「いや、リーリスの存在自体がSFなんだけど……」
「僕としてはお前等が何の話をしているのかさっぱり分からないんだけど……」
SF映画のように流石に衛星からレーザーを撃ち込むような技術は存在せず、あくまでも衛星は監視用にしか扱えない。しかし、レナの話を聞いてリーリスは面白い考えを思いつく。
「いや、待てよ……レーザーは無理かもしれませんけど、空から援護はできるかもしれません」
「えっ!?戦闘機でもあるの?」
「いや、さすがにそこまではありませんけど、ともかく私も後で合流しますよ。事前に連絡を送るのでその時は皆さん退避してください」
「退避って……何をするつもり?」
「それは後のお楽しみという事で……では私はここで失礼しますね」
何かを思いついたリーリスはレナ達の元を立ち去り、彼女の残したモニターに映し出される映像を確認してマリアは考え込む。山に炎龍が潜むのであればいくらでも隠れ場所はあったが、炎龍は事前に山を焼き払い、更には周囲を焦土と化した事で隠れ場所が殆どない。
「ここに転移するとなると隠れる場所が問題ね。全員で同時攻撃を行うのは色々と不利だわ」
「姿を消す魔道具とかないかな?隠密や気配遮断みたいな技能で存在感を消すとか……」
「こそこそ隠れて不意打ちなんてあたしは性に合わないぞ」
『うむ、吾輩もそんな技能は覚えておらんな!!』
「貴方達はそうでしょうね……」
レナは技能で存在感を消す事は得意としているが、ハルナやゴウライはその手の技能は一切身に付けておらず、そもそも本人達が覚えるつもりがない。しかし、姿を隠蔽せずに炎龍に近付くとなると作戦が失敗してしまう可能性も高い。
「見てください、これが炎龍の現在地です」
「うわっ……何処から取り出したのこのデカいモニター」
「な、何だこれは!?水晶壁か?」
「この世界でも水晶玉で遠方の景色を移す道具があるでしょう?あれと同じ感じです」
「ああ、そういえば闘技祭でもそんなのがあったな……」
リーリスが用意したモニターを見てレナ以外の者達は驚くが、水晶玉を利用して遠方の景色を映し出す技術はこの世界にも存在し、実際に闘技祭などでは戦闘の様子を水晶玉に送って世界中で配信されていた。そう説明すると全員が納得し、そしてモニターに映し出される炎龍の姿を確認する。
現在の炎龍は焦土と化した場所に存在し、そこはかつて炎龍が封じられていたはずの鉱山が存在するはずだった。しかし、復活した炎龍によって鉱山は跡形もなく消し飛ばされていた。
「こ、これが炎龍……なんとおぞましい姿だ」
「火竜と似ている部分もありますけど……完全に別物じゃないですか!!」
「火竜の10倍以上の力を持つ存在です。決して油断しないでください、もう完全に復活を果たしているようです」
「火竜の10倍か……」
竜種の中でも火竜は最も人的被害を与えている存在なので有名だが、その火竜の上位種である炎龍は比べ物にならない力を秘める。真正面から戦いを挑んでも勝ち目はなく、やはり作戦通りに戦うしかない。
「むむっ……これは困りましたね」
「どうした?」
「炎龍の放つ火属性の魔力の波動の影響のせいか、炎龍が滞在する付近の温度が異様に上昇しています。50度は超えてますね」
「50度!?砂漠より暑いのか!?」
「とても人間が生きていける環境ではありませんね」
「そ、そういえば……生き物の姿が全く見当たらない」
炎龍が存在するだけで周囲に熱が発生し、その影響で炎龍の佇む地域には1匹たりとも魔物の存在が確認できなかった。炎龍と戦う以上は熱対策を行わなければならず、事前に全員が火属性の耐性を持つマントを身に付ける。
「こちらのマントは常に装備しておいてください。それとこのカプセルも渡しておきます」
「何だこれは……」
「私が特製で作った薬です。これを噛み砕くだけで体力も回復しますよ」
「おお、拙者の国の兵糧丸みたいでござるな」
リーリスは全員に特別な薬が入ったカプセルを手渡し、これを飲むだけで肉体の回復効果と体力を強化する事ができるらしい。炎龍との戦闘では回復薬を飲む暇もない事を考えられ、戦闘前にカプセルは口に含んでおけばいざという時に飲み込んで回復もできる。
モニターに表示されている炎龍は眠っているのか動く様子がなく、その傍には七魔将のラストが佇んでいた。彼は炎龍の傍で目を閉じた状態で座り込み、眠っているというよりは精神を集中させるために座禅を行っている様子だった。
「どうやら敵も私達を待ち構えているようですね」
「リーリス、衛星からレーザーとか撃てないの?」
「SFじゃあるまいし撃てませんよそんなの」
「いや、リーリスの存在自体がSFなんだけど……」
「僕としてはお前等が何の話をしているのかさっぱり分からないんだけど……」
SF映画のように流石に衛星からレーザーを撃ち込むような技術は存在せず、あくまでも衛星は監視用にしか扱えない。しかし、レナの話を聞いてリーリスは面白い考えを思いつく。
「いや、待てよ……レーザーは無理かもしれませんけど、空から援護はできるかもしれません」
「えっ!?戦闘機でもあるの?」
「いや、さすがにそこまではありませんけど、ともかく私も後で合流しますよ。事前に連絡を送るのでその時は皆さん退避してください」
「退避って……何をするつもり?」
「それは後のお楽しみという事で……では私はここで失礼しますね」
何かを思いついたリーリスはレナ達の元を立ち去り、彼女の残したモニターに映し出される映像を確認してマリアは考え込む。山に炎龍が潜むのであればいくらでも隠れ場所はあったが、炎龍は事前に山を焼き払い、更には周囲を焦土と化した事で隠れ場所が殆どない。
「ここに転移するとなると隠れる場所が問題ね。全員で同時攻撃を行うのは色々と不利だわ」
「姿を消す魔道具とかないかな?隠密や気配遮断みたいな技能で存在感を消すとか……」
「こそこそ隠れて不意打ちなんてあたしは性に合わないぞ」
『うむ、吾輩もそんな技能は覚えておらんな!!』
「貴方達はそうでしょうね……」
レナは技能で存在感を消す事は得意としているが、ハルナやゴウライはその手の技能は一切身に付けておらず、そもそも本人達が覚えるつもりがない。しかし、姿を隠蔽せずに炎龍に近付くとなると作戦が失敗してしまう可能性も高い。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。