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真・最終章 七魔将編
炎を切り裂く
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「うおおおおっ!!」
「ウォオオンッ!!」
炎龍に目掛けてウルは突っ込むと、レナは剣鬼の能力を完全覚醒させて退魔刀を振りかざす。この時に彼は魔刀術を発動させ、蒼炎を刃に纏わせた状態で振りかざす。それを見た炎龍は脅威を感じ取り、合図を待たずに火炎の吐息を放つ。
――アガァアアアアッ!!
火炎を越えた熱線の吐息を炎龍が放射した瞬間、レナは退魔刀を振り下ろして刃から蒼炎を放つ。炎龍の炎とレナの蒼炎が衝突した結果、熱線は拡散されて周囲に火の粉が飛び散る。
「ぐぅうっ!?」
「頑張ってください!!ほら、踏ん張って!!」
「ウォンッ!?」
退魔刀に蒼炎を纏った状態でレナは刃を繰り出し、正面から放たれる熱線に対抗する。通常であればいくら魔法金属製の武器であろうと炎龍の放つ熱線を浴び続ければ耐え切れずに溶解してしまうだろう。しかし、鍛え上げられたレナの退魔刀は聖剣に匹敵する能力を持つ。
新しく打ち直された退魔刀は炎を纏う能力が強化され、その力を利用してレナは今まで以上の魔力を送り込み、刃に蒼炎を纏う。レナの蒼炎は水属性と火属性の性質を併せ持つ希少な炎であり、その力を利用して炎龍の熱線を食い止める。
(炎龍と比べたら俺の魔力なんてちっぽけなもんだけど……力の使い方ならこっちの方が上だ!!)
炎龍は膨大な魔力を有してはいるが、その魔力を使いこなしているとは言い切れない。魔力を魔法に変える技術を持つのは人族だけであり、炎龍の場合は魔力を完全には扱えない。だから蓄積させた魔力を吐き出して攻撃に利用するぐらいの事しかできないが、レナは蒼炎を上手く利用して熱線を散らす。
魔刀術は魔力を実体化させて武器に纏う技術だが、技術を磨けばそれぞれの魔力の性質を生かして戦う事ができる。レナの場合は熱を操作して燃焼や凍結を引き起こす事ができるが、今回の場合は魔力を一点に集中させて炎龍の吐息と正面から跳ね返す。
(剣先に魔力を集中させろ!!このまま押し切れ!!)
退魔刀を突き出した状態で炎龍の吐息を正面から打ち払い、徐々に炎龍へと近付いていく。しかし、跳躍中のウルは徐々に重力に逆らえずに降下していく。
「ウォンッ!?」
「うわっ!?」
「おっとっとっ……そろそろ限界ですね!!出番ですよスライム―ズ!!」
「「ぷるんっ!!」」
ウルが体勢を崩しかけた瞬間、ホネミンは鞄の中に隠していたスラミンとヒトミンを解放する。彼女は水属性の魔石を取り出すと、スライム達の口元に放り込んでスライムを両脇に抱えて抑え込む。
「スライムさん達、お願いしますよ!!」
「「ぷるっしゃああああっ!!」」
水属性の魔石を喰らったスライム達は大量の水を吐き出し、その勢いに乗ってウルは体勢を持ち直した。スライムの放水を利用して一気にレナ達は炎龍へと接近し、その光景を見ていたラストもまさかの展開に驚きを隠せない。
「馬鹿なっ!?」
「おらぁあああっ!!」
「アガァッ……!?」
炎龍の放つ吐息を押し返しながらレナは接近すると、退魔刀を炎龍の口内に向けてねじ込もうとした。それを見たラストは咄嗟に炎龍に攻撃を中断するように命じる。
「頭を下げろ!!」
「ガアアッ!?」
ラストが命令を与えると炎龍の額に髑髏の紋様が浮き上がり、主人の命令には逆らえない炎龍は口元を閉じて頭を下げた。その結果、レナの繰り出した退魔刀は避けられたがその代わりにウルは炎龍の下げた頭の上に乗り込む。
遂に上空を浮かぶ炎龍の上に立つ事に成功したレナ達はラストと向き合い、彼は髑髏のペンダントを首に身に付けている事に気付く。事前にアイリスからの情報でレナは炎龍がラストの所有する魔道具によって操られている事は知っており、あのペンダントを奪い取る事ができればもしかしたら炎龍を大人しくさせる事ができるかもしれない。
(こいつを倒せば……)
当初の作戦では炎龍に接近した時点で次の段階へ以降する手はずだったが、レナはウルから飛び降りるとラストと向きい合う。ラストは降りてきたレナを見て感心した風に頷く。
「思っていたよりも幼いな……だが、人間ではあり得ない魔力を持っている。勇者の子孫か?」
「そうだといったら?」
「知れた事よ……勇者の子孫は一人残さず殺す」
「レナさん!!何やってんですか、早くしないと取り返しがつきませんよ!?」
ラストと向かい合ったレナを見てアイリスは慌てて注意するが、レナも彼女の言葉が正しい事は理解している。しかし、ようやく訪れた絶好の機会を逃す事もできず、ここでラストを倒す事ができれば作戦の成功に近付く。
「ごめん、アイリス……ここでこいつを倒す!!」
「ちょっと!?欲張り過ぎは駄目ですよ!!」
「何をするつもりは知らんが……ここでお前達には消えてもらうぞ」
レナの言葉を聞いてもラストは取り乱さずに掌を向けた。その行為にレナは不審に思うが、唐突にラストの掌に火の聖痕が浮き上がる。本来であれば火の聖痕の所有者はホムラのはずだが、彼女の能力を奪ったラストは聖痕の力を利用して攻撃を行う。
「ウォオオンッ!!」
炎龍に目掛けてウルは突っ込むと、レナは剣鬼の能力を完全覚醒させて退魔刀を振りかざす。この時に彼は魔刀術を発動させ、蒼炎を刃に纏わせた状態で振りかざす。それを見た炎龍は脅威を感じ取り、合図を待たずに火炎の吐息を放つ。
――アガァアアアアッ!!
火炎を越えた熱線の吐息を炎龍が放射した瞬間、レナは退魔刀を振り下ろして刃から蒼炎を放つ。炎龍の炎とレナの蒼炎が衝突した結果、熱線は拡散されて周囲に火の粉が飛び散る。
「ぐぅうっ!?」
「頑張ってください!!ほら、踏ん張って!!」
「ウォンッ!?」
退魔刀に蒼炎を纏った状態でレナは刃を繰り出し、正面から放たれる熱線に対抗する。通常であればいくら魔法金属製の武器であろうと炎龍の放つ熱線を浴び続ければ耐え切れずに溶解してしまうだろう。しかし、鍛え上げられたレナの退魔刀は聖剣に匹敵する能力を持つ。
新しく打ち直された退魔刀は炎を纏う能力が強化され、その力を利用してレナは今まで以上の魔力を送り込み、刃に蒼炎を纏う。レナの蒼炎は水属性と火属性の性質を併せ持つ希少な炎であり、その力を利用して炎龍の熱線を食い止める。
(炎龍と比べたら俺の魔力なんてちっぽけなもんだけど……力の使い方ならこっちの方が上だ!!)
炎龍は膨大な魔力を有してはいるが、その魔力を使いこなしているとは言い切れない。魔力を魔法に変える技術を持つのは人族だけであり、炎龍の場合は魔力を完全には扱えない。だから蓄積させた魔力を吐き出して攻撃に利用するぐらいの事しかできないが、レナは蒼炎を上手く利用して熱線を散らす。
魔刀術は魔力を実体化させて武器に纏う技術だが、技術を磨けばそれぞれの魔力の性質を生かして戦う事ができる。レナの場合は熱を操作して燃焼や凍結を引き起こす事ができるが、今回の場合は魔力を一点に集中させて炎龍の吐息と正面から跳ね返す。
(剣先に魔力を集中させろ!!このまま押し切れ!!)
退魔刀を突き出した状態で炎龍の吐息を正面から打ち払い、徐々に炎龍へと近付いていく。しかし、跳躍中のウルは徐々に重力に逆らえずに降下していく。
「ウォンッ!?」
「うわっ!?」
「おっとっとっ……そろそろ限界ですね!!出番ですよスライム―ズ!!」
「「ぷるんっ!!」」
ウルが体勢を崩しかけた瞬間、ホネミンは鞄の中に隠していたスラミンとヒトミンを解放する。彼女は水属性の魔石を取り出すと、スライム達の口元に放り込んでスライムを両脇に抱えて抑え込む。
「スライムさん達、お願いしますよ!!」
「「ぷるっしゃああああっ!!」」
水属性の魔石を喰らったスライム達は大量の水を吐き出し、その勢いに乗ってウルは体勢を持ち直した。スライムの放水を利用して一気にレナ達は炎龍へと接近し、その光景を見ていたラストもまさかの展開に驚きを隠せない。
「馬鹿なっ!?」
「おらぁあああっ!!」
「アガァッ……!?」
炎龍の放つ吐息を押し返しながらレナは接近すると、退魔刀を炎龍の口内に向けてねじ込もうとした。それを見たラストは咄嗟に炎龍に攻撃を中断するように命じる。
「頭を下げろ!!」
「ガアアッ!?」
ラストが命令を与えると炎龍の額に髑髏の紋様が浮き上がり、主人の命令には逆らえない炎龍は口元を閉じて頭を下げた。その結果、レナの繰り出した退魔刀は避けられたがその代わりにウルは炎龍の下げた頭の上に乗り込む。
遂に上空を浮かぶ炎龍の上に立つ事に成功したレナ達はラストと向き合い、彼は髑髏のペンダントを首に身に付けている事に気付く。事前にアイリスからの情報でレナは炎龍がラストの所有する魔道具によって操られている事は知っており、あのペンダントを奪い取る事ができればもしかしたら炎龍を大人しくさせる事ができるかもしれない。
(こいつを倒せば……)
当初の作戦では炎龍に接近した時点で次の段階へ以降する手はずだったが、レナはウルから飛び降りるとラストと向きい合う。ラストは降りてきたレナを見て感心した風に頷く。
「思っていたよりも幼いな……だが、人間ではあり得ない魔力を持っている。勇者の子孫か?」
「そうだといったら?」
「知れた事よ……勇者の子孫は一人残さず殺す」
「レナさん!!何やってんですか、早くしないと取り返しがつきませんよ!?」
ラストと向かい合ったレナを見てアイリスは慌てて注意するが、レナも彼女の言葉が正しい事は理解している。しかし、ようやく訪れた絶好の機会を逃す事もできず、ここでラストを倒す事ができれば作戦の成功に近付く。
「ごめん、アイリス……ここでこいつを倒す!!」
「ちょっと!?欲張り過ぎは駄目ですよ!!」
「何をするつもりは知らんが……ここでお前達には消えてもらうぞ」
レナの言葉を聞いてもラストは取り乱さずに掌を向けた。その行為にレナは不審に思うが、唐突にラストの掌に火の聖痕が浮き上がる。本来であれば火の聖痕の所有者はホムラのはずだが、彼女の能力を奪ったラストは聖痕の力を利用して攻撃を行う。
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