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真・最終章 七魔将編
海戦
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魔力切れによってレナの退魔刀の蒼炎の出力が弱まった結果、失速した彼を飲み込もうと炎龍は顎が張り裂けないばかりに口を開く。しかし、炎龍に飲み込まれる前にレナの元に凄まじい速度で移動する人影が存在した。
『とうっ!!』
『うわっ!?』
レナを助け出したのはコトミンだった。地上で別れたはずの彼女がここにいる事にレナは驚くが、コトミンは凄まじい勢いでレナを抱き寄せた状態で浮上する。その移動速度は炎龍さえも追いつけず、瞬く間に彼女は距離を離す。
『コトミン!!もう来てたの!?』
『皆、もう準備はしてる』
コトミンは事前にレナが海底の遺跡へ移動する事を知っており、彼女は他の者達も準備を整えている事を知らせる。二人は海底を抜け出すと、海上に浮かぶ巨大な船を確認した。その船の正体はホネミンが開発した潜水船だった。
「到着!!」
「ぶはぁっ!?」
海上に浮上するとコトミンは勢いのままレナを担いで潜水船の甲板に着地する。レナは魔鎧術を解いて甲板に倒れ込むと、そこには既に他の仲間達の姿もあった。
「レナ!!大丈夫か!?」
「やっぱり生きてたか坊主!!」
「心配してたのよ」
「また一人で無茶をして……貴方はいつもそうよ!!」
「皆……良かった、無事だったのか」
甲板には炎龍討伐のために同行していた聖剣所有者と同行者の姿も存在し、更には冒険都市で別れた仲間達も集まっていた。実を言えば冒険都市を離れる前にマリアは転移魔法で他の者達も海へと転移させていた。
現在の海上には複数の大船が存在し、そこには冒険都市の面々も集まっていた。どうして彼等がここへ待機しているのかというと、それはレナの提案で炎龍を海に転移させるという話を聞いて万全の準備を整えていたからである。
「……む、婿殿、言われた通りに炎龍を倒す準備は整えているぞ」
「王様……いや、お義父さん」
「ぐぬぬっ……」
「父上、落ち着いて下さい。今は争っている場合ではありません!!」
「そうですわ!!ここは国など関係なく、皆で力を合わせて戦う時ですわ!!」
船の中にはヨツバ王国が保有する船も存在し、この船にはヨツバ王国の戦力が乗り込んでいる。ちなみに船の船首には外見は若かりし頃のデブリの像がボディビルようなポーズを取っている姿の銅像が建てられていた。
「な、何だこの銅像……何処の邪神だ!?」
「ヨツバ王国はこんな銅像の髪を崇拝しているのか……」
「恐ろしい国だね……」
「……バルトロス王国に帰順しようかしら」
「誤解ですわ!?それは邪神像ではありません、若かりし頃の父上ですわ!!」
銅像を見た途端にダイン、ゴンゾウ、バルは退き気味になるとマリアも視線をあからさまに逸らす。慌ててノルンが否定するが、悠長に話している余裕はなかった。
――オァアアアアアッ!!
話し込んでいる間に遂に炎龍が海上へ浮上すると、海面に振動が走って船が揺れる。この時にレナは潜水船を操縦しているのはホネミンか気になり、彼女も既に船に乗り込んでいるのかを尋ねる。
「おっとと……この船はホネミンが運転してるの?」
「いいえ、私はここにいますよ」
「「ぷるぷるっ」」
「うわっ!?何でいるの!?」
ホネミンは何故か甲板でスライム達を脇に抱えた状態で待機しており、状況的に考えて彼女も先ほど転移してきたらしい。しかし、それならば現在の潜水船船は誰が動かしているのかとレナは疑問を口にする前に炎龍が攻撃を開始した。
「アガァアアアッ!!」
「やべえっ!?またとんでもないのを撃ってくるぞ!!」
「面舵いっぱい!!避けてください!!」
甲板に取り付けられている伝声管にホネミンは声をかけると、潜水船は急速に右に傾いて進路を変えた。その結果、炎龍が放った熱線の回避に成功する。どうにか事前に船を動かした事で避ける事には成功したが、船を動かしているのは何者なのかとレナは気になった。
これまでに潜水船を動かせるのはホネミンだけだと思っていたが、彼女以外に巧みに船を操作する技術を持つ者がいたのかとレナは不思議に思う。そこで彼はホネミンの元に近付いて伝声管に耳を近づけると、その声を聞いて驚く。
『ぷるっくりんっ!!』
「いや、お前が運転してんのかい!!」
「副船長ですから」
潜水船を操作しているのがホネミンが飼っているペットのプルミンだと判明し、どうやって操縦席で運転しているのかは不明だが、彼の巧みな船操技術のお陰で炎龍の攻撃を回避できた。しかも船はそのまま動き出し、炎龍の側面へと移動を開始した。
「儂等も動くぞ!!風の精霊よ、我等に力を!!」
「精霊の力を借りて船を動かせ!!」
デブリたちが乗り込んでいる船はどうやら風の精霊を利用して風の力で動かすらしく、潜水船とは反対方向に移動を行う。左右に船が分かれた事で炎龍はどちらから狙うか迷い、その間にレナ達は戦闘準備を整える。
『とうっ!!』
『うわっ!?』
レナを助け出したのはコトミンだった。地上で別れたはずの彼女がここにいる事にレナは驚くが、コトミンは凄まじい勢いでレナを抱き寄せた状態で浮上する。その移動速度は炎龍さえも追いつけず、瞬く間に彼女は距離を離す。
『コトミン!!もう来てたの!?』
『皆、もう準備はしてる』
コトミンは事前にレナが海底の遺跡へ移動する事を知っており、彼女は他の者達も準備を整えている事を知らせる。二人は海底を抜け出すと、海上に浮かぶ巨大な船を確認した。その船の正体はホネミンが開発した潜水船だった。
「到着!!」
「ぶはぁっ!?」
海上に浮上するとコトミンは勢いのままレナを担いで潜水船の甲板に着地する。レナは魔鎧術を解いて甲板に倒れ込むと、そこには既に他の仲間達の姿もあった。
「レナ!!大丈夫か!?」
「やっぱり生きてたか坊主!!」
「心配してたのよ」
「また一人で無茶をして……貴方はいつもそうよ!!」
「皆……良かった、無事だったのか」
甲板には炎龍討伐のために同行していた聖剣所有者と同行者の姿も存在し、更には冒険都市で別れた仲間達も集まっていた。実を言えば冒険都市を離れる前にマリアは転移魔法で他の者達も海へと転移させていた。
現在の海上には複数の大船が存在し、そこには冒険都市の面々も集まっていた。どうして彼等がここへ待機しているのかというと、それはレナの提案で炎龍を海に転移させるという話を聞いて万全の準備を整えていたからである。
「……む、婿殿、言われた通りに炎龍を倒す準備は整えているぞ」
「王様……いや、お義父さん」
「ぐぬぬっ……」
「父上、落ち着いて下さい。今は争っている場合ではありません!!」
「そうですわ!!ここは国など関係なく、皆で力を合わせて戦う時ですわ!!」
船の中にはヨツバ王国が保有する船も存在し、この船にはヨツバ王国の戦力が乗り込んでいる。ちなみに船の船首には外見は若かりし頃のデブリの像がボディビルようなポーズを取っている姿の銅像が建てられていた。
「な、何だこの銅像……何処の邪神だ!?」
「ヨツバ王国はこんな銅像の髪を崇拝しているのか……」
「恐ろしい国だね……」
「……バルトロス王国に帰順しようかしら」
「誤解ですわ!?それは邪神像ではありません、若かりし頃の父上ですわ!!」
銅像を見た途端にダイン、ゴンゾウ、バルは退き気味になるとマリアも視線をあからさまに逸らす。慌ててノルンが否定するが、悠長に話している余裕はなかった。
――オァアアアアアッ!!
話し込んでいる間に遂に炎龍が海上へ浮上すると、海面に振動が走って船が揺れる。この時にレナは潜水船を操縦しているのはホネミンか気になり、彼女も既に船に乗り込んでいるのかを尋ねる。
「おっとと……この船はホネミンが運転してるの?」
「いいえ、私はここにいますよ」
「「ぷるぷるっ」」
「うわっ!?何でいるの!?」
ホネミンは何故か甲板でスライム達を脇に抱えた状態で待機しており、状況的に考えて彼女も先ほど転移してきたらしい。しかし、それならば現在の潜水船船は誰が動かしているのかとレナは疑問を口にする前に炎龍が攻撃を開始した。
「アガァアアアッ!!」
「やべえっ!?またとんでもないのを撃ってくるぞ!!」
「面舵いっぱい!!避けてください!!」
甲板に取り付けられている伝声管にホネミンは声をかけると、潜水船は急速に右に傾いて進路を変えた。その結果、炎龍が放った熱線の回避に成功する。どうにか事前に船を動かした事で避ける事には成功したが、船を動かしているのは何者なのかとレナは気になった。
これまでに潜水船を動かせるのはホネミンだけだと思っていたが、彼女以外に巧みに船を操作する技術を持つ者がいたのかとレナは不思議に思う。そこで彼はホネミンの元に近付いて伝声管に耳を近づけると、その声を聞いて驚く。
『ぷるっくりんっ!!』
「いや、お前が運転してんのかい!!」
「副船長ですから」
潜水船を操作しているのがホネミンが飼っているペットのプルミンだと判明し、どうやって操縦席で運転しているのかは不明だが、彼の巧みな船操技術のお陰で炎龍の攻撃を回避できた。しかも船はそのまま動き出し、炎龍の側面へと移動を開始した。
「儂等も動くぞ!!風の精霊よ、我等に力を!!」
「精霊の力を借りて船を動かせ!!」
デブリたちが乗り込んでいる船はどうやら風の精霊を利用して風の力で動かすらしく、潜水船とは反対方向に移動を行う。左右に船が分かれた事で炎龍はどちらから狙うか迷い、その間にレナ達は戦闘準備を整える。
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