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蛇足編
ミズネの行方
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「冒険都市へまた戻らないといけないわけか……」
「それしか方法はありませんね。アイリス様と交信できたらすぐに居場所は分かりますけど……」
「それができたら苦労しないよ」
アイリスと交信さえできればミズネが何処にいるのかもすぐに分かるのだが、生憎とこの世界では彼女と交信はできない。しかし、手がかりが全くないわけではなかった。レナはシズネからミズネの話を何度か聞いた事があり、彼女の居場所にも心当たりがあった。
「そういえばシズネは昔は王都に住んでいたらしいよ。ギラン大将軍が亡くなるまでは一緒に暮らしていたって……」
「なるほど、ギラン大将軍はこの時代も大将軍のはずです。そしてミズネさんの指輪があるという事はこの時代から信仰があったという事ですね」
シズネが生まれるのは大分先の話だがギランは既にこの時代からミズネと交流があるらしく、もしかしたらミズネも彼と一緒に王都にいる可能性がある。他に手がかりがない以上は王都へ向かうしかなく、レナ達は進路を王都へと変えて出発した――
――この時代の王都はまだバルトロス12世が健在であり、イレアビトが権力を握っていない。レナの父親も生きてはいるが、余計な接触は避けなければならない。王都へ辿り着いたレナ達はミズネという名前の人魚族の聞き込みを行う。
「ミズネ?聞いた事もないな……そもそも人魚族なんて見た事ないよ」
「ギランさんの恋人?おいおい、あの人は先日に貴族と婚約したばかりだぞ」
「悪いけど心当たりはないな。客じゃないなら帰ってくれ」
王都の住民に聞き込みを行うがミズネと思われる人物を知る者はおらず、そもそもギランは最近に貴族の令嬢と婚約したらしい。その婚約者が彼の正妻になる人物と思われ、ギランが亡くなった後に彼の側室だったミズネとその娘のシズネを追い出した人物だろう。
ミズネは人魚族なので仲間の元に戻る事もできたが、彼女の場合は人間として生まれたシズネを放置はできず、外の世界で生きて行こうとした。しかし、陸上での生活は人魚族にとっては無理があり、結局はシズネが大人になる前に死んでしまった。その後のシズネは一人で生きていく事を決め、後に父親を死に導いたイレアビトと接触した。
イレアビトは自分の手駒となるならばシズネにゴウライへの復讐の機会を与える事を約束し、彼女に魔剣「雪月花」を渡した。皮肉な事にシズネはギランを死に至らしめた存在に生かされ、彼女は魔剣を極めて青の剣聖の称号を得る程までに成長した。だが、レナ達と出会った事でシズネは復讐を辞めて彼等と共に生きていく事を誓い、今ではゴウライに対しての復讐心は薄れていた。
「ミズネさんか……」
「レナさん、まさかとは思いますけどミズネさんに未来の事を話そうと思っていませんか?」
「……やっぱり駄目かな」
「駄目に決まってますよ。もしもミズネさんが生き延びたらレナさんとシズネは出会う事もないし、そうなると未来はどんな風に変わるのかも分かりません。残酷かと思うかもしれませんけど、彼女と出会ったら指輪だけ返して戻りましょう」
「ぷるるんっ……」
「クゥンッ」
これまでにも未来の知り合いと出会ってはいたが、ミズネの場合は事情が異なる。彼女だけは未来の世界には既に亡くなっており、彼女が死ななければシズネは傭兵として生きていく道を選ばなかった。もしも彼女が傭兵にならなければレナ達と接触する事もなく、未来は大きく変わってしまう。
シズネのお陰で窮地を脱した事もあるため、もしも彼女という存在がいなくなればレナ達の未来はどんな風に変わるのかは分からない。だからこそホネミンは決してミズネと出会っても自分達の正体を明かさず、未来に起きる出来事も変えるような発言は控えるように注意した。
「私達は指輪をミズネさんに渡すだけです。その後はすぐに元の時代に帰りますよ」
「……何とかミズネさんを生き残らせる事はできないの?」
「不可能ですよ、ミズネさんの死がなければシズネさんの運命は大きく変わります。それともレナさんはシズネさんと出会わなければ良いと思ってるんですか?レナさんにとってシズネさんはそんなに大切な人じゃないんですか」
「そんなわけないだろ!!」
ホネミンの言葉に流石に黙っていられずにレナは怒鳴り、彼にとってもシズネは大切な存在だった。彼女とはコトミン達の次に共に旅をした仲間であり、それに自分の事を大切に想ってくれている相手だとも気付いている。だからこそ彼女を失う事など絶対にあってはならない。
「覚悟は決まったようですね。それじゃあ、ミズネさんを探しましょう」
「分かってる、分かってるけど……」
「どうしようもない事だってあるんです。私達が未来に戻るためにはこれ以上に過去の人間との接触は避けるべきことなんですよ」
冷たいように思えるがホネミンは決して間違った事は言っておらず、彼女の言う通りにレナ達は未来に戻るためにはミズネの犠牲を防ぐ事はできない。
「それしか方法はありませんね。アイリス様と交信できたらすぐに居場所は分かりますけど……」
「それができたら苦労しないよ」
アイリスと交信さえできればミズネが何処にいるのかもすぐに分かるのだが、生憎とこの世界では彼女と交信はできない。しかし、手がかりが全くないわけではなかった。レナはシズネからミズネの話を何度か聞いた事があり、彼女の居場所にも心当たりがあった。
「そういえばシズネは昔は王都に住んでいたらしいよ。ギラン大将軍が亡くなるまでは一緒に暮らしていたって……」
「なるほど、ギラン大将軍はこの時代も大将軍のはずです。そしてミズネさんの指輪があるという事はこの時代から信仰があったという事ですね」
シズネが生まれるのは大分先の話だがギランは既にこの時代からミズネと交流があるらしく、もしかしたらミズネも彼と一緒に王都にいる可能性がある。他に手がかりがない以上は王都へ向かうしかなく、レナ達は進路を王都へと変えて出発した――
――この時代の王都はまだバルトロス12世が健在であり、イレアビトが権力を握っていない。レナの父親も生きてはいるが、余計な接触は避けなければならない。王都へ辿り着いたレナ達はミズネという名前の人魚族の聞き込みを行う。
「ミズネ?聞いた事もないな……そもそも人魚族なんて見た事ないよ」
「ギランさんの恋人?おいおい、あの人は先日に貴族と婚約したばかりだぞ」
「悪いけど心当たりはないな。客じゃないなら帰ってくれ」
王都の住民に聞き込みを行うがミズネと思われる人物を知る者はおらず、そもそもギランは最近に貴族の令嬢と婚約したらしい。その婚約者が彼の正妻になる人物と思われ、ギランが亡くなった後に彼の側室だったミズネとその娘のシズネを追い出した人物だろう。
ミズネは人魚族なので仲間の元に戻る事もできたが、彼女の場合は人間として生まれたシズネを放置はできず、外の世界で生きて行こうとした。しかし、陸上での生活は人魚族にとっては無理があり、結局はシズネが大人になる前に死んでしまった。その後のシズネは一人で生きていく事を決め、後に父親を死に導いたイレアビトと接触した。
イレアビトは自分の手駒となるならばシズネにゴウライへの復讐の機会を与える事を約束し、彼女に魔剣「雪月花」を渡した。皮肉な事にシズネはギランを死に至らしめた存在に生かされ、彼女は魔剣を極めて青の剣聖の称号を得る程までに成長した。だが、レナ達と出会った事でシズネは復讐を辞めて彼等と共に生きていく事を誓い、今ではゴウライに対しての復讐心は薄れていた。
「ミズネさんか……」
「レナさん、まさかとは思いますけどミズネさんに未来の事を話そうと思っていませんか?」
「……やっぱり駄目かな」
「駄目に決まってますよ。もしもミズネさんが生き延びたらレナさんとシズネは出会う事もないし、そうなると未来はどんな風に変わるのかも分かりません。残酷かと思うかもしれませんけど、彼女と出会ったら指輪だけ返して戻りましょう」
「ぷるるんっ……」
「クゥンッ」
これまでにも未来の知り合いと出会ってはいたが、ミズネの場合は事情が異なる。彼女だけは未来の世界には既に亡くなっており、彼女が死ななければシズネは傭兵として生きていく道を選ばなかった。もしも彼女が傭兵にならなければレナ達と接触する事もなく、未来は大きく変わってしまう。
シズネのお陰で窮地を脱した事もあるため、もしも彼女という存在がいなくなればレナ達の未来はどんな風に変わるのかは分からない。だからこそホネミンは決してミズネと出会っても自分達の正体を明かさず、未来に起きる出来事も変えるような発言は控えるように注意した。
「私達は指輪をミズネさんに渡すだけです。その後はすぐに元の時代に帰りますよ」
「……何とかミズネさんを生き残らせる事はできないの?」
「不可能ですよ、ミズネさんの死がなければシズネさんの運命は大きく変わります。それともレナさんはシズネさんと出会わなければ良いと思ってるんですか?レナさんにとってシズネさんはそんなに大切な人じゃないんですか」
「そんなわけないだろ!!」
ホネミンの言葉に流石に黙っていられずにレナは怒鳴り、彼にとってもシズネは大切な存在だった。彼女とはコトミン達の次に共に旅をした仲間であり、それに自分の事を大切に想ってくれている相手だとも気付いている。だからこそ彼女を失う事など絶対にあってはならない。
「覚悟は決まったようですね。それじゃあ、ミズネさんを探しましょう」
「分かってる、分かってるけど……」
「どうしようもない事だってあるんです。私達が未来に戻るためにはこれ以上に過去の人間との接触は避けるべきことなんですよ」
冷たいように思えるがホネミンは決して間違った事は言っておらず、彼女の言う通りにレナ達は未来に戻るためにはミズネの犠牲を防ぐ事はできない。
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