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蛇足編
原点回帰
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「――あ~あ、やっぱり取り返せばよかったかな」
誰もいない路地裏でレナは空を見上げ、ペンダントを取り返さずに立ち去った事を少しだけ後悔していた。その気になればレナはあの場に居た人間を全員捕まえ、アリアのペンダントも取り戻す事はできた。しかし、どうしてもミレトに手を出す事は彼にはできなかった。
ミレトの父親を殺したのはレナであり、その点に関してはレナも負い目を感じていた。ミレトの父親のミドルはイレアビトの右腕にして最強の配下であったため、彼を倒さなければイレアビトを捕まえる事などできなかった。それにミドルも武人としてレナとの一騎打ちに挑み、その上で敗北したのだから後悔はない。
しかし、当人同士が納得していたとしても父親を殺されたミレトにとってはレナを恨んでも仕方ない。それでも彼は何度かレナのために協力してくれた。それを考えるとレナはミレトに手を出す事ができず、今回だけは見逃した。
「……あの三人、これからどうするつもりかな」
カノンだけでも捕まえておくべきかと考えたが、アマネの口ぶりだと王妃の遺産を手に入れるには彼女だけでは力不足であり、だからこそ憎き仇であるレナをも利用しようとした。仮にもカノンは経緯はどうであれ大将軍にまで上り詰めた実力者であり、彼女が行動を共にすれば問題はないだろう。
「はあっ……」
自分のした行為が本当に正しかったのかと思う中、レナは空を見上げて考え込む。気分を晴らすためにレナは久々に旅が出たいと考えた。冒険者として仕事を受けて他の地方に向かうのではなく、自分の意思で気ままに旅をしたい気分に陥る。
「そうだ、ダイン達が監獄都市に向かうみたいだし、一緒に付いて行こうかな?」
まだダイン達は冒険都市に滞在しており、彼等はマリアの都合が付けば監獄都市に転移魔法で向かう予定だった。その旅にレナは参加し、昔のように楽しく旅をして気分を晴らそうかと考えた。だが、そんな彼の前に意外な人物が姿を現す。
「あんた、そんなところで何してんだい?」
「その声は……バル?」
声の聞えた方に視線を向けると、そこにはバルの姿があった。彼女は買い物帰りなのか大量の荷物を抱えており、レナを発見すると丁度いいとばかりに荷物を差し出す。
「あんたとここで会えたのが幸いだったね。荷物を運ぶのを手伝ってくれよ、ほら早く!!」
「え~……依頼ならちゃんと冒険者ギルドに申し込んで手続きを」
「いいからさっさと手伝いな!!上司命令だよ!?」
いくらS級冒険者といっても自分が所属するギルドのギルドマスターには逆らえず、渋々とレナはバルから荷物を受け取ると空間魔法で異空間に送り込む。彼女が買い込んだのは食料品の類であり、黒虎のギルドまで向かう。
「こうしていると懐かしいね、最初の頃はよく買い物にあんたを手伝わせていたよ」
「そういえばそうだね」
昔はレナはバルの頼みで彼女の買い物によく付き合い、荷物の類を運ぶ仕事もしていた。冒険者の仕事の合間に行い、手伝いの代わりに食堂で飯を食べさせてもらった。
今と比べてレナは黒虎のギルドに立ち寄る機会は少なく、時々S級冒険者として指名依頼がある時だけ赴く。最近は久々に冒険者の仕事をしてきたが、今は昔程に仕事を受ける理由はない。生活のために冒険者稼業に専念していたが、王族として復帰したレナはもう生活には困らない。
「冒険者か……」
「ん?何だい急に……何かあったのかい?」
「いや、冒険者というのは冒険をする者という意味なんだよね」
「まあ、間違ってはいないね。一般人からは魔物退治の専門家と思われる事が多いけど、あたし達の本文は冒険を行うのが仕事だよ」
冒険者は本来は魔物退治を主とする仕事ではなく、危険を承知で冒険を行う者を意味する。大昔は魔物がまだ今ほどに存在しない時代では、冒険者は未開の地に訪れて調査を行うのが仕事だった。
「今の時代、冒険者が冒険をする事ができる場所なんて殆ど残っていないからね。探せば何処かにまだ誰も発見していない土地もあるかもしれないけど、昔よりも魔物が増えた自体では冒険する余裕もないからね」
「そっか……」
「あんたが深淵の森で見つけた遺跡のように世界にはまだ誰も探してない土地もあるかもしれない。だけど、そんな物を探せるのは実力もあってそれでいながら暇人のやる事だよ。もう今では冒険者が冒険するなんて時代遅れさ」
「時代遅れか……」
バルの言葉を聞いてレナは空を見上げ、今まであまり意識はしてなかったがレナは自分が冒険者である事を自覚する。そしてバルの言う通り、今のレナは実力もあるのに暇を持て余している冒険者の条件に合い、彼は決意した。
「ありがとう、バルのお陰で新しい目標ができたよ」
「そうなのかい?よく分からないけど、それは良かったね」
「うん……よし、やるか!!」
目標が定まったレナは早々に黒虎のギルドへ向かい、荷物を返して自分の屋敷へと向かう――
誰もいない路地裏でレナは空を見上げ、ペンダントを取り返さずに立ち去った事を少しだけ後悔していた。その気になればレナはあの場に居た人間を全員捕まえ、アリアのペンダントも取り戻す事はできた。しかし、どうしてもミレトに手を出す事は彼にはできなかった。
ミレトの父親を殺したのはレナであり、その点に関してはレナも負い目を感じていた。ミレトの父親のミドルはイレアビトの右腕にして最強の配下であったため、彼を倒さなければイレアビトを捕まえる事などできなかった。それにミドルも武人としてレナとの一騎打ちに挑み、その上で敗北したのだから後悔はない。
しかし、当人同士が納得していたとしても父親を殺されたミレトにとってはレナを恨んでも仕方ない。それでも彼は何度かレナのために協力してくれた。それを考えるとレナはミレトに手を出す事ができず、今回だけは見逃した。
「……あの三人、これからどうするつもりかな」
カノンだけでも捕まえておくべきかと考えたが、アマネの口ぶりだと王妃の遺産を手に入れるには彼女だけでは力不足であり、だからこそ憎き仇であるレナをも利用しようとした。仮にもカノンは経緯はどうであれ大将軍にまで上り詰めた実力者であり、彼女が行動を共にすれば問題はないだろう。
「はあっ……」
自分のした行為が本当に正しかったのかと思う中、レナは空を見上げて考え込む。気分を晴らすためにレナは久々に旅が出たいと考えた。冒険者として仕事を受けて他の地方に向かうのではなく、自分の意思で気ままに旅をしたい気分に陥る。
「そうだ、ダイン達が監獄都市に向かうみたいだし、一緒に付いて行こうかな?」
まだダイン達は冒険都市に滞在しており、彼等はマリアの都合が付けば監獄都市に転移魔法で向かう予定だった。その旅にレナは参加し、昔のように楽しく旅をして気分を晴らそうかと考えた。だが、そんな彼の前に意外な人物が姿を現す。
「あんた、そんなところで何してんだい?」
「その声は……バル?」
声の聞えた方に視線を向けると、そこにはバルの姿があった。彼女は買い物帰りなのか大量の荷物を抱えており、レナを発見すると丁度いいとばかりに荷物を差し出す。
「あんたとここで会えたのが幸いだったね。荷物を運ぶのを手伝ってくれよ、ほら早く!!」
「え~……依頼ならちゃんと冒険者ギルドに申し込んで手続きを」
「いいからさっさと手伝いな!!上司命令だよ!?」
いくらS級冒険者といっても自分が所属するギルドのギルドマスターには逆らえず、渋々とレナはバルから荷物を受け取ると空間魔法で異空間に送り込む。彼女が買い込んだのは食料品の類であり、黒虎のギルドまで向かう。
「こうしていると懐かしいね、最初の頃はよく買い物にあんたを手伝わせていたよ」
「そういえばそうだね」
昔はレナはバルの頼みで彼女の買い物によく付き合い、荷物の類を運ぶ仕事もしていた。冒険者の仕事の合間に行い、手伝いの代わりに食堂で飯を食べさせてもらった。
今と比べてレナは黒虎のギルドに立ち寄る機会は少なく、時々S級冒険者として指名依頼がある時だけ赴く。最近は久々に冒険者の仕事をしてきたが、今は昔程に仕事を受ける理由はない。生活のために冒険者稼業に専念していたが、王族として復帰したレナはもう生活には困らない。
「冒険者か……」
「ん?何だい急に……何かあったのかい?」
「いや、冒険者というのは冒険をする者という意味なんだよね」
「まあ、間違ってはいないね。一般人からは魔物退治の専門家と思われる事が多いけど、あたし達の本文は冒険を行うのが仕事だよ」
冒険者は本来は魔物退治を主とする仕事ではなく、危険を承知で冒険を行う者を意味する。大昔は魔物がまだ今ほどに存在しない時代では、冒険者は未開の地に訪れて調査を行うのが仕事だった。
「今の時代、冒険者が冒険をする事ができる場所なんて殆ど残っていないからね。探せば何処かにまだ誰も発見していない土地もあるかもしれないけど、昔よりも魔物が増えた自体では冒険する余裕もないからね」
「そっか……」
「あんたが深淵の森で見つけた遺跡のように世界にはまだ誰も探してない土地もあるかもしれない。だけど、そんな物を探せるのは実力もあってそれでいながら暇人のやる事だよ。もう今では冒険者が冒険するなんて時代遅れさ」
「時代遅れか……」
バルの言葉を聞いてレナは空を見上げ、今まであまり意識はしてなかったがレナは自分が冒険者である事を自覚する。そしてバルの言う通り、今のレナは実力もあるのに暇を持て余している冒険者の条件に合い、彼は決意した。
「ありがとう、バルのお陰で新しい目標ができたよ」
「そうなのかい?よく分からないけど、それは良かったね」
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