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蛇足編
勇者が残した衣装
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「これも魔銃?」
「はい。そちらは私が作った弾丸を発射するタイプの魔銃です。どこぞの魔獣使いは魔石を削り取って発射させているようですが、私の魔銃は弾丸を消費しません」
「え?どういう意味?魔力を発射するの?」
魔銃使いのカノンは魔石弾を発射させる魔銃「レイザー」と魔力を放射する「キャノン」を所持している。リーリスが作り出した魔銃はこの二つの魔銃とは別物らしく、試し撃ちを行うように告げる。
「試しに撃ってみてください。そうすれば私の言葉の意味が分かりますから」
「撃つ?ここで?」
「いえ、流石にここで撃たれると面倒なことになりそうなので……そうですね、場所を移しましょうか」
リーリスに言われてレナは場所を移動すると彼女は的を用意した。何処から調達してきたのか木製の人形を置く。
「これに撃ってください。世界樹製の特性人形です」
「えっ!?世界樹?どうやってそんなものを用意したんだ?」
「この塔の大迷宮にも世界樹の栽培が行われてるんですよ。まあ、地上の物と比べれば規模は大分劣りますが」
「せ、世界樹があるのですかここにも!?」
世界樹はヨツバ王国が管理している神木だが塔の大迷宮にも同じ物が存在する。かつて勇者が手に入れた世界樹の苗木を育てており、規模は地上の物と比べると劣るが塔の大迷宮にも世界樹が存在すると聞いてリンダは驚く。
「聖剣などの柄の部分は世界樹でないと耐え切れませんからね。だから過去に召喚された勇者がエルフと交渉して手に入れた世界樹をここで育ててるんですよ。尤も有名な聖剣の素材に使用された世界樹は地上の物ですが……」
「どうして?世界樹の苗を貰ったのに地上の世界樹の素材を使ったの?」
「世界樹は非常に成長が遅いんですよ。ようやく今の時代になって素材を調達できるぐらいには大きくなりましたが、育つのに時間が掛かり過ぎるんです」
将来的には世界で一番大きな樹木になるといっても世界樹が育ち切るには長い時を必要とする。エルフの間では世界樹は1000年の時を費やして成長するらしく、成長すると共に素材の質も高まる。
「私の夢はここで育てた世界樹で聖剣のような武器を作りたいと思っています。ああ、勿論悪用されないように渡す相手は見極めますよ」
「そんな夢があったのか」
「ふむふむ、素敵な夢ですね」
「わっ!?ホネミンちゃん居たの!?」
いきなり現れたホネミンにティナは驚きの声を上げ、他の者も彼女が居たことに気付かなかった。研究所に訪れた時にホネミンは姿を消していたがのだが、どうやら一人で装備品を物色していたらしい。
現在の彼女は新しい装備に着替えており、見た目はチャイナドレスのような服装になっていた。恐らくは勇者が残した知識を参考に作り出された服だろうが、レナはコトミンが身に着けている「水服」を思い出す。こちらはスクール水着を参考に作り出された代物であり、勇者の残した知識で地球産の衣服を参考にした装備品がいくつもあった。
「それチャイナドレスか……案外似合ってるじゃん」
「ありがとうございます。こういう服もたまにはいいですね、次はこのバニーガールにでも着替えますか」
「な、何よそのいやらしい服は!?」
「は、破廉恥です!!」
バニーガールの衣装を手に取ったホネミンにシズネとリンダは頬を真っ赤に染め、どうやら二人ともバニーガールの衣装は見たことがないらしい。バニーガールの衣装を見てティナは興味を抱く。
「へえ~この兎さんの耳みたいな帽子をつけてその服を着るの?」
「それは私が作った特製のうさ耳バンドです。見た目はこんなですが、装着すると他の人間と連絡を取れる通信機器が内蔵されています」
「無駄に高性能だな」
「バニーガールかぁっ……ちょっと着てみようかな?」
「い、いけませんティナ様!?そんな破廉恥な物は駄目です!!」
バニーガールに興味を抱くティナに慌ててリンダは彼女を止めようとするが、その間にコトミンはホネミンが持って来た別の衣装を手に取る。
「こっちは何?」
「ナース服ですね。病人や怪我人を治療する人がこれを着るんです」
「さっきのと比べたらこっちは比較的にまともね……スカートがちょっと短いように思うけど」
「いや、短すぎる。なんでこんなに短いんだよ、ホネミンの趣味か?」
「ぎくっ」
衣装を制作したのはホネミンだと思われ、彼女が作り出したナース服は意図的にスカートの部分が短い。他の衣装も従来の物と比べると露出度が高めであり、いったい何の目的で造り出したのかと呆れる。
「なんでこんなに色々と衣装があるんだ」
「いや、勇者ってモテるじゃないですか?しかも結構スケベな人が多くてこういう衣装を作ったんですよ。勿論、性能面は保証します」
「ゆ、勇者様がこんな物を……」
「少し幻滅したわ……」
勇者はこの世界では幾度も世界を救った存在なので尊敬する人間は多いが、かつて召喚された勇者の中には少し偏った趣味嗜好の人間もいたらしく、これらの衣装は勇者の趣味で造り出されたらしい。
「はい。そちらは私が作った弾丸を発射するタイプの魔銃です。どこぞの魔獣使いは魔石を削り取って発射させているようですが、私の魔銃は弾丸を消費しません」
「え?どういう意味?魔力を発射するの?」
魔銃使いのカノンは魔石弾を発射させる魔銃「レイザー」と魔力を放射する「キャノン」を所持している。リーリスが作り出した魔銃はこの二つの魔銃とは別物らしく、試し撃ちを行うように告げる。
「試しに撃ってみてください。そうすれば私の言葉の意味が分かりますから」
「撃つ?ここで?」
「いえ、流石にここで撃たれると面倒なことになりそうなので……そうですね、場所を移しましょうか」
リーリスに言われてレナは場所を移動すると彼女は的を用意した。何処から調達してきたのか木製の人形を置く。
「これに撃ってください。世界樹製の特性人形です」
「えっ!?世界樹?どうやってそんなものを用意したんだ?」
「この塔の大迷宮にも世界樹の栽培が行われてるんですよ。まあ、地上の物と比べれば規模は大分劣りますが」
「せ、世界樹があるのですかここにも!?」
世界樹はヨツバ王国が管理している神木だが塔の大迷宮にも同じ物が存在する。かつて勇者が手に入れた世界樹の苗木を育てており、規模は地上の物と比べると劣るが塔の大迷宮にも世界樹が存在すると聞いてリンダは驚く。
「聖剣などの柄の部分は世界樹でないと耐え切れませんからね。だから過去に召喚された勇者がエルフと交渉して手に入れた世界樹をここで育ててるんですよ。尤も有名な聖剣の素材に使用された世界樹は地上の物ですが……」
「どうして?世界樹の苗を貰ったのに地上の世界樹の素材を使ったの?」
「世界樹は非常に成長が遅いんですよ。ようやく今の時代になって素材を調達できるぐらいには大きくなりましたが、育つのに時間が掛かり過ぎるんです」
将来的には世界で一番大きな樹木になるといっても世界樹が育ち切るには長い時を必要とする。エルフの間では世界樹は1000年の時を費やして成長するらしく、成長すると共に素材の質も高まる。
「私の夢はここで育てた世界樹で聖剣のような武器を作りたいと思っています。ああ、勿論悪用されないように渡す相手は見極めますよ」
「そんな夢があったのか」
「ふむふむ、素敵な夢ですね」
「わっ!?ホネミンちゃん居たの!?」
いきなり現れたホネミンにティナは驚きの声を上げ、他の者も彼女が居たことに気付かなかった。研究所に訪れた時にホネミンは姿を消していたがのだが、どうやら一人で装備品を物色していたらしい。
現在の彼女は新しい装備に着替えており、見た目はチャイナドレスのような服装になっていた。恐らくは勇者が残した知識を参考に作り出された服だろうが、レナはコトミンが身に着けている「水服」を思い出す。こちらはスクール水着を参考に作り出された代物であり、勇者の残した知識で地球産の衣服を参考にした装備品がいくつもあった。
「それチャイナドレスか……案外似合ってるじゃん」
「ありがとうございます。こういう服もたまにはいいですね、次はこのバニーガールにでも着替えますか」
「な、何よそのいやらしい服は!?」
「は、破廉恥です!!」
バニーガールの衣装を手に取ったホネミンにシズネとリンダは頬を真っ赤に染め、どうやら二人ともバニーガールの衣装は見たことがないらしい。バニーガールの衣装を見てティナは興味を抱く。
「へえ~この兎さんの耳みたいな帽子をつけてその服を着るの?」
「それは私が作った特製のうさ耳バンドです。見た目はこんなですが、装着すると他の人間と連絡を取れる通信機器が内蔵されています」
「無駄に高性能だな」
「バニーガールかぁっ……ちょっと着てみようかな?」
「い、いけませんティナ様!?そんな破廉恥な物は駄目です!!」
バニーガールに興味を抱くティナに慌ててリンダは彼女を止めようとするが、その間にコトミンはホネミンが持って来た別の衣装を手に取る。
「こっちは何?」
「ナース服ですね。病人や怪我人を治療する人がこれを着るんです」
「さっきのと比べたらこっちは比較的にまともね……スカートがちょっと短いように思うけど」
「いや、短すぎる。なんでこんなに短いんだよ、ホネミンの趣味か?」
「ぎくっ」
衣装を制作したのはホネミンだと思われ、彼女が作り出したナース服は意図的にスカートの部分が短い。他の衣装も従来の物と比べると露出度が高めであり、いったい何の目的で造り出したのかと呆れる。
「なんでこんなに色々と衣装があるんだ」
「いや、勇者ってモテるじゃないですか?しかも結構スケベな人が多くてこういう衣装を作ったんですよ。勿論、性能面は保証します」
「ゆ、勇者様がこんな物を……」
「少し幻滅したわ……」
勇者はこの世界では幾度も世界を救った存在なので尊敬する人間は多いが、かつて召喚された勇者の中には少し偏った趣味嗜好の人間もいたらしく、これらの衣装は勇者の趣味で造り出されたらしい。
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