最弱職の初級魔術師 初級魔法を極めたらいつの間にか「千の魔術師」と呼ばれていました。

カタナヅキ

文字の大きさ
165 / 657
帝都防衛編

強硬突破

しおりを挟む
「た、大砲の準備が終了しました!!」
「良し、ならば放て!!敵は何処にでもいる!!外すことはない!!」
『はっ!!』


バルトスの言葉に急いで水大砲の装填を行った兵士達は地上に存在する岩人形に砲口を構え、冷気の砲弾を発射させる。合計で200を数える冷気の大砲が発射され、地上から迫りくる岩人形を撃ち抜く。


ゴォオオオオッ……!?


冷気の砲弾が着弾した瞬間、強烈な冷気が四散して地上を埋め尽くす岩人形を凍り付かせる。大砲の砲弾を真面に受けた岩人形は完全に凍り付き、やがて粉々に砕け散る。その威力はドリアのアイスランスの比ではなく、一度の砲撃で数体の岩人形を巻き込む。


「す、凄い……これなら!!」
「呆けている場合か!!次の吸魔石を用意しろ!!」
「あ、ああっ!!」


兵士達が数人がかりで水大砲の装弾を行い、その間に土竜の身体をよじ登る岩人形を四天王が防ぐ。。


「おらっ!!近付くんじゃねえっ!!」
「ここから先は通さんぞ!!」
「アイス・アロー!!」
「ちょ、弾丸の装填の間は襲わないでくれます!?」


ダンテは盾で岩人形を押し返し、ギリョウは盾に衝突して体勢を崩した岩人形の肉体を切り裂き、ドリアは魔力回復薬で魔力を補給しながら砲撃魔法で岩人形を打ち倒す。その一方で土竜の頭部に存在するルノを守る為にリーリスはマジックガンを撃つが、発砲する度に新しい弾丸を装填しなければならず、攻撃を免れた岩人形に追い掛け回される。


「リーリス!!俺も一緒に……」
「駄目です!!土竜を動かないように固定してくれないと水大砲の照準がずれます!!ルノさんは土竜が岩人形に押し返されないようにしてください!!」
「けど……」
「ルノ殿!!ここは我等を信じるのだ!!この程度の土人形に遅れはとらんぞ!!」
「先帝!?」


先帝が杖を構えながら号令を行い、彼は土竜の首元に張り付いていた岩人形に杖先を構え、魔法を放つ。


「生憎と儂はこの魔法ぐらいしか扱えんが……セイントランス!!」
「ゴォアッ!?」
『おおっ!!』


岩人形の肉体に「光の砲弾」が衝突し、首にしがみついていた岩人形が地上に落下する。水属性でなければ致命傷を与える事は出来ないが、それでも土竜の肉体にしがみつく岩人形を吹き飛ばす事には成功した。その光景に兵士達は歓声を上げるが、バルトスは怒鳴り散らす。


「この程度の事で騒ぐでない!!このまま一気に岩人形を打ち倒すぞ!!」
「はっ!!先代ばかりに無理をさせるんじゃねえっ!!暇な奴は俺の後に続けっ!!」
「ダンテよ!!無暗に陣形を崩すなっ!!ここは防ぐことに集中せんか!!」


バルトスの言葉に帝国軍の士気が上昇し、ルノの力を借りずとも彼等は無数の岩人形を相手に善戦する。水大砲は装填に時間が掛かるが威力は申し分なく、一度の砲撃で数体の岩人形を氷結化させて戦闘不能に追い込む。土竜の肉体を上り詰める岩人形は四天王とバルトスが対応し、ルノは土竜が岩人形に押しかかられて傾かないように固定する。



――ゴォオオオオッ!!



しかし、洞穴から次々と新手の岩人形が出現し、既に1000体近くは打ち倒しているはずだが一向に攻撃は止まず、徐々に形成が帝国軍側の不利に傾く。


「まだこれほどの数がいるのか……もしや、我々は罠に嵌められていたのか!?」
「状況的にそう考えるのが妥当かと……これ程の数の岩人形が待ち構えている事を考えても、敵はこちらがここに乗り込むことを想定していたとしか考えられません!!」
「待ち伏せか!!くそがっ!!」
「くうっ……流石に無理をし過ぎたか」


岩人形を相手に善戦していた帝国軍だが、敵と違って彼等には体力の限界が存在し、徐々に押されていく。いくら水大砲で砲撃を行っても新手の岩人形が出現し、全方向から土竜に押し寄せる。このままでは犠牲者が生まれてしまうが、ここで諦めたら帝国は魔王軍に滅ぼされてしまう。


「踏ん張るのじゃ!!ここで諦めたら帝国は魔王軍に蹂躙されてしまうぞ!!」
「は、はい!!」
「へっ……人使いの荒い皇帝様だぜ!!」
「ふっ……今はもう皇帝ではないぞ」
「うるせいっ!!」


バルトスが指示を出す度に士気は上昇するが、それでも休む暇もなく襲い掛かる岩人形に全員が徐々に体力を削られていき、ついに兵士の悲鳴が上がる。


「ゴォオオオッ!!」
「うわあああっ!?」
「に、逃げろっ!!」
「しまった!?間に合わなかったか!!」
「くそっ!!」


四天王が討ち漏らした岩人形が水大砲の装填を行っていた兵士に襲い掛かり、彼等は慌てて退避すると岩人形は固定された大砲を掴み取り、力尽くで引き剥がす。


「ゴオオッ!!」
「そんなっ!?」


岩人形は持ち上げた水大砲を地上に向けて放り投げ、地面に衝突した瞬間に大砲は砕け、更に地上に存在した岩人形が踏み潰す。自分達の脅威になる物を本能的に理解しているのか岩人形は兵士ではなく、水大砲を狙う。
しおりを挟む
感想 1,841

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

「お前は無能だ」と追放した勇者パーティ、俺が抜けた3秒後に全滅したらしい

夏見ナイ
ファンタジー
【荷物持ち】のアッシュは、勇者パーティで「無能」と罵られ、ダンジョン攻略の直前に追放されてしまう。だが彼がいなくなった3秒後、勇者パーティは罠と奇襲で一瞬にして全滅した。 彼らは知らなかったのだ。アッシュのスキル【運命肩代わり】が、パーティに降りかかる全ての不運や即死攻撃を、彼の些細なドジに変換して無効化していたことを。 そんなこととは露知らず、念願の自由を手にしたアッシュは辺境の村で穏やかなスローライフを開始。心優しいエルフやドワーフの仲間にも恵まれ、幸せな日々を送る。 しかし、勇者を失った王国に魔族と内通する宰相の陰謀が迫る。大切な居場所を守るため、無能と蔑まれた男は、その規格外の“幸運”で理不尽な運命に立ち向かう!

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。