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魔法学園編
第207話 下級魔導士VS冒険者狩り
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「マオ、大丈夫!?」
「へ、平気……大したことないよ」
「…………」
冒険者狩りの攻撃をどうにか防いだマオはミイナを庇うように前に立ち、それを見たフードの人物はここで顔を晒す。その正体は事前の情報通り、外見は年若いエルフの女性だった。
(間違いない、こいつが冒険者狩りだ!!まさか、こんなに早く見つかるなんて……)
エルフの女性は外見を見る限りでは学園長のマリアと同じく若々しいが、もしも数十年前に殺人事件を引き起こした犯人と同一人物だとしたらマオの母親よりも年齢は上のはずである。
人間と比べて長命のエルフは10代後半までは普通に成長するが、一定の年齢を迎えると外見が殆ど変化しない。魔法学園のマリアも外見は20代前半にしか見えないが、実年齢はバルルよりもずっと年上である。そのためにマオ達の目の前の相手は若々しく見えても実際は数十年前から殺人を繰り返す恐るべき暗殺者だった。
(今の攻撃、明らかに魔法だった。という事はやっぱり冒険者狩りは剣士なんかじゃない!!)
これまでの被害者は胸元に十字のような傷跡を残して死亡していた事から、犯人は相当に腕の立つ剣士の仕業だと思われていた。しかし、実際の所は犯人の正体は魔術師でしかもマオのように特殊な杖を持つ人物だと判明する。
(さっきはどうにか防げたけど、また攻撃されたら今度は防ぎ切れるか分からない……なら、先手を打つ!!)
杖を構えたマオは相手が仕掛ける前に氷弾を打ち込もうとした。氷弾の攻撃速度ならば獣人族でもない限りは反応できず、しかも今のマオは三又の杖のお陰で同時に3つの氷弾を繰り出して攻撃を行えた。
(相手は犯罪者だ、手加減なんてできない!!)
人を相手に氷弾を使用する事に今までのマオだったら躊躇したかもしれないが、今回の敵は何十人もの人間を殺した殺人鬼でしかもバルルを傷つけた相手だった。彼は覚悟を決めて杖を握りしめ、無詠唱で魔法を発動させる。
「喰らえっ!!」
「っ……!?」
マオが一瞬にして三又の杖から三つの氷弾を作り出すと、冒険者狩りに対して放つ。狙うのは相手の両足と杖を持つ手を狙い、発射された氷弾は冒険者狩りの元へ向かう。
人間よりも身体能力や動体視力が優れた獣人族であっても今のマオの攻撃を防ぐ事は難しく、この数か月の間にマオの氷弾は攻撃速度も命中性も格段に上昇していた。冒険者狩りは彼が放った三つの弾丸を避ける事ができず、フード越しに全ての氷弾が的中した。
「うぐぅっ!?」
「やった!!」
冒険者狩りは3つの氷弾を受けて地面に倒れ込み、そのまま動かなくなった。それを見たマオは倒したと確信するが、ミイナは妙にあっさりと冒険者狩りが倒れた事に違和感を抱く。
「……倒したの?」
「多分、だけど……」
倒れたまま動かない冒険者狩りを見てマオとミイナは顔を見合わせ、攻撃を仕掛けたマオ本人もあまりにあっさりと倒せた事に戸惑う。
「やられたふりをしているだけかもしれない。念のために魔法の準備をしておいて」
「ミイナ?何をするの?」
「本当に倒したのか確かめるだけ……大丈夫、もしも気絶していたふりをしても私なら対処できる」
ミイナはマオの代わりに倒れた冒険者狩りの元へ向かい、本当に気絶しているのかを確かめる。マオが狙ったのは両足と杖を握りしめていた右腕部分であり、フード越しではあるが確実に氷弾は的中していた。
仮に冒険者狩りの身に付けているフードが特別な品でマオの魔法に対して耐性を持つ装備品だとしても、氷弾をまともに受けた時の衝撃は無効化はできない。普通少なくとも骨が折れるているはずであり、動けるはずがなかった。
(……倒した?)
ミイナが近付いて冒険者狩りの顔を覗き込むと、彼女は目を閉じたまま動かない。この時にミイナは冒険者狩りの腕を確認すると、マオの氷弾を受けた際に骨が折れたのか歪な形に曲がっていた。
(可哀想だけど、今のうちに回収しておいた方が……)
骨が折れているのを確認したミイナは安心して冒険者狩りから杖を回収しようとした。しかし、彼女が杖に手を伸ばそうとした瞬間、冒険者狩りは目を見開く。
「スラッシュ」
「にゃっ!?」
「ミイナ!?」
気絶したと思われていた冒険者狩りは目を見開くのと同時に折れた腕を無理やりに動かし、接近してきたミイナに魔法を放つ。咄嗟にミイナは後ろに下がろうとしたが、杖から放たれた風の斬撃を完全に避け切れずに吹き飛ぶ。
彼女が身に付けていたマントが斬り裂かれ、そのままマオの方に吹き飛ぶ。咄嗟にマオはミイナを受け止めると、彼女が無事なのかと声をかける。
「ミイナ!!しっかりして!!」
「うっ……大丈夫、ちょっと痛かったけど身体は切れてない」
「よ、良かった……」
ミイナは身に付けていたのは赤毛熊のマントだけではなく、下にはバルルから受け取った旧式の学生服を着こんでいた。こちらの学生服は魔法耐性が高く、どうにか致命傷は避けられた。
「へ、平気……大したことないよ」
「…………」
冒険者狩りの攻撃をどうにか防いだマオはミイナを庇うように前に立ち、それを見たフードの人物はここで顔を晒す。その正体は事前の情報通り、外見は年若いエルフの女性だった。
(間違いない、こいつが冒険者狩りだ!!まさか、こんなに早く見つかるなんて……)
エルフの女性は外見を見る限りでは学園長のマリアと同じく若々しいが、もしも数十年前に殺人事件を引き起こした犯人と同一人物だとしたらマオの母親よりも年齢は上のはずである。
人間と比べて長命のエルフは10代後半までは普通に成長するが、一定の年齢を迎えると外見が殆ど変化しない。魔法学園のマリアも外見は20代前半にしか見えないが、実年齢はバルルよりもずっと年上である。そのためにマオ達の目の前の相手は若々しく見えても実際は数十年前から殺人を繰り返す恐るべき暗殺者だった。
(今の攻撃、明らかに魔法だった。という事はやっぱり冒険者狩りは剣士なんかじゃない!!)
これまでの被害者は胸元に十字のような傷跡を残して死亡していた事から、犯人は相当に腕の立つ剣士の仕業だと思われていた。しかし、実際の所は犯人の正体は魔術師でしかもマオのように特殊な杖を持つ人物だと判明する。
(さっきはどうにか防げたけど、また攻撃されたら今度は防ぎ切れるか分からない……なら、先手を打つ!!)
杖を構えたマオは相手が仕掛ける前に氷弾を打ち込もうとした。氷弾の攻撃速度ならば獣人族でもない限りは反応できず、しかも今のマオは三又の杖のお陰で同時に3つの氷弾を繰り出して攻撃を行えた。
(相手は犯罪者だ、手加減なんてできない!!)
人を相手に氷弾を使用する事に今までのマオだったら躊躇したかもしれないが、今回の敵は何十人もの人間を殺した殺人鬼でしかもバルルを傷つけた相手だった。彼は覚悟を決めて杖を握りしめ、無詠唱で魔法を発動させる。
「喰らえっ!!」
「っ……!?」
マオが一瞬にして三又の杖から三つの氷弾を作り出すと、冒険者狩りに対して放つ。狙うのは相手の両足と杖を持つ手を狙い、発射された氷弾は冒険者狩りの元へ向かう。
人間よりも身体能力や動体視力が優れた獣人族であっても今のマオの攻撃を防ぐ事は難しく、この数か月の間にマオの氷弾は攻撃速度も命中性も格段に上昇していた。冒険者狩りは彼が放った三つの弾丸を避ける事ができず、フード越しに全ての氷弾が的中した。
「うぐぅっ!?」
「やった!!」
冒険者狩りは3つの氷弾を受けて地面に倒れ込み、そのまま動かなくなった。それを見たマオは倒したと確信するが、ミイナは妙にあっさりと冒険者狩りが倒れた事に違和感を抱く。
「……倒したの?」
「多分、だけど……」
倒れたまま動かない冒険者狩りを見てマオとミイナは顔を見合わせ、攻撃を仕掛けたマオ本人もあまりにあっさりと倒せた事に戸惑う。
「やられたふりをしているだけかもしれない。念のために魔法の準備をしておいて」
「ミイナ?何をするの?」
「本当に倒したのか確かめるだけ……大丈夫、もしも気絶していたふりをしても私なら対処できる」
ミイナはマオの代わりに倒れた冒険者狩りの元へ向かい、本当に気絶しているのかを確かめる。マオが狙ったのは両足と杖を握りしめていた右腕部分であり、フード越しではあるが確実に氷弾は的中していた。
仮に冒険者狩りの身に付けているフードが特別な品でマオの魔法に対して耐性を持つ装備品だとしても、氷弾をまともに受けた時の衝撃は無効化はできない。普通少なくとも骨が折れるているはずであり、動けるはずがなかった。
(……倒した?)
ミイナが近付いて冒険者狩りの顔を覗き込むと、彼女は目を閉じたまま動かない。この時にミイナは冒険者狩りの腕を確認すると、マオの氷弾を受けた際に骨が折れたのか歪な形に曲がっていた。
(可哀想だけど、今のうちに回収しておいた方が……)
骨が折れているのを確認したミイナは安心して冒険者狩りから杖を回収しようとした。しかし、彼女が杖に手を伸ばそうとした瞬間、冒険者狩りは目を見開く。
「スラッシュ」
「にゃっ!?」
「ミイナ!?」
気絶したと思われていた冒険者狩りは目を見開くのと同時に折れた腕を無理やりに動かし、接近してきたミイナに魔法を放つ。咄嗟にミイナは後ろに下がろうとしたが、杖から放たれた風の斬撃を完全に避け切れずに吹き飛ぶ。
彼女が身に付けていたマントが斬り裂かれ、そのままマオの方に吹き飛ぶ。咄嗟にマオはミイナを受け止めると、彼女が無事なのかと声をかける。
「ミイナ!!しっかりして!!」
「うっ……大丈夫、ちょっと痛かったけど身体は切れてない」
「よ、良かった……」
ミイナは身に付けていたのは赤毛熊のマントだけではなく、下にはバルルから受け取った旧式の学生服を着こんでいた。こちらの学生服は魔法耐性が高く、どうにか致命傷は避けられた。
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