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廃墟編
ログハウス
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『キュロロッ!!キュロォッ!?』
「なんか抗議しているみたいですけど、人間の言葉は話せないんですか?」
「ロボ・ゴーレムには翻訳機能は搭載されていません」
「これで悪さは出来ないでしょ。じゃあ、ゴレムに任せるよ」
『ゴロッ?』
「君の名前だよ。ロボ・ゴーレムだと長いからいちいち呼びにくいから」
『ゴロロッ!!』
レアの言葉にロボ・ゴーレム改めゴレムは嬉しそうに頷き、マカセを持ち上げる。マカセは必死に振りほどこうとしたが、大きさが違う分だけ性能も違いがあるのかゴレムを振りほどくことが出来ず、そのまま家の外へ移動する。これでマカセの件は解決したと判断し、レアはソファに座り込む。
「ふうっ……流石に疲れたな。今日はここで休もう」
「そうですね。もう夜ですし、それに魔物に襲われる心配もありませんからゆっくりしましょうよ」
「ドローンとゴレム達が見張りを行っています。御二人はゆっくりと休んでください」
「シルフィアは?」
「私はもう少しだけ街の生存者の捜索を行います。事前にドローンに捜索を行わせていますが、建物の内部や下水道の探索は終わっていませんので私も捜索に参加します」
「え?でもレーダーには反応はなかったんでしょ?」
「念のためですよ。何か起きたら御二人の身体に埋め込んだナノマシンから連絡を行ってください。即座に転移しますので」
シルフィアもゴレムの後に続いてログハウスから抜け出し、残されたレアとイリスは顔を見合わせ、一先ずは食事を行う事にした。
「ふうっ……今日は色々とありすぎて疲れましたね」
「そうだな……イリスはこの街に住んでたんだよね。その、大丈夫?」
「今は深く考えないようにしています……それより、お腹すきましたね。何か出してくれません?」
「……分かった」
表面上は冷静を保っているイリスだが、やはりどことなく無理して明るく振舞っているように感じられ、レアは彼女のために弾丸を取り出して料理の準備を行う――
――翌日、ゴレムが運び出してくれたと思われるベッドの中でレアは目を覚まし、窓から朝日が登っている事を確認すると、寝袋よりも寝心地が良いベッドのお陰なのか身体は随分と楽になっていた。
「う~んっ……やっぱり、野宿だと身体が疲れるな。まあ、ステータスをいじればいい話だけど……」
ちなみにレアの部屋は個室であり、隣の部屋にはイリスが眠っているはずである。身体を起き上げ、食事の準備でも行おうとした時、扉がノックされて外からゴレムの声が掛けられる。
『ゴロロッ!!』
「ん?その声はゴレムか?いいよ、入って」
『ゴロン』
『キュロロッ……』
扉を押し開けて人型の状態のゴレムと彼の脇に抱えられたマカセが姿を現し、食事を用意してくれいたのかトレイを手に持っていた。パンが二つと美味しそうなシチューの皿が乗せられており、飲み物はミルクが入った木造のコップが用意されていた。
「おお、わざわざ食事を用意してくれたのか?そんな機能も持っていたのか」
「いえ、食事は私が用意しました」
「あれ、シルフィアも居たの?」
「おはようございます」
ゴレムの後方にはシルフィアの姿も存在し、現在の彼女は新しい衣服を着替えていた。戦闘時の露出が激しい装甲ではなく、この街の住民の私物と思われるワンピースを身に着けており、恐らくは解体した宿屋の住民の持ち物だろう。
「お帰り、もう戻ってたんだね」
「はい。捜索の報告は食事の後に行いますか?」
「んっ……いや、今聞かせてよ。食べながら聞くから……これは美味しそうだな」
「ありがとうございます」
トレイを受け取ったレアはまずはパンを齧り、その美味しさに驚きを隠せない。文字変換で作り出す食材も味は悪くはないが、シルフィアが用意してくれたパンは負けず劣らずの味を誇り、シチューも非常に美味かった。
「うわ、凄く美味しいなこれ……シルフィアはいい嫁さんになるよ」
「ありがとうございます。お世辞でも嬉しいです」
レアの喜び様にシルフィアは笑顔を浮かべ、その一方でレアは隣の部屋に視線を向け、イリスの様子が気になったのでシルフィアに問う。
「イリスはどうしてる?まだ寝てるの?」
「いえ、先に起きて食事を行った後、外に出ました。どうやら友人の家がどうなったのかを見てみたいと……」
「そっか……一人で大丈夫かな?」
「ドローンで行動を確認していますのでご安心ください。万が一にも敵対生物が現れた場合、私が直行します」
「頼もしいな」
昨夜は明るく振舞っていたイリスだが、やはり街に居た知人の事を気にかけていたらしく、家に赴いて様子を確かめようとしていると判断し、レアはシルフィアの報告を聞く。
「それで街の捜索はどうだった?生存者は居た?」
「その事に関してなのですが……先に答えておきますと生存者は発見できませんでした」
「そっか……」
「街中に存在する物資も大半はゴブリンの軍勢に荒らされていますが、使用可能な物は大型ドローンで移送中です。食材に関しては一番被害が多かったようですが、それでも十分な量は確保できました」
「物資?そういうのって勝手に持ち出していいのかな……?」
「問題ありません。後で持ち主が現れたとしても問題ないように金銭に換えられる品物は放置しています。回収した物資は日持ちしない食材とゴレムが建物の建設するための廃材だけです」
『ゴロロッ!!』
シルフィアの言葉にゴレムが人間のように力瘤を作る動作を行い、それを聞いたレアは安心してシルフィアの報告の続きを聞く。
「なんか抗議しているみたいですけど、人間の言葉は話せないんですか?」
「ロボ・ゴーレムには翻訳機能は搭載されていません」
「これで悪さは出来ないでしょ。じゃあ、ゴレムに任せるよ」
『ゴロッ?』
「君の名前だよ。ロボ・ゴーレムだと長いからいちいち呼びにくいから」
『ゴロロッ!!』
レアの言葉にロボ・ゴーレム改めゴレムは嬉しそうに頷き、マカセを持ち上げる。マカセは必死に振りほどこうとしたが、大きさが違う分だけ性能も違いがあるのかゴレムを振りほどくことが出来ず、そのまま家の外へ移動する。これでマカセの件は解決したと判断し、レアはソファに座り込む。
「ふうっ……流石に疲れたな。今日はここで休もう」
「そうですね。もう夜ですし、それに魔物に襲われる心配もありませんからゆっくりしましょうよ」
「ドローンとゴレム達が見張りを行っています。御二人はゆっくりと休んでください」
「シルフィアは?」
「私はもう少しだけ街の生存者の捜索を行います。事前にドローンに捜索を行わせていますが、建物の内部や下水道の探索は終わっていませんので私も捜索に参加します」
「え?でもレーダーには反応はなかったんでしょ?」
「念のためですよ。何か起きたら御二人の身体に埋め込んだナノマシンから連絡を行ってください。即座に転移しますので」
シルフィアもゴレムの後に続いてログハウスから抜け出し、残されたレアとイリスは顔を見合わせ、一先ずは食事を行う事にした。
「ふうっ……今日は色々とありすぎて疲れましたね」
「そうだな……イリスはこの街に住んでたんだよね。その、大丈夫?」
「今は深く考えないようにしています……それより、お腹すきましたね。何か出してくれません?」
「……分かった」
表面上は冷静を保っているイリスだが、やはりどことなく無理して明るく振舞っているように感じられ、レアは彼女のために弾丸を取り出して料理の準備を行う――
――翌日、ゴレムが運び出してくれたと思われるベッドの中でレアは目を覚まし、窓から朝日が登っている事を確認すると、寝袋よりも寝心地が良いベッドのお陰なのか身体は随分と楽になっていた。
「う~んっ……やっぱり、野宿だと身体が疲れるな。まあ、ステータスをいじればいい話だけど……」
ちなみにレアの部屋は個室であり、隣の部屋にはイリスが眠っているはずである。身体を起き上げ、食事の準備でも行おうとした時、扉がノックされて外からゴレムの声が掛けられる。
『ゴロロッ!!』
「ん?その声はゴレムか?いいよ、入って」
『ゴロン』
『キュロロッ……』
扉を押し開けて人型の状態のゴレムと彼の脇に抱えられたマカセが姿を現し、食事を用意してくれいたのかトレイを手に持っていた。パンが二つと美味しそうなシチューの皿が乗せられており、飲み物はミルクが入った木造のコップが用意されていた。
「おお、わざわざ食事を用意してくれたのか?そんな機能も持っていたのか」
「いえ、食事は私が用意しました」
「あれ、シルフィアも居たの?」
「おはようございます」
ゴレムの後方にはシルフィアの姿も存在し、現在の彼女は新しい衣服を着替えていた。戦闘時の露出が激しい装甲ではなく、この街の住民の私物と思われるワンピースを身に着けており、恐らくは解体した宿屋の住民の持ち物だろう。
「お帰り、もう戻ってたんだね」
「はい。捜索の報告は食事の後に行いますか?」
「んっ……いや、今聞かせてよ。食べながら聞くから……これは美味しそうだな」
「ありがとうございます」
トレイを受け取ったレアはまずはパンを齧り、その美味しさに驚きを隠せない。文字変換で作り出す食材も味は悪くはないが、シルフィアが用意してくれたパンは負けず劣らずの味を誇り、シチューも非常に美味かった。
「うわ、凄く美味しいなこれ……シルフィアはいい嫁さんになるよ」
「ありがとうございます。お世辞でも嬉しいです」
レアの喜び様にシルフィアは笑顔を浮かべ、その一方でレアは隣の部屋に視線を向け、イリスの様子が気になったのでシルフィアに問う。
「イリスはどうしてる?まだ寝てるの?」
「いえ、先に起きて食事を行った後、外に出ました。どうやら友人の家がどうなったのかを見てみたいと……」
「そっか……一人で大丈夫かな?」
「ドローンで行動を確認していますのでご安心ください。万が一にも敵対生物が現れた場合、私が直行します」
「頼もしいな」
昨夜は明るく振舞っていたイリスだが、やはり街に居た知人の事を気にかけていたらしく、家に赴いて様子を確かめようとしていると判断し、レアはシルフィアの報告を聞く。
「それで街の捜索はどうだった?生存者は居た?」
「その事に関してなのですが……先に答えておきますと生存者は発見できませんでした」
「そっか……」
「街中に存在する物資も大半はゴブリンの軍勢に荒らされていますが、使用可能な物は大型ドローンで移送中です。食材に関しては一番被害が多かったようですが、それでも十分な量は確保できました」
「物資?そういうのって勝手に持ち出していいのかな……?」
「問題ありません。後で持ち主が現れたとしても問題ないように金銭に換えられる品物は放置しています。回収した物資は日持ちしない食材とゴレムが建物の建設するための廃材だけです」
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