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廃墟編
マカセの処罰
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ロボ・ゴーレムが作り出したログハウスの中にレア達は入り込み、既に家具も運び込まれていたらしく、ご丁寧に絨毯まで敷かれていた。更には天井部分には照明の代わりにランタンまで取り付けられており、ロボ・ゴーレムが意気揚々に火を灯す。
「うわ、凄いな……爺ちゃんが持っているログハウスよりも広いや」
「へえっ……中々過ごしやすそうじゃないですか。私は気に入りましたよ」
「気に入っていただけたのなら嬉しいです。ロボ・ゴーレムも喜びますよ」
『ゴロロッ』
シルフィアの言葉にロボ・ゴーレムは誇らしげに腕を組み、そんな彼にレアは手を伸ばして頭を撫でやる。ロボットとは思えない程に人懐っこく、ゴーレムは嬉しそうに目元を点滅させた。
「よしよし」
『ゴロロロッ♪』
「むっ……あまりロボ・ゴーレムばかりずるいです。指示を出したのは私ですよ?」
「何だ、嫉妬か娘よ?」
「黙りなさい。まだ居たのですか貴方は?」
親し気にゴーレムと接するレアにシルフィアは子供のように頬を膨らませるが、マカセの茶化した言葉に冷たい瞳で睨み返す。そんな彼女に殺気を向けられたマカセは慌てて距離を取り、レアに助けを求める。
「我が主よ!!この女をどうにかしてくれ!!」
「喧嘩は止めなよ」
「ですがマスター……この男はこの街を襲撃した張本人です。生かしておく理由はありません」
「まあ、確かにそうですね」
レアの言葉にシルフィアはマカセを睨みつけたまま腕を伸ばし、イリスも彼女の言葉には賛同する。現在は味方にしたとはいえ、マカセがこの街を襲撃したゴブリンキングの軍勢を指揮していたのは間違いなく、必要な情報を聞き出せたのなら生かす理由はない。
「ま、待て!!この我を殺すというのか!?」
「その口調も止めなさい。もう貴方の本性は分かっています」
「この街の人達に申し訳ないとは思わないんですか?」
「止めろっ!!俺は命令されただけだ!!それにゴブリンを動かしているのはアルディナだぞ!?」
「だけどお前がゴブリンをここまで連れてきたんだろ?」
「そ、それは……そうですが」
主人であるレアの言葉にマカセは罰が悪そうに顔を反らし、そんな彼の態度にシルフィアは我慢できなくなったのか胸元に手を伸ばし、胸元の十字架を変形させて「剣」を作り出す。
「マスター!!この男に情を抱く前に殺す許可を下さい!!」
「待ってくれ!!も、もう人間は襲わない!!それでいいんだろ!?」
「だからって今まで貴方に何人の人間が殺されたんですか?」
剣を構えたシルフィアにマカセは慌てて跪いて命乞いを行うが、イリスも冷たい反応を示す。彼女はこの街の住民と交友関係があるため、流石に街を滅ぼした元凶を許せるはずがない。しかし、レアはここで本当にマカセを殺していいのか躊躇してしまう。
(人を殺すなんて……いや、人じゃないかも知れないけど、だけど……)
レアは自分の指示で一人の人間(吸血鬼だが)の命を奪う事に躊躇し、どうしても判断を降せない。今まで平和な世界で平穏に生きていた人間が唐突に他人の命を奪う判断を迫られて即断出来るはずがない。
(マカセが悪人なのは確かだ。でも、今は俺に従っているし……改心とは違うと思うけど、もう悪さしないように命令すれば何も出来ないじゃないのか?)
甘い考えかも知れないが、レアに人殺しを行う勇気はなく、魔物の時の様に殺す覚悟は抱けない。それでもマカセを生かせば二人が納得するはずがなく、不満を抱くだろう。
(考えろ……マカセを殺さず、二人が納得する方法……あっ)
レアの脳裏にある妙案が思い浮かび、この方法ならばマカセは生き延びられるが彼という存在は消えてしまうのでシルフィアとイリスも納得するかもしれない。
「マカセ、俺の命令を聞いてくれるか?それならお前の命だけは助けてやる」
「あ、ありがとうございます!!」
「マスター!!」
「レアさん……」
予想外の言葉にマカセは歓喜の表情を抱き、シルフィアは衝撃を受けた表情を浮かべ、イリスも不満を露わにするが、そんな彼等の前でレアは指先を構える。
「命を助ける代わりにお前にはロボ・ゴーレムの助手になってもらう」
「……はっ?」
『ゴロッ?』
唐突に名前を呼ばれたロボ・ゴーレムは首を傾げ、マカセも何を言われたのか理解できないという表情を抱くが、そんな彼にレアは解析の能力を発動させ、マカセの詳細を表示する画面を表示した。
「今からお前をロボ・ゴーレムに変化させる。ちゃんと働いて大勢の人の役に立てば元に戻してやるよ」
「はあっ!?」
「マスター!?」
「えっ……ど、どういう事ですか?」
「こういう事」
マカセの詳細画面にレアは指を伸ばし、種族の項目を「人間」から「機械人形」に変化させると、今度は詳細の項目を「人の意識を保った小型のロボ・ゴーレム」と書き換えた。
「じゃあ、頑張ってね」
「え、ちょっ……ぎゃああああっ!?」
次の瞬間、レアの能力が無事に発動したのかマカセの肉体が光り輝き、レアが作り出したロボ・ゴーレムをさらに一回り程小さくしたロボ・ゴーレムへと変化を果たす。
『キュロロロロッ!?』
『ゴロッ?』
「どう?これで許してくれない?」
「これは……なるほど、確かにこの状態ならば何もできませんね」
「うわ、何ですかこいつ?随分とちっちゃくなりましたね……少し可愛いかも」
『キュロロッ!?』
身長が1メートルにも満たない小型のロボ・ゴーレムが誕生し、マカセとしての意識は残っているのか小型ゴーレムは自分の肉体の変化に戸惑う様子を見せるが、その姿を見たシルフィアとイリスは先ほどまでの怒気を失い、滑稽な姿に変化したマカセに同情心すら抱く。
※明日も投稿します!!
「うわ、凄いな……爺ちゃんが持っているログハウスよりも広いや」
「へえっ……中々過ごしやすそうじゃないですか。私は気に入りましたよ」
「気に入っていただけたのなら嬉しいです。ロボ・ゴーレムも喜びますよ」
『ゴロロッ』
シルフィアの言葉にロボ・ゴーレムは誇らしげに腕を組み、そんな彼にレアは手を伸ばして頭を撫でやる。ロボットとは思えない程に人懐っこく、ゴーレムは嬉しそうに目元を点滅させた。
「よしよし」
『ゴロロロッ♪』
「むっ……あまりロボ・ゴーレムばかりずるいです。指示を出したのは私ですよ?」
「何だ、嫉妬か娘よ?」
「黙りなさい。まだ居たのですか貴方は?」
親し気にゴーレムと接するレアにシルフィアは子供のように頬を膨らませるが、マカセの茶化した言葉に冷たい瞳で睨み返す。そんな彼女に殺気を向けられたマカセは慌てて距離を取り、レアに助けを求める。
「我が主よ!!この女をどうにかしてくれ!!」
「喧嘩は止めなよ」
「ですがマスター……この男はこの街を襲撃した張本人です。生かしておく理由はありません」
「まあ、確かにそうですね」
レアの言葉にシルフィアはマカセを睨みつけたまま腕を伸ばし、イリスも彼女の言葉には賛同する。現在は味方にしたとはいえ、マカセがこの街を襲撃したゴブリンキングの軍勢を指揮していたのは間違いなく、必要な情報を聞き出せたのなら生かす理由はない。
「ま、待て!!この我を殺すというのか!?」
「その口調も止めなさい。もう貴方の本性は分かっています」
「この街の人達に申し訳ないとは思わないんですか?」
「止めろっ!!俺は命令されただけだ!!それにゴブリンを動かしているのはアルディナだぞ!?」
「だけどお前がゴブリンをここまで連れてきたんだろ?」
「そ、それは……そうですが」
主人であるレアの言葉にマカセは罰が悪そうに顔を反らし、そんな彼の態度にシルフィアは我慢できなくなったのか胸元に手を伸ばし、胸元の十字架を変形させて「剣」を作り出す。
「マスター!!この男に情を抱く前に殺す許可を下さい!!」
「待ってくれ!!も、もう人間は襲わない!!それでいいんだろ!?」
「だからって今まで貴方に何人の人間が殺されたんですか?」
剣を構えたシルフィアにマカセは慌てて跪いて命乞いを行うが、イリスも冷たい反応を示す。彼女はこの街の住民と交友関係があるため、流石に街を滅ぼした元凶を許せるはずがない。しかし、レアはここで本当にマカセを殺していいのか躊躇してしまう。
(人を殺すなんて……いや、人じゃないかも知れないけど、だけど……)
レアは自分の指示で一人の人間(吸血鬼だが)の命を奪う事に躊躇し、どうしても判断を降せない。今まで平和な世界で平穏に生きていた人間が唐突に他人の命を奪う判断を迫られて即断出来るはずがない。
(マカセが悪人なのは確かだ。でも、今は俺に従っているし……改心とは違うと思うけど、もう悪さしないように命令すれば何も出来ないじゃないのか?)
甘い考えかも知れないが、レアに人殺しを行う勇気はなく、魔物の時の様に殺す覚悟は抱けない。それでもマカセを生かせば二人が納得するはずがなく、不満を抱くだろう。
(考えろ……マカセを殺さず、二人が納得する方法……あっ)
レアの脳裏にある妙案が思い浮かび、この方法ならばマカセは生き延びられるが彼という存在は消えてしまうのでシルフィアとイリスも納得するかもしれない。
「マカセ、俺の命令を聞いてくれるか?それならお前の命だけは助けてやる」
「あ、ありがとうございます!!」
「マスター!!」
「レアさん……」
予想外の言葉にマカセは歓喜の表情を抱き、シルフィアは衝撃を受けた表情を浮かべ、イリスも不満を露わにするが、そんな彼等の前でレアは指先を構える。
「命を助ける代わりにお前にはロボ・ゴーレムの助手になってもらう」
「……はっ?」
『ゴロッ?』
唐突に名前を呼ばれたロボ・ゴーレムは首を傾げ、マカセも何を言われたのか理解できないという表情を抱くが、そんな彼にレアは解析の能力を発動させ、マカセの詳細を表示する画面を表示した。
「今からお前をロボ・ゴーレムに変化させる。ちゃんと働いて大勢の人の役に立てば元に戻してやるよ」
「はあっ!?」
「マスター!?」
「えっ……ど、どういう事ですか?」
「こういう事」
マカセの詳細画面にレアは指を伸ばし、種族の項目を「人間」から「機械人形」に変化させると、今度は詳細の項目を「人の意識を保った小型のロボ・ゴーレム」と書き換えた。
「じゃあ、頑張ってね」
「え、ちょっ……ぎゃああああっ!?」
次の瞬間、レアの能力が無事に発動したのかマカセの肉体が光り輝き、レアが作り出したロボ・ゴーレムをさらに一回り程小さくしたロボ・ゴーレムへと変化を果たす。
『キュロロロロッ!?』
『ゴロッ?』
「どう?これで許してくれない?」
「これは……なるほど、確かにこの状態ならば何もできませんね」
「うわ、何ですかこいつ?随分とちっちゃくなりましたね……少し可愛いかも」
『キュロロッ!?』
身長が1メートルにも満たない小型のロボ・ゴーレムが誕生し、マカセとしての意識は残っているのか小型ゴーレムは自分の肉体の変化に戸惑う様子を見せるが、その姿を見たシルフィアとイリスは先ほどまでの怒気を失い、滑稽な姿に変化したマカセに同情心すら抱く。
※明日も投稿します!!
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