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17章:女神の薬師はダンジョンへ
218.幕間:女神の森でパーティーを(下)
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子爵の乗った馬車をしばらく見送っていたマスターは、慣れた声が己を呼ぶのを聞いて、反射的に振り返る。
「……マスター、そろそろパーティーが始まるんですけど、いい加減入ってきませんかって、あら? 子爵様は?」
そこには、エプロン姿のベルとぽちがいた。
ぽちの頭に乗っている妙に可愛らしい色合いの小鳥は、この間登録されたばかりの彼女の新しい契約獣だろう。
どうやら彼女は、マスターがなかなか姿を表さない事に気を揉んで、わざわざ迎えに来た様子だ。
「急用だとよ。ま、奴さんが居ると皆無駄に気を張るし、丁度いいんじゃねぇか」
「そうですねぇ。正直私も、あの人苦手ですし」
「ははは。若い女は大抵そう言うな」
片目を細めてマスターが笑い、ゆっくりと歩き出すと、隣に並んだベルがちょこちょこと小さな歩幅で必死に付いてくる。
ぽちは、ベルに合わせてのんびり歩いていくようだ。
あれ程マスターを拒んでいた森の境界は、彼女と一緒だとあっさりと越えられる。
『ああ全く、厄介な話だ。確たる証拠まではないものの、こいつが森に影響を持つ事が分かってしまった。黙っているには、余りに大きな問題だ』
そんな事を胸中で呟きつつも、マスターはいよいよ彼女の重要性を考えざる得ず、そして、とある王都の重鎮への報告をどう認めたものかと悩みが増す事になった。
――彼は空を振り仰ぐ。
遠くには、遙かなる高みに浮かぶ故郷。
望郷の念を捨てられない彼は、僅かに繋がった細い糸を途切れさせない為に、今もこうして足掻いているのだ――
そんな内心を知らせることなく、マスターはいつもの調子でベルに話し掛ける。
「改めて新店舗の開店おめでとさん。二号店の具合はどうだ?」
「そうですねぇ。村の冒険者ギルドと同じ作りだからか、余り悩まないで回せてますよ。まだ、森に訪れる人も酒飲みさんチームやBランク昇格を考えているCメジャーの人達数グループと、あとは調査に来ている王都の魔術師さん達ぐらいですから、喫茶店に来る人もまばらですし」
そう言って指折り数えながら答えるベルに、マスターはニヤリと悪い顔で笑いかける。
「そうか。しかしこれからは、近隣からどっと高ランクが押し寄せてくるだろうし、のんびりしてられるのは今だけだぞ」
「そうなんですか? また忙しくなるなら、店員増やさないといけないじゃないですか。困ったなぁ、私はのんびりやりたいんですけど……」
ベルがげんなりとした表情を見せるのに、マスターは呆れ顔で言う。
「何言ってるんだ? お前の店が有名になる機会だぞ。今こそ気合いを入れる時だろ」
「私、何度も言ってますけれど、お客さんがゆっくりとお茶を飲んでくつろいで行ける場所を作りたいんですよ。繁盛はそれなりにして欲しいですけど、有名になりたい訳じゃありません」
「相変わらず、欲がねぇなぁ……」
そんな話をしている間に、もう店は目の前だ。
大きく開いた入り口をくぐれば「マスター遅い!」 と、アレックスの妹であるカロリーネが膨れっ面で言う。
相変わらず、この娘は怖い物知らずだなと思いつつ、マスターは素直に謝る。
「悪い悪い。ちと、子爵が急用だとかでそれを見送っててな」
「へえ、そうなんですか。なら、後はいつもの喫茶店常連ばかりだし、気楽でいいですね!」
言いづらい皆の本音をあっさり代弁するカロリーネに、周りの重鎮達は苦笑している。
こういったところが、彼女の素直さの現れでもあるのだろう。
「カロリーネさん、いきなり任せてごめんね。私はお酒配りに行くよ。じゃあマスターは、パーティー楽しんでいって下さい」
隣にいたベルは、慌ただしくそう言うと、ぽちと一緒にカウンターの方に走り寄っていった。
そこには店員達が忙しく働く中、何故か大物二人が顔を揃えていた。
カウンターの中には、魔法騎士ことアレックスが皿の用意を手伝っているし、ベルに求婚中の元詩人ことドミニクスが、男爵位を得たれっきとした貴族だろうに、得意の楽器を持ちだして演奏などしているのだ。
アレックスは店員達と同じエプロンを掛けているし、目立つ髪も配膳に不衛生だからか幅広の布で押さえてしまっているので臨時の店員にしか見えないし、ドミニクスとくれば流しの詩人の時のように、派手な衣装と目深に被った刺繍付き帽子でその美貌を隠してしまえば彼が貴族とは誰も思うまい。
このように、気配の消し方を心得ている二人だからこそ、今の今まで招待客に気づかれずに過ごしているようだ。
そんな、いざ気づいてしまうと心臓に悪い二人を確認しつつも、人の悪いマスターは、新店舗の祝いに慌ただしい喫茶店メンバーに注意もせず笑っている。
「何ニヤニヤしてるんです? 早くあっちのフロアに行って祝杯を受け取ってくれませんか、マスター。いい加減パーティーも始まる時間ですし。……あら? 領主がいないって事は、乾杯の音頭は村長にやって貰うといいのかしら?」
ふと気づいたといった顔のカロリーネに、マスターは適当に返事をする。
「そうだなぁ。この面子ならそれが一番角が立たなそうだな」
「じゃあそれで。村長ー! 乾杯の音頭、お願いしますー!」
真新しい匂いのする店内の、喫茶店スペース。
椅子を撤去し、端に寄せたテーブルには白いクロスが掛けられ、そこには大皿料理が幾つも並んでいた。
内容はマスターが食べた事のある大衆料理的なベルの賄い料理の数々に、王都で見掛けたようなシカ肉のローストや、白身魚のグリル、南国フルーツの盛り合わせなど、洒落た料理が並んでいる。
マスターは、田舎娘でも王都の旅がこんなところで役立つのだなと、妙な感心の仕方をした。
「あー……南の地に新しいダンジョンが生まれた事は、あー、資源の入手先として喜ばしくもあり、また新たな魔物災害をも生むものでありますがー……悩みは後回しにし、今を楽しむのが冒険者達の集う村の流儀でもありましょう。では、新たな冒険の地と、そこにと集う冒険者達に乾杯といきましょうか。乾杯」
あっさりした村長の乾杯の音頭が済み、料理に群がる人々。
それぞれ、ベルの料理に舌鼓を打ちつつ、酒を酌み交わす。
まずはあっさりと肉の皿が空いた。次に魚の皿。他には、付け合わせの揚げただけの芋が、田舎には珍しい揚げ料理ということでシンプルなくせに人気である。
そうしてぞくぞくと空いていく皿の代わりを用意するのに、店員達は大忙しだ。
マスターは、そんな忙しい中に突っ込んでいく気力もない為、ぼんやりとカウンターに寄りかかり酒を舐めている。
ふと、カウンターの端の方で早々に手伝いを初めてしまったヴィボにベルが頭を下げるのが見えた。
「ヴィボさん、お酒の手配を頼んでしまって済みません。それに、お客様だというのに手伝いまで……」
「いや、別に。料理の方は全く指示も出来んしな。これぐらいはやらないと上司の面目が立たんだろう。大体、自分よりも余程大物が手伝ってもいるし、な」
ちらりとヴィボが視線を投げた先では、慣れた手つきで大量の皿を洗う魔法騎士と、形良い唇を笑みに飾りながら長い指で弦楽器を操る男爵がいる。
「あはは……確かに。二人には招待客として来て下さいってお願いしたんですけど、身内だからどうしても手伝うって言って聞かなくて」
アレックスの洗った皿を乾いた布で拭き、棚に戻しつつ、答えるベルの表情は複雑そうで「まあ、あの二人では押し切られるだろうな」 と、ヴィボが頷く。
世慣れた二人に比べ、ベルはそれなりに世間を学びつつもまだまだ発展途上といった雰囲気だ。男達にとって、言いくるめなど簡単なものだろう。
ヴィボの配る酒は軽い酒から空いていき、濃い酒をのんびり飲む段となった招待客達は、談笑の時間に移ったようだ。
そろそろ手隙になったからと、店員達もこっそり取り分けたパーティ料理を摘まんでいる。
「皆、楽しそうに酔っ払ってんなぁ」
「マスターは手伝わないんですね?」
悪びれないティエンミンの言葉に、マスターは笑った。
「俺が手伝ったら皿は放り出すし食い物は端から摘まむぞ」
「……わあ、それならいいです。ごゆっくり楽しんで下さーい」
そそくさと逃げていく年若の店員を見て、尚更にマスターは隻眼を細めて笑う。
幼い頃は、本当に地上は天上の罪人が落とされる監獄だと思っていたというのに……。
どうしてどうして、この地上は愉快だ。
どこか見覚えのある店内に、賑やかに集う人々。
それを見ながら、マスターはすっかりとこの地に馴染んでしまった己を思い、苦笑した。
「……マスター、そろそろパーティーが始まるんですけど、いい加減入ってきませんかって、あら? 子爵様は?」
そこには、エプロン姿のベルとぽちがいた。
ぽちの頭に乗っている妙に可愛らしい色合いの小鳥は、この間登録されたばかりの彼女の新しい契約獣だろう。
どうやら彼女は、マスターがなかなか姿を表さない事に気を揉んで、わざわざ迎えに来た様子だ。
「急用だとよ。ま、奴さんが居ると皆無駄に気を張るし、丁度いいんじゃねぇか」
「そうですねぇ。正直私も、あの人苦手ですし」
「ははは。若い女は大抵そう言うな」
片目を細めてマスターが笑い、ゆっくりと歩き出すと、隣に並んだベルがちょこちょこと小さな歩幅で必死に付いてくる。
ぽちは、ベルに合わせてのんびり歩いていくようだ。
あれ程マスターを拒んでいた森の境界は、彼女と一緒だとあっさりと越えられる。
『ああ全く、厄介な話だ。確たる証拠まではないものの、こいつが森に影響を持つ事が分かってしまった。黙っているには、余りに大きな問題だ』
そんな事を胸中で呟きつつも、マスターはいよいよ彼女の重要性を考えざる得ず、そして、とある王都の重鎮への報告をどう認めたものかと悩みが増す事になった。
――彼は空を振り仰ぐ。
遠くには、遙かなる高みに浮かぶ故郷。
望郷の念を捨てられない彼は、僅かに繋がった細い糸を途切れさせない為に、今もこうして足掻いているのだ――
そんな内心を知らせることなく、マスターはいつもの調子でベルに話し掛ける。
「改めて新店舗の開店おめでとさん。二号店の具合はどうだ?」
「そうですねぇ。村の冒険者ギルドと同じ作りだからか、余り悩まないで回せてますよ。まだ、森に訪れる人も酒飲みさんチームやBランク昇格を考えているCメジャーの人達数グループと、あとは調査に来ている王都の魔術師さん達ぐらいですから、喫茶店に来る人もまばらですし」
そう言って指折り数えながら答えるベルに、マスターはニヤリと悪い顔で笑いかける。
「そうか。しかしこれからは、近隣からどっと高ランクが押し寄せてくるだろうし、のんびりしてられるのは今だけだぞ」
「そうなんですか? また忙しくなるなら、店員増やさないといけないじゃないですか。困ったなぁ、私はのんびりやりたいんですけど……」
ベルがげんなりとした表情を見せるのに、マスターは呆れ顔で言う。
「何言ってるんだ? お前の店が有名になる機会だぞ。今こそ気合いを入れる時だろ」
「私、何度も言ってますけれど、お客さんがゆっくりとお茶を飲んでくつろいで行ける場所を作りたいんですよ。繁盛はそれなりにして欲しいですけど、有名になりたい訳じゃありません」
「相変わらず、欲がねぇなぁ……」
そんな話をしている間に、もう店は目の前だ。
大きく開いた入り口をくぐれば「マスター遅い!」 と、アレックスの妹であるカロリーネが膨れっ面で言う。
相変わらず、この娘は怖い物知らずだなと思いつつ、マスターは素直に謝る。
「悪い悪い。ちと、子爵が急用だとかでそれを見送っててな」
「へえ、そうなんですか。なら、後はいつもの喫茶店常連ばかりだし、気楽でいいですね!」
言いづらい皆の本音をあっさり代弁するカロリーネに、周りの重鎮達は苦笑している。
こういったところが、彼女の素直さの現れでもあるのだろう。
「カロリーネさん、いきなり任せてごめんね。私はお酒配りに行くよ。じゃあマスターは、パーティー楽しんでいって下さい」
隣にいたベルは、慌ただしくそう言うと、ぽちと一緒にカウンターの方に走り寄っていった。
そこには店員達が忙しく働く中、何故か大物二人が顔を揃えていた。
カウンターの中には、魔法騎士ことアレックスが皿の用意を手伝っているし、ベルに求婚中の元詩人ことドミニクスが、男爵位を得たれっきとした貴族だろうに、得意の楽器を持ちだして演奏などしているのだ。
アレックスは店員達と同じエプロンを掛けているし、目立つ髪も配膳に不衛生だからか幅広の布で押さえてしまっているので臨時の店員にしか見えないし、ドミニクスとくれば流しの詩人の時のように、派手な衣装と目深に被った刺繍付き帽子でその美貌を隠してしまえば彼が貴族とは誰も思うまい。
このように、気配の消し方を心得ている二人だからこそ、今の今まで招待客に気づかれずに過ごしているようだ。
そんな、いざ気づいてしまうと心臓に悪い二人を確認しつつも、人の悪いマスターは、新店舗の祝いに慌ただしい喫茶店メンバーに注意もせず笑っている。
「何ニヤニヤしてるんです? 早くあっちのフロアに行って祝杯を受け取ってくれませんか、マスター。いい加減パーティーも始まる時間ですし。……あら? 領主がいないって事は、乾杯の音頭は村長にやって貰うといいのかしら?」
ふと気づいたといった顔のカロリーネに、マスターは適当に返事をする。
「そうだなぁ。この面子ならそれが一番角が立たなそうだな」
「じゃあそれで。村長ー! 乾杯の音頭、お願いしますー!」
真新しい匂いのする店内の、喫茶店スペース。
椅子を撤去し、端に寄せたテーブルには白いクロスが掛けられ、そこには大皿料理が幾つも並んでいた。
内容はマスターが食べた事のある大衆料理的なベルの賄い料理の数々に、王都で見掛けたようなシカ肉のローストや、白身魚のグリル、南国フルーツの盛り合わせなど、洒落た料理が並んでいる。
マスターは、田舎娘でも王都の旅がこんなところで役立つのだなと、妙な感心の仕方をした。
「あー……南の地に新しいダンジョンが生まれた事は、あー、資源の入手先として喜ばしくもあり、また新たな魔物災害をも生むものでありますがー……悩みは後回しにし、今を楽しむのが冒険者達の集う村の流儀でもありましょう。では、新たな冒険の地と、そこにと集う冒険者達に乾杯といきましょうか。乾杯」
あっさりした村長の乾杯の音頭が済み、料理に群がる人々。
それぞれ、ベルの料理に舌鼓を打ちつつ、酒を酌み交わす。
まずはあっさりと肉の皿が空いた。次に魚の皿。他には、付け合わせの揚げただけの芋が、田舎には珍しい揚げ料理ということでシンプルなくせに人気である。
そうしてぞくぞくと空いていく皿の代わりを用意するのに、店員達は大忙しだ。
マスターは、そんな忙しい中に突っ込んでいく気力もない為、ぼんやりとカウンターに寄りかかり酒を舐めている。
ふと、カウンターの端の方で早々に手伝いを初めてしまったヴィボにベルが頭を下げるのが見えた。
「ヴィボさん、お酒の手配を頼んでしまって済みません。それに、お客様だというのに手伝いまで……」
「いや、別に。料理の方は全く指示も出来んしな。これぐらいはやらないと上司の面目が立たんだろう。大体、自分よりも余程大物が手伝ってもいるし、な」
ちらりとヴィボが視線を投げた先では、慣れた手つきで大量の皿を洗う魔法騎士と、形良い唇を笑みに飾りながら長い指で弦楽器を操る男爵がいる。
「あはは……確かに。二人には招待客として来て下さいってお願いしたんですけど、身内だからどうしても手伝うって言って聞かなくて」
アレックスの洗った皿を乾いた布で拭き、棚に戻しつつ、答えるベルの表情は複雑そうで「まあ、あの二人では押し切られるだろうな」 と、ヴィボが頷く。
世慣れた二人に比べ、ベルはそれなりに世間を学びつつもまだまだ発展途上といった雰囲気だ。男達にとって、言いくるめなど簡単なものだろう。
ヴィボの配る酒は軽い酒から空いていき、濃い酒をのんびり飲む段となった招待客達は、談笑の時間に移ったようだ。
そろそろ手隙になったからと、店員達もこっそり取り分けたパーティ料理を摘まんでいる。
「皆、楽しそうに酔っ払ってんなぁ」
「マスターは手伝わないんですね?」
悪びれないティエンミンの言葉に、マスターは笑った。
「俺が手伝ったら皿は放り出すし食い物は端から摘まむぞ」
「……わあ、それならいいです。ごゆっくり楽しんで下さーい」
そそくさと逃げていく年若の店員を見て、尚更にマスターは隻眼を細めて笑う。
幼い頃は、本当に地上は天上の罪人が落とされる監獄だと思っていたというのに……。
どうしてどうして、この地上は愉快だ。
どこか見覚えのある店内に、賑やかに集う人々。
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