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颯田瑞貴の場合
7、悪夢
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「私に似た男の子がね。窓を突き破って水に飛び込む夢なの」
麻美は息を呑んだ。颯田はざあっと血の気が引いていくのが分かった。
背中にどっと汗が噴き出てくる。
「男たちが下卑た笑いを上げながら、男の子を乱暴しているのよ。悲鳴すら上げないから面白くなかったのでしょうね。催淫剤を飲ませていたわ。男の子が悶え苦しむのをまた笑っているの。その子が気絶するまで何度も……」
「あ、アシュリンさん。ごめんなさい、もういいです」
蒼い顔で優香が止める。
「その子が自殺したのはそれが理由じゃないのよ。男たちがこれで父親が言うことを素直に聞くだろうと聞いたから。自分が父親の足かせになりたくなかったのね。……でも、何故」
「アシュリン、もう休んだほうがいい。子供たちは俺とレティシアで見ていますから」
「……」
東吾に肩を抱かれて、言われるがままに立ち上がり寝室に行った。
「皆さん、すみません。今日は」
「……東吾さん、ごめんなさい」
涙を溜めた目で優香が頭を深く下げていた。
「いえ、貴方が言ってくれたおかげで理由が分かりましたから。寧ろ感謝しています」
穏やかな顔で言う東吾にさらに項垂れる優香を美咲と麗奈が慰めている。
「麻美さん、少し残ってくれませんか? 颯田も」
「え? ええ」
動揺したように顔を強張らせる麻美に柔らかな笑みを見せる。だが、目は笑っていなかった。
優香たちが辞去の挨拶をしてエレベーターに入っていくのを見送ると東吾の表情が一変した。
「颯田……、お前は誰だ?」
「……」
「アシュリンはお前をずっと気にしていた。俺はお前を彼女に近づけさせたくなかった。……だけど、あんな風に悲しむ彼女は見ていたくない」
「……レーネルだ、ブレンドンでもある」
「やはりな」
溜息を吐いて、颯田を睨み付けた。
「夢は事実なのか?」
「ああ、彼女を側妾にしようとした王太子に目をつけられた。息子は…ネイサンは軍総司令官の幼い頃にそっくりだった」
「……それ…は。お前の庇護下になかったのか?」
「……義兄の養子になっていたんだ」
「ソーマやカークは守ってくれなかったのか?」
「ソーマはネイサンが近衛大隊右翼に入る前に大隊長を辞めさせられていた。カークも能力はあったのに小隊長止まりだった。ネイサンは剣術のセンスはあったが体が弱くてな、カークは王立学問所に入れたがっていた。頭は切れる子だったから。だが、あの内乱の後ラスロ一族の発言権が弱まると王立学問院も審刑院も腐敗していって、酷いありさまだった。近衛大隊に入ったのは他に選択肢がなかっ」
「最初から話してくれる、レーネル」
いつの間にか後ろにアシュリンが立っていた。元から白い顔が血の気のないほど、蒼褪めている。
翡翠色の瞳が煌めいて、颯田を真っ直ぐに見ていた。
「どうして俺だと分かったんだ」
「東吾にも言われたけど、何故わからないと思ったんだ。あれだけ……一緒に居たのだから」
最後の言葉は視線を逸らせて、小さく口の中で呟いた。
言いかけて止めた言葉を察して、東吾は苦い顔になる。
「アシュリン、寝ていなくて大丈夫ですか?」
「ネイサンの事、ずっと聞きたかったんだ。私が死んだ後どうなったの?」
「……君の死を受け入れることが出来なかった。ネイサンの顔を見るとどうしても、この子がいなければ、君はもっと生きられたのではと思ってしまった」
「私が死んだのはあの子が原因じゃない。それは貴方も知っていたでしょう?」
「頭ではわかっていた。でも、感情は制御できなかった」
「それでカークに養子に出したの? そんなに顔も見たくなかったの?」
「ネイサンのことを顧みない俺に思い知らせるために義姉が王都に連れて行った。成長したあの子を見た時ブレンドンであった時の記憶を思い出して、とても…後悔した。返して欲しいと言ったが、その頃にはもうあの子の親はカークたちだった。ソーマもカークたちもあの子をとても大事にしてくれた」
「ネイサンは……貴方のことがとても好きだったようよ。部隊長の軍装を纏った貴方を誇りに思っていたのよ」
泣きだした颯田を東吾に申し訳なさそうな視線を送りながらも、頭を抱えて胸に抱き寄せた。
髪を優しく撫でながら、颯田が泣き止むまでそのままにしていた。
「おい、そろそろ俺の妻から離れてくれないか」
颯田がアシュリンの腰に手を回した辺りで苛立った声を上げた。
「東吾……」
「相変わらず、薔薇の花が好きなんだな。……リビングに入った時薔薇の香りがして、ドキッとした」
「……毎年、ありとあらゆる検査をお祖父様に受けさせられているから、安心して欲しい。今のところ問題ないから」
「そうか、良かった」
アシュリンの胸に顔を埋めたまま、ぎゅっと抱きしめた。
「レーネル、そろそろ」
「今は瑞貴だから」
「では、瑞貴。そろそろ離れてくれないか。東吾がお前を殺しそうな顔をしている」
「また、話をしたい」
「私も、ネイサンのことをもっと聞きたいから」
嬉しそうに笑うアシュリンに瑞貴は頷いていた。
それを傍から見ていた麻美は弟は一生結婚は出来ないかもしれないなとちょっと気が遠のきそうになった。
「なあ、瑞貴はアルバイトしたことがあるのか?」
「……急にどうしたんだ、アシュリン」
散歩のついでにアシュリンは時々瑞貴の家にやってくる。二人は双子用のベビーカーに乗せ、一人をベビーキャリアで抱っこしてだった。
車で来てはどうかと言うとそうするとレティシアが運転手としてもれなくついて来る。
普段はともかく、偶に息苦しいらしい。
そう言えば、ナイジェルであった時も、前世の時もふらりと一人で出かけるのが好きな人だったなと思い返していた。ちらりと窓の外を見ると産婦人科の駐車場の端の方にワンボックスカーが止まっている。
運転席にはレティシアが座っている。
つけられているぞと指摘すると機嫌が悪くなるだろうから黙っている。
「いや、同級生はほとんどアルバイトしているから」
「子育てをしながら、大学に通っているだけでも大変だろうに。第一、東吾さんがアルバイトしても良いと言っているのか?」
「なんで、東吾の許可が必要なんだ?」
嫌そうな顔になる。まあ、相談すれば確実に反対するだろう。
自分でも良い気がしない。自分が見ていないところで、どんな男と接触するか分からないのに彼女を働きに出せないだろう。
「必要はないだろう、東吾さんの収入で十分じゃないのか?」
医師としての収入の他に株の配当金などの収入がある。たまに資産運用の話を東吾としているとどの位の収入があるか察せられる。
「皆やっているし、何というか大学で避けられているみたいで。麻美さんが誘ってくれた多胎児の会も入ったけど、……未成年の所為か視線が冷たい気がする」
しょんぼりと俯くアシュリンにそれはそうだろうと思った。
医師の夫を持ち、住み込みのベビーシッター兼家政婦を引きつれていれば、それだけでも嫉妬と羨望の対象だ。
姉の麻美も
「まあ私も恵まれているほうだと思うけど、アシュリンは別格だもの。私もちょっと考えなしだったかも、アシュリンには申し訳なかったわ。多胎児の会ってまあワンオペ育児の愚痴がない人は居づらいわね。最近は旦那さんも育児に参加するけど、やっぱり稼いでもらわないといけない人に夜中までとなると限界があるわよね。この周辺はそれなりに富裕層がいるはずだけど、ベビーシッターも日中の数時間が精々だもん」
アシュリンが大学に行っている間はさらにイギリスでナニーの資格を取った女性が来るらしい。
東吾の話ではアシュリンの個人資産からレティシアとナニーの給料を払っているとのことだ。
アシュリンの父親は何度か結婚していたが、実子は『愛人の子供』と自称しているアシュリンのみであとは相手の連れ子だった。
アシュリンの祖父母は全ての財産をアシュリンと三人の子供たちに残す法的手続きを終えている。資産の一部で医療法人を立ち上げる予定のようで設立者はアシュリンと三人の子供たちだった。
実質の仕事はアシュリンの祖父の家に仕える者たちがおこなっているようで、東吾は「確認はしていないが軍総司令官に仕えていた者が何人かいるな、アシュリンの祖父もそうかもしれない」と言っていた。
医療法人の立ち上げはアシュリンを若くして死なせたくないのだろう。
毎年の検査も東吾と結婚してからは大学病院で行っているが、特別室に入院してありとあらゆる検査を行っている。
伊手や林田も検査に関わったが、ドン引きしていた。
「アシュリンに何かあったら、殺されるかもしれない」
と思うほどにアシュリンの祖父とその使用人たち様子は鬼気迫るものだった。
その代わりに関わった医療従事者にアシュリンの祖父から丁寧な礼状と五つ星ホテルの宿泊券などが届いたらしい。
「まあ、高級エステくらいさせてもらえないとやってらんないわね」
休み明けに妙につやつやした肌で出勤してきた林田医師がそう宣った。
「妻と娘たちに勝手に使われたよ。俺が貰った物なのに」
とちょっと落ち込んでいた。伊手の夜勤の日に行かれてしまったらしい。SNSに豪華なディナーやエステの楽しげな写真が何十枚も送られてきたらしい。「お父さんありがとう、大好き!」とのメッセージに脂下がってたのでそれほど気にしても無いのだろう。
古参の看護師が言うには伊手の妻は看護師で伊手の両親と自身の両親の介護費用と結構な額の伊手の奨学金を返すために必死に働いていたそうだ。
ぽつんと伊手が、「はじめて女房孝行出来たよ」と言ってたので良かったですねと言った。
麻美は息を呑んだ。颯田はざあっと血の気が引いていくのが分かった。
背中にどっと汗が噴き出てくる。
「男たちが下卑た笑いを上げながら、男の子を乱暴しているのよ。悲鳴すら上げないから面白くなかったのでしょうね。催淫剤を飲ませていたわ。男の子が悶え苦しむのをまた笑っているの。その子が気絶するまで何度も……」
「あ、アシュリンさん。ごめんなさい、もういいです」
蒼い顔で優香が止める。
「その子が自殺したのはそれが理由じゃないのよ。男たちがこれで父親が言うことを素直に聞くだろうと聞いたから。自分が父親の足かせになりたくなかったのね。……でも、何故」
「アシュリン、もう休んだほうがいい。子供たちは俺とレティシアで見ていますから」
「……」
東吾に肩を抱かれて、言われるがままに立ち上がり寝室に行った。
「皆さん、すみません。今日は」
「……東吾さん、ごめんなさい」
涙を溜めた目で優香が頭を深く下げていた。
「いえ、貴方が言ってくれたおかげで理由が分かりましたから。寧ろ感謝しています」
穏やかな顔で言う東吾にさらに項垂れる優香を美咲と麗奈が慰めている。
「麻美さん、少し残ってくれませんか? 颯田も」
「え? ええ」
動揺したように顔を強張らせる麻美に柔らかな笑みを見せる。だが、目は笑っていなかった。
優香たちが辞去の挨拶をしてエレベーターに入っていくのを見送ると東吾の表情が一変した。
「颯田……、お前は誰だ?」
「……」
「アシュリンはお前をずっと気にしていた。俺はお前を彼女に近づけさせたくなかった。……だけど、あんな風に悲しむ彼女は見ていたくない」
「……レーネルだ、ブレンドンでもある」
「やはりな」
溜息を吐いて、颯田を睨み付けた。
「夢は事実なのか?」
「ああ、彼女を側妾にしようとした王太子に目をつけられた。息子は…ネイサンは軍総司令官の幼い頃にそっくりだった」
「……それ…は。お前の庇護下になかったのか?」
「……義兄の養子になっていたんだ」
「ソーマやカークは守ってくれなかったのか?」
「ソーマはネイサンが近衛大隊右翼に入る前に大隊長を辞めさせられていた。カークも能力はあったのに小隊長止まりだった。ネイサンは剣術のセンスはあったが体が弱くてな、カークは王立学問所に入れたがっていた。頭は切れる子だったから。だが、あの内乱の後ラスロ一族の発言権が弱まると王立学問院も審刑院も腐敗していって、酷いありさまだった。近衛大隊に入ったのは他に選択肢がなかっ」
「最初から話してくれる、レーネル」
いつの間にか後ろにアシュリンが立っていた。元から白い顔が血の気のないほど、蒼褪めている。
翡翠色の瞳が煌めいて、颯田を真っ直ぐに見ていた。
「どうして俺だと分かったんだ」
「東吾にも言われたけど、何故わからないと思ったんだ。あれだけ……一緒に居たのだから」
最後の言葉は視線を逸らせて、小さく口の中で呟いた。
言いかけて止めた言葉を察して、東吾は苦い顔になる。
「アシュリン、寝ていなくて大丈夫ですか?」
「ネイサンの事、ずっと聞きたかったんだ。私が死んだ後どうなったの?」
「……君の死を受け入れることが出来なかった。ネイサンの顔を見るとどうしても、この子がいなければ、君はもっと生きられたのではと思ってしまった」
「私が死んだのはあの子が原因じゃない。それは貴方も知っていたでしょう?」
「頭ではわかっていた。でも、感情は制御できなかった」
「それでカークに養子に出したの? そんなに顔も見たくなかったの?」
「ネイサンのことを顧みない俺に思い知らせるために義姉が王都に連れて行った。成長したあの子を見た時ブレンドンであった時の記憶を思い出して、とても…後悔した。返して欲しいと言ったが、その頃にはもうあの子の親はカークたちだった。ソーマもカークたちもあの子をとても大事にしてくれた」
「ネイサンは……貴方のことがとても好きだったようよ。部隊長の軍装を纏った貴方を誇りに思っていたのよ」
泣きだした颯田を東吾に申し訳なさそうな視線を送りながらも、頭を抱えて胸に抱き寄せた。
髪を優しく撫でながら、颯田が泣き止むまでそのままにしていた。
「おい、そろそろ俺の妻から離れてくれないか」
颯田がアシュリンの腰に手を回した辺りで苛立った声を上げた。
「東吾……」
「相変わらず、薔薇の花が好きなんだな。……リビングに入った時薔薇の香りがして、ドキッとした」
「……毎年、ありとあらゆる検査をお祖父様に受けさせられているから、安心して欲しい。今のところ問題ないから」
「そうか、良かった」
アシュリンの胸に顔を埋めたまま、ぎゅっと抱きしめた。
「レーネル、そろそろ」
「今は瑞貴だから」
「では、瑞貴。そろそろ離れてくれないか。東吾がお前を殺しそうな顔をしている」
「また、話をしたい」
「私も、ネイサンのことをもっと聞きたいから」
嬉しそうに笑うアシュリンに瑞貴は頷いていた。
それを傍から見ていた麻美は弟は一生結婚は出来ないかもしれないなとちょっと気が遠のきそうになった。
「なあ、瑞貴はアルバイトしたことがあるのか?」
「……急にどうしたんだ、アシュリン」
散歩のついでにアシュリンは時々瑞貴の家にやってくる。二人は双子用のベビーカーに乗せ、一人をベビーキャリアで抱っこしてだった。
車で来てはどうかと言うとそうするとレティシアが運転手としてもれなくついて来る。
普段はともかく、偶に息苦しいらしい。
そう言えば、ナイジェルであった時も、前世の時もふらりと一人で出かけるのが好きな人だったなと思い返していた。ちらりと窓の外を見ると産婦人科の駐車場の端の方にワンボックスカーが止まっている。
運転席にはレティシアが座っている。
つけられているぞと指摘すると機嫌が悪くなるだろうから黙っている。
「いや、同級生はほとんどアルバイトしているから」
「子育てをしながら、大学に通っているだけでも大変だろうに。第一、東吾さんがアルバイトしても良いと言っているのか?」
「なんで、東吾の許可が必要なんだ?」
嫌そうな顔になる。まあ、相談すれば確実に反対するだろう。
自分でも良い気がしない。自分が見ていないところで、どんな男と接触するか分からないのに彼女を働きに出せないだろう。
「必要はないだろう、東吾さんの収入で十分じゃないのか?」
医師としての収入の他に株の配当金などの収入がある。たまに資産運用の話を東吾としているとどの位の収入があるか察せられる。
「皆やっているし、何というか大学で避けられているみたいで。麻美さんが誘ってくれた多胎児の会も入ったけど、……未成年の所為か視線が冷たい気がする」
しょんぼりと俯くアシュリンにそれはそうだろうと思った。
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姉の麻美も
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アシュリンが大学に行っている間はさらにイギリスでナニーの資格を取った女性が来るらしい。
東吾の話ではアシュリンの個人資産からレティシアとナニーの給料を払っているとのことだ。
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実質の仕事はアシュリンの祖父の家に仕える者たちがおこなっているようで、東吾は「確認はしていないが軍総司令官に仕えていた者が何人かいるな、アシュリンの祖父もそうかもしれない」と言っていた。
医療法人の立ち上げはアシュリンを若くして死なせたくないのだろう。
毎年の検査も東吾と結婚してからは大学病院で行っているが、特別室に入院してありとあらゆる検査を行っている。
伊手や林田も検査に関わったが、ドン引きしていた。
「アシュリンに何かあったら、殺されるかもしれない」
と思うほどにアシュリンの祖父とその使用人たち様子は鬼気迫るものだった。
その代わりに関わった医療従事者にアシュリンの祖父から丁寧な礼状と五つ星ホテルの宿泊券などが届いたらしい。
「まあ、高級エステくらいさせてもらえないとやってらんないわね」
休み明けに妙につやつやした肌で出勤してきた林田医師がそう宣った。
「妻と娘たちに勝手に使われたよ。俺が貰った物なのに」
とちょっと落ち込んでいた。伊手の夜勤の日に行かれてしまったらしい。SNSに豪華なディナーやエステの楽しげな写真が何十枚も送られてきたらしい。「お父さんありがとう、大好き!」とのメッセージに脂下がってたのでそれほど気にしても無いのだろう。
古参の看護師が言うには伊手の妻は看護師で伊手の両親と自身の両親の介護費用と結構な額の伊手の奨学金を返すために必死に働いていたそうだ。
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