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【6】幼なじみがやってきた
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夜。直くんからのLINEもないし、家には母もいる。
先生との約束通り早めに寝ようと電気を消して布団に潜ってみるものの、やっぱりすぐには寝付けない。
あんまり余計な考え事はしたくないんだけどな。
目を閉じたら、今日のワタナベさんと直くんの姿が目に浮かんでしまって切ない。
それでもやっと眠気が来て、ようやくうとうととしていたら、窓の方からコンコンと音がした。
えっ、と驚いて目を開けると、人影が見えた。
「……直くん?」
おそるおそる窓際に近づき、カーテンを開ける。するとベランダに直くんが立っていた。
慌てて鍵を開けて部屋に入れる。
「今日、来るって知らなかった……」
「ああ。面倒くせえから直接来た」
直くんはまた湯上りで昨日より髪が濡れている。
でも待って。ワタナベさんがいるのに、なんでここに?
我に返った私は、ベッドに入らせないように直くんの前に立った。
いつの間にか見上げたら首が痛いぐらい、背が伸びている。
街灯と月明りだけが私たちを照らして、直くんがどんな顔をしているのかよく見えない。
直くんはしれっと私の肩を軽く押すようにしてベッドに近づいた。
「布団入れて」
「……だ、だめっ」
「だめ?なんで」
な、なんで??
「だって、朝……女の子来てたじゃん」
「来てたけど、別に俺とお前に何も関係ないじゃん」
「え???」
言っている意味がわからない。わからないけど、だんだん腹が立ってきた。
「……お前って呼ばないでよ。偉そうだよ」
なんで。なんで、私だけ取り乱してるの。直くんは冷静で、女の子にも慣れてて。私だけ騒いでて。
私、今日は早く寝ないといけないんだから。明日はあくびするわけにはいかないの。
直くんやワタナベさんは勉強ができるから、補習なんて縁がないだろうけど……。
いつも、どうやって直くんと抱き合っていたんだっけ。
わからない。
なんで直くんはここに来るの?
先生との約束通り早めに寝ようと電気を消して布団に潜ってみるものの、やっぱりすぐには寝付けない。
あんまり余計な考え事はしたくないんだけどな。
目を閉じたら、今日のワタナベさんと直くんの姿が目に浮かんでしまって切ない。
それでもやっと眠気が来て、ようやくうとうととしていたら、窓の方からコンコンと音がした。
えっ、と驚いて目を開けると、人影が見えた。
「……直くん?」
おそるおそる窓際に近づき、カーテンを開ける。するとベランダに直くんが立っていた。
慌てて鍵を開けて部屋に入れる。
「今日、来るって知らなかった……」
「ああ。面倒くせえから直接来た」
直くんはまた湯上りで昨日より髪が濡れている。
でも待って。ワタナベさんがいるのに、なんでここに?
我に返った私は、ベッドに入らせないように直くんの前に立った。
いつの間にか見上げたら首が痛いぐらい、背が伸びている。
街灯と月明りだけが私たちを照らして、直くんがどんな顔をしているのかよく見えない。
直くんはしれっと私の肩を軽く押すようにしてベッドに近づいた。
「布団入れて」
「……だ、だめっ」
「だめ?なんで」
な、なんで??
「だって、朝……女の子来てたじゃん」
「来てたけど、別に俺とお前に何も関係ないじゃん」
「え???」
言っている意味がわからない。わからないけど、だんだん腹が立ってきた。
「……お前って呼ばないでよ。偉そうだよ」
なんで。なんで、私だけ取り乱してるの。直くんは冷静で、女の子にも慣れてて。私だけ騒いでて。
私、今日は早く寝ないといけないんだから。明日はあくびするわけにはいかないの。
直くんやワタナベさんは勉強ができるから、補習なんて縁がないだろうけど……。
いつも、どうやって直くんと抱き合っていたんだっけ。
わからない。
なんで直くんはここに来るの?
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