皇太子妃奮闘記~離縁計画発動中!~

妄想いちこ

文字の大きさ
32 / 65

30話 ネネさん!教えて!

しおりを挟む
自分の部屋に着き、ソファーに座る。

「アリア様、お帰りなさいませ。」

ネネが紅茶を持って来てくれる。

「お茶菓子はいかがいたしましょう?」

「ルイス殿下のところでいただいたわ。」

「ルイス殿下のお部屋まで行かれたのですね!?」

ネネは驚いたような聞いてくる。

「まあ····成り行きでね·····」

「それはそうと、側妃様達との対面はどうでしたか?」

ネネが目を輝かせながら聞いてくる。

「もう最悪よ!」

それから、側妃達との対面のこと、ローゼンリタのことを話をした。

「そのローゼンリタって側妃様は最低ですね!アリア様を認めないとか!」

ネネはかなり憤慨している。

「でも、ルイス殿下が処罰をしてくださったから。しかも結構重い処罰だと思わない?実家へ帰らされた挙げ句謹慎でルイス殿下から許されるまで後宮に戻ることができないもの。」

「それは当たり前ですわ!身分は上の人を侮辱したのですよ!アリア様は優し過ぎます!ルイス殿下が最初におっしゃられた通り離縁をさせれば良かったのですよ!」

「でもね······。これでローゼンリタの寵愛は無くなったと思うし。」

ルイス王子曰く、寵愛をしてた訳でさなく振りらしいんだけど。

「まあ、当然の報いです。ざぁまあ見やがれですわ!ふふふ!」

ネネは片腕を挙げてガッツポーズをする。
ネネったらはしたないわよ·····。

そういえば、ルイス王子が宮まで送ってくれている時の出来事。


~~~~~~~~~~~~~

「アリア、確かに初夜は大切だけど、その前に閨を共にしてもいいと思うんだ。初夜から子作りを始めればいいと思う」

またそんなこと言って!

うん?閨を共する=子作りではないの?


「せっかくアリアがそばにいるのに離れて寝るなんて······本来なら私の近くの部屋にいるはずだったのに、違う宮にいるんだよ?」

「嫌です!」

「なら、何もしないから一緒のベッドに寝るだけでも·····」

「ルイス殿下、しつこいですわよ!」

私はプンプン怒りながら断固拒否する。

ルイス王子は「そんなに拒否しなくても····アリアの為に閨のテクニックは上げてるつもりだよ。最初は痛いと思うけど···」と、また何かを言っている。

うん?痛いとは?何が痛いのかしら····私はまだ諦めずに、しつこく言ってくるルイス王子の言葉は頭に入らず、ルイス王子の「最初は痛い」の言葉が気になってたまらなかった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~


私はルイス王子の「最初は痛い」の言葉が未だに引っ掛かっていた。

うむ~。
うん!やっぱりネネに聞いてみよう!
早速、紅茶のお代わりを入れているネネに聞いた。

「ねえ、ネネ。ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」

ネネはティーポットを配膳台の上に置き笑顔で応えた。

「はい。何でしょう?」

「あのね。閨の最初って痛いって本当?」

「ぶっっ!」

ネネが変な声を出した。かなり驚いているようで少し仰け反っている。

「そっ、それは誰かから言われたのですか?」

「そうよ。ルイス殿下が最初は痛いと思うけどっておっしゃったの。」

「まあ!ルイス殿下はハレンチなことをおっしゃられたのですか!?」

ちょっと怒り気味のネネさん。

「だから痛いって何?閨って痛いものなの?」

私はズイズイとネネに近寄った。
ネネは目を逸らし、「そうですね····」「うーん」とか言って答えてくれない。

私はなかなか答えないネネをいじましく思い少し大きな声で聞いてしまった。

「だからどうなのよ!キースとはもう夫婦なんだからそういうことをしてるでしょ?」

「まっ、まあそうですが·····」

「ネネの初めての人はキース?」

「もちろんです!」
頭を激しく上下に振っている。

「ふ~ん。いつ閨を共にしたの?結婚前から?」

私がバンバン質問をするのでネネは冷や汗を掻いている。

「私のことより、アゾレネット様からは閨のことについて教わりませんでしたか?」

あっ、話しをはぐらかした。

「お母様はとりあえずルイス殿下に任せておけばいいと。最初は何もしなくていいとおっしゃられたわ。」

「·······。」

「あっ!抵抗してはダメとも言われたわ!」

「·······アゾレネット様····丸投げしましたね······。」

ネネが下を向いてボソッと何かを言っている。

「うん?」

ネネは意を決したように顔を上げた。

「アリア様!最初は痛いのは間違いないですわ!」

·····やっぱりそうなの?痛いの嫌だわ。

「ですが、誰しもが通る道ですわ!我慢あるのみです!」

「そうよね·····。我慢·····」

「それに回数を重ねてると○×▲×○ですわ。」


うん?途中早口で聞き取れなかったわ。

「ネネ、もう一度言って。」

「恥ずかしいので何度言わせないでください!○×▲×○×ですわ!」

やっぱりそこだけ早口になり聞き取れない。

「ネネ、もう······」

「もう言いませんよ!」

「えー!」

「あとは実践あるのみですから!それに嫌でも婚礼後には経験しますので!あとはルイス殿下にお任せですわ!」

お母様と同じことを言ってる!
ネネは私から目を逸らして
「アリア様、少し外のピューマの様子を見てまいります!」

ネネはササッと素早い動きでドア前まで行き、私に一言かけてから出ていった。

ピューマの様子を見に行ってどうするのよ····。

うーん。やはり閨のことの詳しいことは教えてくれないわね。
ネネなら教えてくれるかなって思ったのに。

「今度、キースに聞いてみようかしら。」

痛くないように出来ないかどうかとか·····。
なるべく痛い思いしたくないもんね!


次の日に早速キースに聞いてみたけど·····

「え?痛くならない方法ですか?そっ、それは無理かもしれません。」

「何故ですの?」

「それはですね·····」

キースが説明をしてくれそうになった時に、ネネが走ってきて、

バチコーン!!

思いっきりキースの頭を叩いたのだ。
「いってぇぇ!」

「キース!余計なこと言わないの!!」

キースは痛そうに頭を擦りながら

「だってアリア様が·····」

「だってじゃないの!アリア様はまだウブなお子様なんだから、閨のことを聞いたらパニクるでしょうが!」

ネネにお子様って言われた·····もう立派なレディなのに!

「ネネ!私はお子様ではないわ!」

私が訂正を求めて言うと、ネネにキッと睨まれて

「アリア様!前にも申し上げましたが、閨のことはルイス殿下にお任せすればいいのです!そんなことは他の男性に聞くものではありませんよ!男は狼です!いいですか······」

えらい剣幕で怒られ、その後もくどくどと言われ続け私は小一時間は離して貰えなかった。

ですが!
それでへこたれるような私ではないわ!
だって気になるじゃない!何故教えてもらえないのか!

なので次の日にはランディに聞いてみた。
だけど······

「それは私には何とも言えません·····」

ランディは顔を真っ赤にして俯き、そそくさとどっかへ行ってしまった。
ランディはまだ誰とも閨を共にしたことがないのかしら······。


それよりも······誰か教えてよーー!!気になるじゃないー!

その他の人、数人に聞いたけれど誰も答えてくれず。
それがネネにバレて、今度は三時間くらい説教をされて閨のことを聞くのは断念したのだった。
しおりを挟む
感想 77

あなたにおすすめの小説

完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました

らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。 そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。 しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような… 完結決定済み

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。

しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。 私たち夫婦には娘が1人。 愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。 だけど娘が選んだのは夫の方だった。 失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。 事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。 再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス! ※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。 【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

王宮に薬を届けに行ったなら

佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。 カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。 この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。 慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。 弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。 「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」 驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。 「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」 ※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。(貴族→庶民)それにより、内容も少し変更しておりますのであわせてお楽しみください。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

処理中です...