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一話 クズが転生したら女の子でした

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 「翔くん!どっちが本命なの?!」

 「もちろん私よね!」

 只今修羅場中…

 俺の名前は「葛城 翔」 27歳。独身。
 身長は182㎝、体重68㎏、黒髪黒目で顔は自分で言うのもなんだがイケてると思う。趣味はスポーツでテニスを小学生4から大学生卒業まで13年みっちりしてました。一応中学から全国大会に出場したりして結構な腕前と自負しております!今は週①はテニスクラブに通い軽い運動程度にしてる。

 職場はとあるお菓子企業の営業をしてて、毎日色々と会社にプレゼンしたり企画したり忙しくしている。営業のエースと言っても過言ではない!自分で言うのもなんだが優良株だと思う。 
 もちろん、営業だから笑顔とトークは欠かせない!受付嬢には顔の覚えよろしく行く度に貢ぎ…いやお土産も欠かずお渡しして、色々融通を効かせてもらっている。
もちろん、自分に気がある!と思われることも多く、その手のお誘いがかなりある。もちろん有り難くお受けしている!
 そういう意味では別彼女居なくても困らないので作らない。
 だって女には不十分してないからさ!博愛主義じゃないけど割りきったお付き合いが気が楽でいい。

 今日もその内の1人の女の子A、目はくりっとしてて可愛い系。髪は黒でストレート。清楚なお嬢様って感じだ。身長は多分160㎝はない位でスレンダーだが出るとこは出てる感じで胸はDカップくらいだ。
 可愛い系で巨乳に誘われて断れはできないだろう!男が廃る! ちょっとしたお洒落なレストランで夕食を食べてラブホテルに行った帰りに、別の女の子Bと鉢合わせしてしまって冒頭に戻る…

 「私の方が翔くんが好きなの!離れてよ!」

 と、女の子Bが俺と腕を組んでた女の子Aの手を叩く。

 「何すんのよ!」

 女の子Aが女の子Bの肩を押した。

 あちゃー、こりゃヤバいなあ。どうしようか。両方お得意様の受付嬢だしなあ。と、悩む。
女の子Aはボンキュンボンで感度も良く、セックスの相性も良かったんどけどな。
 勿体ないけど仕方ないな。これ以上のもめ事は嫌だしな。

 「まあまあ、落ち着いてよ。」

 「「…!!」」

 「悪いけど、両方本命じゃないし。争っても仕方ないじゃん?」

 えっ!?と二人とも驚いた顔でこっちを見る。

 「えっ?▪▪▪だってエッチもしたし。可愛いねとか一緒にあいたら癒されるとか言ってたじゃない…」

 女の子Bは大きい目に涙を浮かべて言う。

 「▪▪▪。」

 女の子Aは信じられないような目でこっちを見てる。

 「うーん。確かにやることはやったけど、それだけで付き合うことにはならないんじゃない?
  俺一度も二人に付き合おうなんて言ってないしね。」

「「▪▪▪」」

 二人はかなりショックを受けている。

 俺は最低なこと言ってるかもしれないけど、本当のことだしね。セックスしただけで恋人同士って世の中みんなカップルだらけになるじゃん!

 「誘われたから楽しく食事して、楽しく夜を過ごしただけ。
  悪いけどそれだけでなんだ。恋愛感情全くないし。」

 そこまで言ったら女の子Bは泣き始めた。
 女の子Aは下に俯き唇をへの字にしている。

 あーあ。泣かせちゃったな。

 「気をもたしたんならごめんね?
  嫌かもしれないけど明日からは仕事は仕事で割りきってやろうね。仕事以外は話さないようにするし。」 

 またもや最低なことを言っている。

 「じぁね。楽しい一時をありがとう。」

 手を振りながらその場を去った。


 はあ。明日からはちょっと間を空けてあの二人が勤めてるとこに行こう。後輩も連れて行くか?
 などと思いつつあっけらかんとして歩いて地下鉄に向かっている。
 周りを見るとカップル、酔ったおっさんなどが行き来している。
 あんなおっさんにはなりたくないとか、結婚願望がない訳ではないがまだ遊びたい!縛られたくない!と思いながら地下鉄の階段に差し掛かったとき、

 「翔くん!」

 と、呼ばれ後ろを振り向くと、女の子Aがいた。

 「ひどいよ!翔くん!会ったときから好きだったのに!
  翔くんとデートして結ばれて本当に嬉しかったのに!」

 女の子Aは泣きながら叫んで俺の胸をドンっと押した。

 『ヤバい!!』

 そう思うと同時に後ろに転げ落ちていった…

 かなりの衝撃と痛みが襲う。
 階段の下まで落ちたところで周りから『大丈夫ですか?』『しっかりしてください!』『救急車!!』
 などの叫び声が聞こえる。

 俺は起き上がろうしても痛くて動けない。腕が折れてるのかもしれない。視界も周りがぼや~としててはっきりしない。

 『俺…もしかして死ぬ…?』

  もはや頭がグラングランしてきて…

 『まだやり残したこといっぱいあるのに…』 

 そこで俺は意識を手放した。





 ◆▪◆▪◆▪◆▪◆▪◆▪◆▪◆▪♦◆▪◆▪◆▪◆▪◆▪◆






 「フレア、ご飯のお時間ですよ! 部屋のお片付けして降りてらっしゃい!」


 「はーい♪」

 私の名前は「フレア▪フィン▪アンドリエ」五歳でーす!

 はい!もうお分かりでしょ!葛城翔の記憶を持って転生しました!しかもどうやら異世界に!しかも女の子として!
 普通男なら男の子で生まれ替わりしねぇ?
 いや、別に女の子が嫌な訳じゃないんだが▪▪▪。
 どうせなら男の子の方が良かったなっと▪▪▪。だって男の子ならある程度成長過程とか分かるしね!
 でも、せっかくだから女の子も満喫したいと思う!

 言葉使いも俺じゃなく私と言うように頑張ってる!たまに男の部分が出たら▪▪▪ご容赦ください!

 やはりあの後の記憶がないので死んだみたいだ。実感がわかないが現状のこと考えるとそうだろう。
 嫌な死に方しちゃったよ。もっと人生を満喫して老衰かなんかで死にたかったな。まさかの痴情で死ぬなんてなあ。
 これは人生のやり直しを神様がしなさいと云ってるんだと思う!前世の過ちは繰り返さないようにいきるぞ!と、意気込む。

 さてさて異世界に転生した模様で、この世界は五つの大陸から成り立ってるみたい。まず俺▪▪▪じゃなく私は住んでるところは、その一つヘーバンス大陸と言って4つの王国がある。オーディフェンス王国。4つの国の中でも一番大きい国になる。
 あと、ローインデリア王国、ギィオリンク王国、カンチス王国がある。

 そこでなぜ異世界って?それはやはり魔法がある!これに限る!あと電気ないし、魔物いるし、ets…。
 とりあえず色々不便ってとこかな!やはり便利なとこから来た?身としては不便でならない!
 まあだから魔法があるんだろうけどね。

 「フレア~早く降りてきなさい。みんな待ってますよ~」

 ありゃ!雷が落ちる前に降りなくちゃ!

 「はーい!今行きまーす!」

 たったった

 元気よく階段を降りる。そして階段を降りてすぐ右側のドアを開けて食堂に入る。
 あちゃー、家族が皆座ってる。

 「遅いぞ、フレア。早く席に着きなさい。」

 お父様に注意される。

 「ごめんなさい。」

 素直に謝りすぐに席に座った。

 我が家の家族を紹介!
 父、母、兄二人、姉三人、そして末っ子の私の八人家族。

 父の名前はダン▪フィン▪アンドリエ、36歳。公爵とう云う爵位持ち。しかもお国の宰相様と云うお偉いさんだよ!えっへん!
 銀髪に瞳は二重瞼の透き通るような藍色で切れ長。かなりのイケメンと云えよう!身長も長身で身体も細身に見えるが、だけど肩とかがっちりしてて鍛え上げれてるのが服の上からでもわかる。宰相の前は騎士団の団長をしてたらしい。なんか凄いオーラをかもし出している。


 母はミチルダ▪32歳。真っ赤な髪色でストレート。今は髪をアップしている。身長はこっちの人の平均くらいだと思う。顔は普通だ。瞳は綺麗な碧色。一応父と同じ二重瞼でも奥二重。決してブスではない。でも綺麗とも可愛いとも言えない。普通。でも持っている雰囲気はふんわかしてて、癒し系だと思う。いつもニコニコしてて性格も怒ったりしたとこ見たことない。私が怒ったり、泣いたりしてても母が側にいると安心する。とっても大好き!
 顔は普通でも身体はボンキュンボンだ!Gカップはありそうな豊満な胸!前世だったら絶対自分から口説いてるね!

 長男シャベールは16歳。王都の難関学校マリベール学園一年生だ。父に顔は似てイケメンだ。瞳は引き込まれそうな濃い青色。女の子は見つめられたら魔法でもかかったみたいな状態になる。何回は女の子同士で揉め事があったとかなかったとか。
 学園では父の跡継ぎ騎士団に入団すべく剣術を専攻している。かなりの腕前のようだ。笑顔が素敵な好青年に見えるが多分腹黒じゃかいかと思う。

 次男ギオレットは14歳。顔は父に似。ビバリーヒルズ瞳は母似の碧色。ただ目付きがキツイ!目付きが悪いわけじやないよー!
初対面の人は『喧嘩売ってんのか?』って思うと思う。
 でも男兄弟の中では一番優しいの。妹たちの中でも一番私を可愛がってくれるの!
 ギオレット兄様もマリベール中等学園の二年で剣術を専攻してる。こちらもトップクラスらしい。

 次は長女のノーレン、12歳。両親の良いとこ取りをしている。
 顔は父に似てるが瞳の色は母似。髪は朱色で軽くウェーブがかかってる。これは父方の方が出ている。お婆様が少し天パがあるから。とてもふわふわして綺麗。
 あと母に似て12歳にして巨乳!『あなた、ほんまに12歳?』と、問いたくなる!
 性格はシャベール兄様に似てる感じかな。モテるから既に多き恋愛をしている。先日も伯爵の息子二人に言い寄られてたし。どうなったかは知らん!!

 次女アンナ、10歳。ピンク色の髪で巻き毛。お嬢様って感じ!瞳色は透き通る碧。元気でお転婆!10歳にして既に巨乳の予感のおっぱいをしている▪▪▪。
 三女リリアン、八歳。銀髪で毛先がくるんとしているクセっ毛。瞳は青色。リリアン姉様も、モテるみたいでいつも男の子の取り巻きがいる。
 この二人も例外なく顔の作りは父親似!

 私は▪▪▪なぜか私だけほぼ母似!顔の作りもそう!奥二重で瞳の色だけ父似て透き通る藍色。髪の色も母に似て深紅色だし!
 兄のお友達や姉のお友達が私の顔を見てがっかりした表情をする。
 失礼な!スミマセンね!美形兄妹の中に平凡な顔の私がいて!
 ムカつくので兄妹のお友達が来たら部屋から絶対出ないようにしている!呼ばれても部屋からは出ない!無視よ!無視!

 母に似て嬉しいのはきっとおっぱいがでかくなるってこと!
 やっぱり女の魅力は一つはないとねー!
 未来の自分に楽しみを感じてるフレアだった。




 フレアは公爵家の令嬢なので別に普段は不便に思うことはあまりない。
 食事もちゃんと三食食べれるし(ただ味は薄かったりしてあまり美味しくない)
 電気が無いんで照明はランプだけど、もう慣れた。
 ただ道楽があまりない!ゲーセンもないし、スマホない。テレビもないし。遊ぶものが人形とかでないのだ!
 しかも五歳だし、令嬢だから誘拐に合ってはならないと、外にも出してくれない!外と言えば庭くらいしか出れない。街に行くときは必ず大人か、兄達の誰かと一緒じゃないと行くことができないのだ。▪▪▪泣ける▪▪▪
 仕方のないことなんだけれど面白くない。なのでもっぱら家の本部屋に行き、魔法本を読んで勉強している。

 それはさておきフレアにはこの世界で許せないことがある!
 それは一夫多妻!
 遊んでた俺(あっ!男に戻っちゃった!)が言うか?って思うかもしらないが、遊びと結婚は違う!こう見えても結婚したら家庭は大事にしたいと思ってたよ!やはり責任ってあると思ってたからさ。
 ▪▪▪は建前なんだけど説明します!

 一夫多妻でも決まりが有ってそれができるのは王家と爵位持ちのみ。王家は正妃一人と側室10名まで。爵位持ちは正妻一人。妾三人。その他は愛人になる。
 騎士や庶民は一夫一妻になる。

 つまりうちの父には母の他に妾が三人いる。多分愛人もいると思う。何せモテるだろうから。宰相と云う肩書きあるしね。
 妾の子が二人ずついる。なので本当は12人兄弟なる。愛人にも子供いるかもしれないからもっと兄弟いるかも!?
 あまり会わないし妾の子供たちと交流はないからはっきり言って会ってもわからん!
 妾達はたまに家にくるから分かる。三人とも美人だ。
 なぜ来るかって?
 そりゃ正妻を狙ってるからさ!母親をいじめ?に来てるのだ!
 妾の子には継承はないのだ。
 例えばシャベールお兄さんが(あっ!様だった。まあいいや)
公爵の跡継ぎになる。シャベール兄さんが死んだらオギレット兄さんが跡継ぎになる。今度はオギレット兄さんが死んだら、普通なら次の男の子が跡継ぎになるんだがそれがノーレン姉さんになるんだ。
 私達兄妹が全員死んだら、父の弟の伯父さんに継承が移ることになる。 
 なのでいくら父親が公爵でも妾の子には関係ないのだ。まあ、父親のコネで良いとこに就職できたり、良いとこに嫁に行けたりするくらいかな。
 妾やその子供達が受けれる恩賞は贅沢な暮らしかな。学校だって通わせて貰えるしね。

 なので正妻の座を狙ってるのだ。
 父のいない日を見かはらって来て、いつも嫌み言ったり嫌がらせしたりしてる!母ミチルダはあまり相手にしてないのだが、たまにこっそりと泣いているのを何回か見ている。
 奴ら来たら来たらで我が物顔でメイド達にあやらこれやいいつける!なのでメイド達の評判は良くない!
 嫌な奴らなんだ!あんな大人にはなりたかないね!

 だから私は爵位持ちにはお嫁には行きたくない!
 目指せ!騎士団の花嫁!!
 なので今は魔法の勉強をしている。あと料理!これ必須!
 ここの世界の味はどうもねー。


 胃袋掴む為に調味料を作りたいと頑張っている最中なのだ!
 料理自体はまだ五歳だから調理場にも行かせて貰えない。 
 料理ができるようになるのは社交デビューしてから。こちらの世界ではデビューは八歳からだそう。リリアン姉さんも先日御披露目デビューしたばかり。

 私はあと三年ある。それまでは火魔法、水魔法の練習は欠かせない。


 今は庭の隅っこでメイドに、『おままごとで使うから欲しい』と調理道具を貰ってくるように頼んでもらった。それを使いながら思考錯誤している。因みに包丁はもちろんないから、オギレット兄さんにねだって要らなくなった護身用ナイフを貰ったのだ。

 今はマヨネーズと醤油作りを挑戦中!似たような素材があるので頑張っている。まだ連敗中であるが(泣)

 ぜーたいに作ってやるんだから!

 自分の胃袋▪▪▪ではなく未来の旦那様の胃袋を掴む為に日々精進をしているフレアであった。

 



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