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第7話 力の行方
露見 Episode:10
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「あーもう先輩ひどぉい、いじわるー! この屋敷行ったことあるけど、教えてあげないから!」
「本当か?!」
予期せぬ幸運だ。ルーフェイアの言うことをきいて、この子を同行させた甲斐があった。
「むかしね、見学したことある~。
あ、でも、お父さん殿下のほうが詳しいかな? ちょっと待っててー」
嵐のようにミルが飛び出して行って、私たちは取り残された。
「よく分からない子ですね……」
エレニアがもっともな感想を漏らす。
「でもミル、いつもよりはマシだよね?」
「だね」
台詞を聞くかぎり、クラスがいっしょの後輩たちは、よほど振り回されているようだ。
ほどなくして、ミルが戻ってきた。
「お父さん殿下に、話ついたよー。隠し通路とか載ってる秘蔵の地図があるから、出してくれるって」
何かこう、ちょっと出前でも頼んだような気軽さだ。
「あの王太子を、どうやって説得したのさ」
「えへへ、ないしょー」
シーモアの問いを、はぐらかすミル。
まともに考えるだけ無駄な気がしてきて、私は話を戻した。
「さっきも言ったが、デリム教官の所へ行ってくる。おそらく出ることになるだろうから、エレニア、準備しておいてくれ」
「了解です。先輩が戻り次第、出られるようにしておきます」
エレニアの冷静な微笑み。
「シーモアたちは、待機を……」
「えー、先輩冗談でしょ?」
「見くびりすぎですよ、それ」
いっせいに抗議の声が上がった。
「気持ちは分かるが、実戦だ。出すわけに行かない」
「この手のことならあたしら、スラムに居る時さんざやりましたよ?」
「だよね~」
平然と、シーモアとナティエスが言い放つ。
「爆破とか、やったもんなー」
「密売人も、とっちめて追い出したよね」
聞いてはいけないものを、聞いてしまった気がする。
まぁシエラのAクラスに入っている時点で、たいていは生半可な経歴ではないのだが……やはり何か、納得は出来なかった。
とはいえ作戦に割ける人数が限られる状態では、貴重な戦力だろう。
「分かった、その辺も進言してくる。ともかく準備しておいてくれ」
「了解です」
全員が、戦う顔になる。
「久々に暴れられそうじゃないか」
「だね。てかスラムと違って、学院って大人しいんだもん」
頼もしいことを言う後輩たちの声を背に、私は部屋を出た。
「本当か?!」
予期せぬ幸運だ。ルーフェイアの言うことをきいて、この子を同行させた甲斐があった。
「むかしね、見学したことある~。
あ、でも、お父さん殿下のほうが詳しいかな? ちょっと待っててー」
嵐のようにミルが飛び出して行って、私たちは取り残された。
「よく分からない子ですね……」
エレニアがもっともな感想を漏らす。
「でもミル、いつもよりはマシだよね?」
「だね」
台詞を聞くかぎり、クラスがいっしょの後輩たちは、よほど振り回されているようだ。
ほどなくして、ミルが戻ってきた。
「お父さん殿下に、話ついたよー。隠し通路とか載ってる秘蔵の地図があるから、出してくれるって」
何かこう、ちょっと出前でも頼んだような気軽さだ。
「あの王太子を、どうやって説得したのさ」
「えへへ、ないしょー」
シーモアの問いを、はぐらかすミル。
まともに考えるだけ無駄な気がしてきて、私は話を戻した。
「さっきも言ったが、デリム教官の所へ行ってくる。おそらく出ることになるだろうから、エレニア、準備しておいてくれ」
「了解です。先輩が戻り次第、出られるようにしておきます」
エレニアの冷静な微笑み。
「シーモアたちは、待機を……」
「えー、先輩冗談でしょ?」
「見くびりすぎですよ、それ」
いっせいに抗議の声が上がった。
「気持ちは分かるが、実戦だ。出すわけに行かない」
「この手のことならあたしら、スラムに居る時さんざやりましたよ?」
「だよね~」
平然と、シーモアとナティエスが言い放つ。
「爆破とか、やったもんなー」
「密売人も、とっちめて追い出したよね」
聞いてはいけないものを、聞いてしまった気がする。
まぁシエラのAクラスに入っている時点で、たいていは生半可な経歴ではないのだが……やはり何か、納得は出来なかった。
とはいえ作戦に割ける人数が限られる状態では、貴重な戦力だろう。
「分かった、その辺も進言してくる。ともかく準備しておいてくれ」
「了解です」
全員が、戦う顔になる。
「久々に暴れられそうじゃないか」
「だね。てかスラムと違って、学院って大人しいんだもん」
頼もしいことを言う後輩たちの声を背に、私は部屋を出た。
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