グレイス・サガ ~ルーフェイア/戦場で育った少女の、夢と学園と運命の物語~

こっこ

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第8話 言葉ではなく

結末 Episode:02

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 ちなみにこの辺をバラしたのは、ゼロールさんだ。
 今まで地道にウラ取ってた情報を、ここぞと流したんだとか。

 それ以外にもこの人は、あのバカ取材人がいた放送局のカメラマンと一緒に、今回のスラム侵攻の一部始終を動影に収めてる。
 どっか頼りなさそうだったけど、ジャーナリストとしてはけっこう一流だったってことだろう。

「けどお前ら、マジで帰んねぇのか?」

 シーモアたちに尋ねる。

 昨日でおおむね祭りも終わって、俺とルーフェイアたちは町をあとにするところだった。
 今ここにいるメンツは俺にルーフェイア、こいつの両親、あとナティエスにシーモアだ。

「もうここまで来たら一緒だからね。久々にみんなと新年の騒ぎやってから、学院帰るさ」
「あ、なるほどな」

 確かにこいつら3年くらい帰ってなかったらしいから、そゆ気にもなるだろう。
 だいいち年が明けるまで、もういくらもない。

「授業始まるまでに、帰って……くるよね?」

 心配そうにルーフェイアが訊いた。一緒に帰るつもりでここまで追いかけたワケだから、気が気じゃねぇんだろう。

「もう、ルーフェイアったら心配性なんだから。
 大丈夫、ちゃんと帰るってば」

 ナティエスのやつに請け合ってもらって、やっとこいつが安心した顔になった。

「もうウルサイのも来なくなったし、心配ないもん」
「おかげでやっと、寝れるってもんさ」

 この二人が笑う。

 実言うと例の騒ぎの後は、もっと大騒動だった。

 なにしろそれまで知らん顔してた報道のヤツが押しかけてきて、やれ話訊かせろだのなんだの、挙句にシーモアたちを『引き取りたい』なんていうバカまで出る始末だ。

 ――ガルシィさんとダグさんたち、全部水ぶっかけて追い返しちまったけど。

 中でもシーモアのやつが、そのバカな連中に言った台詞は名言だ。

「あんたら今まで知らん顔してたくせに、ちょっと報道見たくらいでなにさ。
 ンなこと言うんだったらこのスラムの連中全員に、メシと金でも世話しなよ!」

 この毒台詞に度肝抜かれた偽善者連中の顔は、あのゼロールさんがしっかりフィルムに収めてる。
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