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第10話 空(うつほ)なる真実
ノネ湖にて Episode:12
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「そうだなぁ、ここら辺でいい場所――あ、そうだ。風の丘があるな」
「風の丘?」
聞きなれない名前だ。
「あぁ、地元でそう呼ばれてるだけの、ちょっとした丘だよ。
ただ湖やなんかが一望できるから、なかなかの景色でね。
行ってみるかい?」
「はい」
寄ればルーフェイアの気が、少しは晴れるかもしれない。そう思ってうなずく。
運転手の人が、ハンドルを切った。
「すぐ着くよ。そうだ、寄り道するって連絡しておこう」
さきほどルーフェイアにあんな視線を向けてしまったのが、気まずいのだろう。ずいぶん饒舌だ。
それからほどなく上り坂に変わり、やがて車は止まった。
辺りは丘というよりは、山の中腹という感じだ。
湖の南に広がる山脈の谷間へ、ここからの道が伸びている。
おそらく山向こうの海まで、使われているルートなのだろう。
降りてみる。
「すごいな……」
思わずそんな言葉が口を突いた。
意外に高さがある丘からの眺望は、ホテルの窓から見た景色など、足元にも及ばない。
「うしろの山脈を越えてくると、最初に湖が見えるのが、ここなんだ。急に開けて風がよく通るから、いつの間にか『風の丘』って言われるようになったらしい。
まぁ今じゃ不便だから、誰も使わないけどね」
見ればルーフェイアも、景色に見入っていた。
「こんなところ、あるんですね」
「ああ」
言葉では言い表せない透き通った青が、海と思うほど遠くまで広がり、ところどころに緑の島が点在している。
この絶妙な青は、けして絵の具では出せないだろう。
そういう、神秘的な色だった。
「あの島まで、うちの村の桟橋から船が出てるんだ。日帰りで遊べるよ。あと、湖を半周する遊覧船も出てる」
指さしながら、運転手が説明してくれる。
「島に行くにはちょっと遅いけど、遊覧船なら夕日が見られて、いいんじゃないかな」
「そうなんですか?」
そんなに遅くまで運行しているとは、知らなかった。
「夏の間の、うちの村の目玉だよ。なんなら帰って、最終便に乗るかい?」
「はい」
夕日の湖上というのは、なかなか出られるものではない。
「じゃぁ、早く帰ろう。遅くなって見られないんじゃ、つまんないからね」
運転手に言われて私たちも歩き出して――視線の先に不思議なものを見つけて、つい足が止まった。
「風の丘?」
聞きなれない名前だ。
「あぁ、地元でそう呼ばれてるだけの、ちょっとした丘だよ。
ただ湖やなんかが一望できるから、なかなかの景色でね。
行ってみるかい?」
「はい」
寄ればルーフェイアの気が、少しは晴れるかもしれない。そう思ってうなずく。
運転手の人が、ハンドルを切った。
「すぐ着くよ。そうだ、寄り道するって連絡しておこう」
さきほどルーフェイアにあんな視線を向けてしまったのが、気まずいのだろう。ずいぶん饒舌だ。
それからほどなく上り坂に変わり、やがて車は止まった。
辺りは丘というよりは、山の中腹という感じだ。
湖の南に広がる山脈の谷間へ、ここからの道が伸びている。
おそらく山向こうの海まで、使われているルートなのだろう。
降りてみる。
「すごいな……」
思わずそんな言葉が口を突いた。
意外に高さがある丘からの眺望は、ホテルの窓から見た景色など、足元にも及ばない。
「うしろの山脈を越えてくると、最初に湖が見えるのが、ここなんだ。急に開けて風がよく通るから、いつの間にか『風の丘』って言われるようになったらしい。
まぁ今じゃ不便だから、誰も使わないけどね」
見ればルーフェイアも、景色に見入っていた。
「こんなところ、あるんですね」
「ああ」
言葉では言い表せない透き通った青が、海と思うほど遠くまで広がり、ところどころに緑の島が点在している。
この絶妙な青は、けして絵の具では出せないだろう。
そういう、神秘的な色だった。
「あの島まで、うちの村の桟橋から船が出てるんだ。日帰りで遊べるよ。あと、湖を半周する遊覧船も出てる」
指さしながら、運転手が説明してくれる。
「島に行くにはちょっと遅いけど、遊覧船なら夕日が見られて、いいんじゃないかな」
「そうなんですか?」
そんなに遅くまで運行しているとは、知らなかった。
「夏の間の、うちの村の目玉だよ。なんなら帰って、最終便に乗るかい?」
「はい」
夕日の湖上というのは、なかなか出られるものではない。
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運転手に言われて私たちも歩き出して――視線の先に不思議なものを見つけて、つい足が止まった。
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