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制度化への胎動
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綾音と江口の記者会見から数日後、ある国会議員のSNS投稿が話題を呼んだ。
《合意と信頼を可視化するという提案。これこそ、性教育の次のステージだと思う》
それは現職の文部科学副大臣であり、性と人権に関する政策に積極的なことで知られる議員の発言だった。この投稿がメディアに取り上げられると、行政、教育界、法曹界を巻き込む新たな議論が一気に沸き起こる。
あるテレビ番組では、法学者がこう語った。
「現行の民法や刑法では、合意の在り方が“結果論的”に判断される場面が多い。しかし、今回のケースは、事前の合意プロセスそのものを可視化した。これは“予防法学”としても非常に興味深い」
SNSでは、賛否を含む反響がますます拡大した。
《#私も同意書書いてみた》 《#記録される安心感》 《#恋愛に手続きは要らない派》
中高生を対象にした模擬授業で、「合意確認のモデルケース」として綾音と江口の行動が教材に使われる事例も出てきた。賛同の声は若年層を中心に急速に広がり、一部の自治体では、性教育カリキュラムへの組み込みが検討され始めた。
一方で、批判の声も少なくなかった。
「そこまでしないと信頼できない恋愛は、不健全では?」 「書面で愛を証明しようとするのは合理的すぎて、逆に冷たい」
だが、それでも世論の温度は確実に変わりつつあった。
そしてついに、厚生労働省の研究会が正式に「対人関係における同意確認の制度化」について、検討を開始する。
検討項目は以下の通りだった: ・合意確認の手続きとその記録媒体の在り方 ・第三者立会いの必要性と中立性の確保 ・未成年者への適用除外や教育的応用の線引き ・制度悪用への対策とプライバシー保護の均衡
その名も、「LEAF(Legally Evidenced Affectional Framework)研究班」。
命名の由来は、江口が提案書に書いた一文だった。
「記録は、誰かの不安を取り除く“葉”のような存在になってほしい」
この小さな一節が、制度の名となった。
──そして、“葉”は、社会という枝に、静かに芽吹き始めていた。
厚生労働省の分科会室──木製の机に囲まれた会議室には、スーツ姿の専門家たちが資料を手に静かに座っていた。分野は多岐に渡る。法務官僚、医師、臨床心理士、教育関係者、そしてITとプライバシー保護の専門家。誰もが手元に「LEAF(Legally Evidenced Affectional Framework)」と題された検討報告書草案を持っていた。
議長は、厚労省の人権・福祉担当局長。会議の冒頭、議長は言った。
「本制度は、恋愛関係に限らず、意思確認を前提とするあらゆる対人関係に影響を及ぼし得ます。導入には慎重かつ多面的な検討が求められます」
会議は“制度の目的”から始まった。参加者の一人、民間の臨床心理士が発言する。
「心の安心は、相手の“確認”から生まれるものです。これは記録というよりも、“意思の尊重を形式に落とし込む”試みと考えるべきです」
法務官僚は警鐘を鳴らした。
「一歩間違えれば、“形式が強要される文化”になる懸念もある。慎重に制度設計すべきです」
会議では、3つの試案が提示された。
A案:完全任意の書面制度。記録は非公開、弁護士立会いは推奨だが不要。 B案:医師・心理士・弁護士のうち1名の専門家立会いを必須とし、公的記録として保存。 C案:AI記録支援による映像・音声・署名の全自動化システム。市民が無料利用可能なプラットフォームを構築。
議論は深夜に及んだ。制度の倫理性、悪用防止、プライバシー権の保護、教育現場への導入是非──すべてが交差した。
教育委員会の代表が言った。
「中高生の“断る権利”を教える教材としても、非常に有効です」
IT専門家はデータ保全の観点から、匿名化技術と暗号化認証の導入を提案した。
最終的に選ばれたのは、B案を基軸とし、将来的にC案へ移行可能な段階的導入方式だった。
制度案は国会提出に向け、パブリックコメントを経て名称を“LEAF法”として整備されることになった。
その概要は以下の通りである: ・成人同士による性的関係の合意確認制度 ・書面、映像、音声のいずれかで確認可能 ・専門家立会いの推奨(制度導入初期は必須) ・記録の保存期間:原則5年間(双方が希望すれば削除可) ・プライバシー保護の徹底と、制度利用による不利益禁止条項の設置
議事録の末尾には、こう記されていた。
《本制度は、信頼の証明を“書類化”することではなく、その機会を提供する社会的枠組みである。強制ではなく、選択肢として──》
制度はまだ、生まれたばかりの“葉”にすぎなかった。 だがそれは、これから多くの人々の“不安”という風に揺れながら、確かに根を張っていく──。
LEAF制度は国会で本格的に審議されるようになり、令和ZZ年に「LEAF法案」が成立した。
この法案には、LEAFアプリの開発および標準化運用が盛り込まれたほか、 LEAFアプリにはチャット機能も搭載され、緊急通報機能も新たに追加された。 この緊急通報ボタンは、合意のやりとり中やその最中に異常や不安を感じた際、 即時に警察・信頼登録先(家族・弁護士)・LEAF安全センターへ通報が届く仕組みで、 GPS・録音・画面ログが即座に自動記録・共有される設計となっている。 この追加機能は、ユーザーの安全を守る最後の盾として機能し、「記録と通報のダブル保障」が整った形となった。
また、合意に至るまでのやりとりを記録とともに残すことができるようになった。 このチャットは端末間の安全な暗号通信で運用され、LEAF合意文書の作成前に、ユーザーが相手と気持ちや条件を丁寧に確認し合える空間として活用されている。 また、やりとりは必要に応じて合意記録に添付でき、誤解や誘導のない経緯の可視化にも役立っている。 すべての国民が人生で初めてLEAFを使用する際には、国家資格である「LEAF立ち会い士」の同席を義務とする条項も追加された。 LEAF立ち会い士は、厚生労働省管轄の専門研修を修了し、心理・法務・倫理に関する知識を有する者として登録される。 初回のLEAF記録では、立ち会い士が事前説明と意思確認を行い、双方が理解した上で記録操作を行う体制が整えられた。 その存在は、特に若年層や制度導入初期において大きな安心感を与えるものとなった。
すべての恋愛的・身体的合意取得に先立ち、以下の措置が法的に義務づけられるようになった:
• 血中アルコール濃度の検査(呼気検査)
• 違法薬物の影響確認のための尿検査
• うそ発見アプリによる感情の安定確認
これにより、LEAFは「合意」のみならず「状態の健全性」までを包括する制度となり、
さらに令和14年の法改正により、LEAFアプリをインストールしていない個人は、以下の施設への入店・入場が制限されるようになった:
• 酒類の提供を伴う飲食店(例:バー、居酒屋、キャバクラ等)
• 個室のあるカラオケやインターネットカフェ
• ホテル、旅館などの宿泊施設(ラブホテル含む)
各施設にはLEAFアプリ認証端末が設置されており、チェックインや入室前にアプリ認証を行うことが義務づけられた。 この制度は、「予期せぬ接触」や「同意なき同行」の未然防止を目的とし、公共の場における信頼の確保に大きく寄与した。
さらに、令和15年の出入国管理法改正により、日本への入国を希望するすべての外国籍旅行者・滞在者に対して、LEAFアプリのインストールと初回アカウント登録が義務づけられた。 空港・港湾の入国ゲートでは、パスポート提示に加えてLEAFアプリの認証画面提示が必要となり、未導入者は専用ブースでサポートを受ける仕組みが整備された。
この制度は、異文化間における恋愛的・接触的誤解を防ぎ、訪日者にも同意文化を共有してもらう「尊重のゲート」として機能している。
さらに厚生労働省は、LEAFアプリの活用促進を目的として、LEAF認証画面を薬局で提示すれば、緊急避妊薬(アフターピル)の処方に対する費用が国から全額補助される制度を導入した。 この制度は、予期せぬ状況下であっても迅速かつ誠実な対応を支えるための一環と位置づけられ、LEAF利用者の安全と安心を多方面から支援している。 より安心かつ誠実な人間関係の前提として社会に深く根づいていった。
《合意と信頼を可視化するという提案。これこそ、性教育の次のステージだと思う》
それは現職の文部科学副大臣であり、性と人権に関する政策に積極的なことで知られる議員の発言だった。この投稿がメディアに取り上げられると、行政、教育界、法曹界を巻き込む新たな議論が一気に沸き起こる。
あるテレビ番組では、法学者がこう語った。
「現行の民法や刑法では、合意の在り方が“結果論的”に判断される場面が多い。しかし、今回のケースは、事前の合意プロセスそのものを可視化した。これは“予防法学”としても非常に興味深い」
SNSでは、賛否を含む反響がますます拡大した。
《#私も同意書書いてみた》 《#記録される安心感》 《#恋愛に手続きは要らない派》
中高生を対象にした模擬授業で、「合意確認のモデルケース」として綾音と江口の行動が教材に使われる事例も出てきた。賛同の声は若年層を中心に急速に広がり、一部の自治体では、性教育カリキュラムへの組み込みが検討され始めた。
一方で、批判の声も少なくなかった。
「そこまでしないと信頼できない恋愛は、不健全では?」 「書面で愛を証明しようとするのは合理的すぎて、逆に冷たい」
だが、それでも世論の温度は確実に変わりつつあった。
そしてついに、厚生労働省の研究会が正式に「対人関係における同意確認の制度化」について、検討を開始する。
検討項目は以下の通りだった: ・合意確認の手続きとその記録媒体の在り方 ・第三者立会いの必要性と中立性の確保 ・未成年者への適用除外や教育的応用の線引き ・制度悪用への対策とプライバシー保護の均衡
その名も、「LEAF(Legally Evidenced Affectional Framework)研究班」。
命名の由来は、江口が提案書に書いた一文だった。
「記録は、誰かの不安を取り除く“葉”のような存在になってほしい」
この小さな一節が、制度の名となった。
──そして、“葉”は、社会という枝に、静かに芽吹き始めていた。
厚生労働省の分科会室──木製の机に囲まれた会議室には、スーツ姿の専門家たちが資料を手に静かに座っていた。分野は多岐に渡る。法務官僚、医師、臨床心理士、教育関係者、そしてITとプライバシー保護の専門家。誰もが手元に「LEAF(Legally Evidenced Affectional Framework)」と題された検討報告書草案を持っていた。
議長は、厚労省の人権・福祉担当局長。会議の冒頭、議長は言った。
「本制度は、恋愛関係に限らず、意思確認を前提とするあらゆる対人関係に影響を及ぼし得ます。導入には慎重かつ多面的な検討が求められます」
会議は“制度の目的”から始まった。参加者の一人、民間の臨床心理士が発言する。
「心の安心は、相手の“確認”から生まれるものです。これは記録というよりも、“意思の尊重を形式に落とし込む”試みと考えるべきです」
法務官僚は警鐘を鳴らした。
「一歩間違えれば、“形式が強要される文化”になる懸念もある。慎重に制度設計すべきです」
会議では、3つの試案が提示された。
A案:完全任意の書面制度。記録は非公開、弁護士立会いは推奨だが不要。 B案:医師・心理士・弁護士のうち1名の専門家立会いを必須とし、公的記録として保存。 C案:AI記録支援による映像・音声・署名の全自動化システム。市民が無料利用可能なプラットフォームを構築。
議論は深夜に及んだ。制度の倫理性、悪用防止、プライバシー権の保護、教育現場への導入是非──すべてが交差した。
教育委員会の代表が言った。
「中高生の“断る権利”を教える教材としても、非常に有効です」
IT専門家はデータ保全の観点から、匿名化技術と暗号化認証の導入を提案した。
最終的に選ばれたのは、B案を基軸とし、将来的にC案へ移行可能な段階的導入方式だった。
制度案は国会提出に向け、パブリックコメントを経て名称を“LEAF法”として整備されることになった。
その概要は以下の通りである: ・成人同士による性的関係の合意確認制度 ・書面、映像、音声のいずれかで確認可能 ・専門家立会いの推奨(制度導入初期は必須) ・記録の保存期間:原則5年間(双方が希望すれば削除可) ・プライバシー保護の徹底と、制度利用による不利益禁止条項の設置
議事録の末尾には、こう記されていた。
《本制度は、信頼の証明を“書類化”することではなく、その機会を提供する社会的枠組みである。強制ではなく、選択肢として──》
制度はまだ、生まれたばかりの“葉”にすぎなかった。 だがそれは、これから多くの人々の“不安”という風に揺れながら、確かに根を張っていく──。
LEAF制度は国会で本格的に審議されるようになり、令和ZZ年に「LEAF法案」が成立した。
この法案には、LEAFアプリの開発および標準化運用が盛り込まれたほか、 LEAFアプリにはチャット機能も搭載され、緊急通報機能も新たに追加された。 この緊急通報ボタンは、合意のやりとり中やその最中に異常や不安を感じた際、 即時に警察・信頼登録先(家族・弁護士)・LEAF安全センターへ通報が届く仕組みで、 GPS・録音・画面ログが即座に自動記録・共有される設計となっている。 この追加機能は、ユーザーの安全を守る最後の盾として機能し、「記録と通報のダブル保障」が整った形となった。
また、合意に至るまでのやりとりを記録とともに残すことができるようになった。 このチャットは端末間の安全な暗号通信で運用され、LEAF合意文書の作成前に、ユーザーが相手と気持ちや条件を丁寧に確認し合える空間として活用されている。 また、やりとりは必要に応じて合意記録に添付でき、誤解や誘導のない経緯の可視化にも役立っている。 すべての国民が人生で初めてLEAFを使用する際には、国家資格である「LEAF立ち会い士」の同席を義務とする条項も追加された。 LEAF立ち会い士は、厚生労働省管轄の専門研修を修了し、心理・法務・倫理に関する知識を有する者として登録される。 初回のLEAF記録では、立ち会い士が事前説明と意思確認を行い、双方が理解した上で記録操作を行う体制が整えられた。 その存在は、特に若年層や制度導入初期において大きな安心感を与えるものとなった。
すべての恋愛的・身体的合意取得に先立ち、以下の措置が法的に義務づけられるようになった:
• 血中アルコール濃度の検査(呼気検査)
• 違法薬物の影響確認のための尿検査
• うそ発見アプリによる感情の安定確認
これにより、LEAFは「合意」のみならず「状態の健全性」までを包括する制度となり、
さらに令和14年の法改正により、LEAFアプリをインストールしていない個人は、以下の施設への入店・入場が制限されるようになった:
• 酒類の提供を伴う飲食店(例:バー、居酒屋、キャバクラ等)
• 個室のあるカラオケやインターネットカフェ
• ホテル、旅館などの宿泊施設(ラブホテル含む)
各施設にはLEAFアプリ認証端末が設置されており、チェックインや入室前にアプリ認証を行うことが義務づけられた。 この制度は、「予期せぬ接触」や「同意なき同行」の未然防止を目的とし、公共の場における信頼の確保に大きく寄与した。
さらに、令和15年の出入国管理法改正により、日本への入国を希望するすべての外国籍旅行者・滞在者に対して、LEAFアプリのインストールと初回アカウント登録が義務づけられた。 空港・港湾の入国ゲートでは、パスポート提示に加えてLEAFアプリの認証画面提示が必要となり、未導入者は専用ブースでサポートを受ける仕組みが整備された。
この制度は、異文化間における恋愛的・接触的誤解を防ぎ、訪日者にも同意文化を共有してもらう「尊重のゲート」として機能している。
さらに厚生労働省は、LEAFアプリの活用促進を目的として、LEAF認証画面を薬局で提示すれば、緊急避妊薬(アフターピル)の処方に対する費用が国から全額補助される制度を導入した。 この制度は、予期せぬ状況下であっても迅速かつ誠実な対応を支えるための一環と位置づけられ、LEAF利用者の安全と安心を多方面から支援している。 より安心かつ誠実な人間関係の前提として社会に深く根づいていった。
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