LEAFー愛は信頼の先にー
令和X年、日本は「恋愛的合意の記録制度=LEAF(Legalized Emotional Agreement Framework)」の導入を迎え、恋愛における同意確認が法と文化に根づく転換点を迎えつつあった。
物語は、東京・銀座のラウンジで働く美しい女性・綾音と、誠実を貫く実業家・江口悠真の静かな決断から始まる。江口は一通の内容証明郵便に、自身の恋心と誠意を託し、ラウンジの同伴後にアフターおよびホテルでの同行を希望する旨を、法的に明記して綾音に届ける。その書面には弁護士・家族の立会い、健康診断の実施、守秘義務の明記など、すべてが「選ぶ自由」を前提とした丁寧な確認の言葉が並んでいた。
綾音はその提案に応じ、ふたりは弁護士と姉の立ち会いのもと、合意書に署名し、記録端末にてすべてを残す。“記録される恋”ではなく、“信頼するから記録する恋”──それは、愛における新たな信義の始まりだった
彼らの行動は瞬く間に世間の注目を集め、LEAF制度の先進事例として報道・拡散される。やがて制度は国会で法案化され、LEAFアプリの開発・標準化、健康診断・感情安定性の確認、立ち会い士制度の導入といった網羅的な構造を持つに至る。
文化もまた変容した。恋愛ドラマや漫画、古典文学にはLEAF準拠版が登場し、若者たちは“確認から始まる恋”を「カッコいい」と受け入れていく。教育現場ではLEAF的倫理教育が義務化され、保健体育から古典の読解まで“同意”を軸とした新しい学びが生まれる。
高齢者や障害を持つ人々にも配慮が広がり、LEAFは形式ではなく“優しさの言語化”として社会に根づいていく。そして世界へ。国連はLEAFを「未来の愛と人権の指針」として賞賛し、制度を築いた江口と綾音はノーベル平和賞を受賞する。
「好き」だけでは守れない。けれど、記録された「誠意」は未来を照らす。
これは、愛と信頼のかたちを問う、静かで熱い社会SFの物語──。
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