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3章 「制限時間」
告白
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「告白する」
『晶さん、どうぞ』
「『声』の仕事、続けたかった」
晶の告白が神殿に響く。
「どうして話してくれなかったの?」
「心配させたくなかった」
「じゃあ……何で結に」
相談したの? 央が問う。
「夢を代わりに……叶えてもらおうとした」
ブーッ! ブーッ! ブーッ!
黄色のサイレンが点灯する。
『晶さんは【嘘】を認めました。ロックが解除されます』
カチッ、と緑の鍵が外れる。
「……取れた」
晶はゆっくりと緑の鍵を引き抜き、天にかざす。
『扉を開くためには、緑の鍵穴に差し込んでください』
晶が鍵を鍵穴に差し込もうとするが、直前で止まる。
「なぁ。一緒に出てくんね?」
「……」
央は戸惑う。
「だめか?」
「文字、読めないんだよ?」
「気にすんな。代わりに読むから」
二人の間に流れる空気が変わる。だが、ラドガストがそれを遮った。
『央さん、あなたの嘘は一人では告白できません』
「わかってる」
央は隠し持っていたスマホを取り出し、妹の中(かなめ)に電話をかけた。
コール音が響く。
『……おねえちゃん? なに、こんな時間に?』
寝ぼけた中の声。
「あの時。晶に何言ったの?」
『……えっ?』
「仕事の事、聞いたんでしょ?」
『心配だったの。幸せになってほしくて』
「それは中が決めることじゃない!」
『何で怒るの……? 央の為にしたんだよ?』
「私たちのせいで……」
央は嗚咽して言葉にならない。
『なに? どうしたの? 大丈夫?』
「とにかく。明日、会いに行くから。話しよ」
『……わかった』
通話が切れる。
央はスマホをしまい、晶に向き合った。
「『どうして俺を選んだ?』って聞いてくれたでしょ」
晶は頷く。
「『声』が好きだったの。数字なんか、関係なかった」
ブーッ! ブーッ! ブーッ!
黄色のサイレンが点灯する。
『央さんは【嘘】を認めました。ロックが解除されます』
カチッ、と黄色の鍵が外れる。
「とれた……」
央は両手で慎重に鍵を抜き取る。
『扉を開くためには、黄の鍵穴に差し込んでください』
黄の鍵を持つ央。緑の鍵を持つ晶。
二人は頷きあった後、共に扉に向かい、ゆっくりと鍵を差し込む。
目を見合わせた後、同時に『ガチャリ』と音を立てて鍵を回した。
天井の緑ランプが点滅し、部屋が振動する。
『晶さんと央さんは謎を解きました。残りの鍵は一本です』
遥が立ちあがり、神殿内を歩き回る。
何かを深く考えては動揺している。
所在なさげな足音が神殿に響き、三人は悲痛な表情で彼女を見つめた。
遥はふと、赤の鍵の前で立ち止まる。
沈黙。彼女はただ、最後の鍵を見つめていた。
『晶さん、どうぞ』
「『声』の仕事、続けたかった」
晶の告白が神殿に響く。
「どうして話してくれなかったの?」
「心配させたくなかった」
「じゃあ……何で結に」
相談したの? 央が問う。
「夢を代わりに……叶えてもらおうとした」
ブーッ! ブーッ! ブーッ!
黄色のサイレンが点灯する。
『晶さんは【嘘】を認めました。ロックが解除されます』
カチッ、と緑の鍵が外れる。
「……取れた」
晶はゆっくりと緑の鍵を引き抜き、天にかざす。
『扉を開くためには、緑の鍵穴に差し込んでください』
晶が鍵を鍵穴に差し込もうとするが、直前で止まる。
「なぁ。一緒に出てくんね?」
「……」
央は戸惑う。
「だめか?」
「文字、読めないんだよ?」
「気にすんな。代わりに読むから」
二人の間に流れる空気が変わる。だが、ラドガストがそれを遮った。
『央さん、あなたの嘘は一人では告白できません』
「わかってる」
央は隠し持っていたスマホを取り出し、妹の中(かなめ)に電話をかけた。
コール音が響く。
『……おねえちゃん? なに、こんな時間に?』
寝ぼけた中の声。
「あの時。晶に何言ったの?」
『……えっ?』
「仕事の事、聞いたんでしょ?」
『心配だったの。幸せになってほしくて』
「それは中が決めることじゃない!」
『何で怒るの……? 央の為にしたんだよ?』
「私たちのせいで……」
央は嗚咽して言葉にならない。
『なに? どうしたの? 大丈夫?』
「とにかく。明日、会いに行くから。話しよ」
『……わかった』
通話が切れる。
央はスマホをしまい、晶に向き合った。
「『どうして俺を選んだ?』って聞いてくれたでしょ」
晶は頷く。
「『声』が好きだったの。数字なんか、関係なかった」
ブーッ! ブーッ! ブーッ!
黄色のサイレンが点灯する。
『央さんは【嘘】を認めました。ロックが解除されます』
カチッ、と黄色の鍵が外れる。
「とれた……」
央は両手で慎重に鍵を抜き取る。
『扉を開くためには、黄の鍵穴に差し込んでください』
黄の鍵を持つ央。緑の鍵を持つ晶。
二人は頷きあった後、共に扉に向かい、ゆっくりと鍵を差し込む。
目を見合わせた後、同時に『ガチャリ』と音を立てて鍵を回した。
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何かを深く考えては動揺している。
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遥はふと、赤の鍵の前で立ち止まる。
沈黙。彼女はただ、最後の鍵を見つめていた。
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