ヴァンパイアからの凶愛にその身を吸い尽くされて

case4. 略奪◇17

　
　3つ目の薔薇の花がアーチの横から顔を出すと彼女の身体に花弁を反るように向け、ジロジロと薔薇の中心が視姦でもしているかのように身体に沿っていく。

　エルミーユのクリトリスを見つけた薔薇のおしべが一斉にニョロニョロとひしめき合うと、その中心にあるめしべの蕾が小さな口を開かせその中に生える歯を輝かせた。

「い、イヤっ」

「この薔薇のめしべは優秀でね、歯先に丸みがあるから咬まれても痛くはないんだよ。」

　アーチがそう言うと、すでにぷくりと剥き出されたエルミーユのクリトリスをさらに剥き出そうとツルが四方からその周りを引っ張るようにして強調させる。

「まあただ、神経が集中する性感帯に咬みつかれたらどうなるかは知らないけどね？」

　その言葉が合図であるかのように、めしべがエルミーユの赤く膨らむクリトリスにカリっと咬みついた。

「んあああああぁぁぁぁぁ！！！！」

　甘いとはほど遠い、叫ぶような矯正と共に涙を溢れさせるエルミーユ。心臓を掴まれたような刺激に必死に呼吸のリズムを整え、痛みと快楽が交差して脳から走り抜けると秘部から一気に愛液が放出された。

「あはは！びっくり！潮吹いちゃったね？そんなに良かった？？」

　めしべがクリトリスの周りを咬み付きながら"ちゅうう"と強く吸引していく。おしべのように吸い付いては離すといったものではなく、めしべはただひたすら離れないよう咬みながら吸引を続けていくだけ。

「いやあッッこれだめッッおかしくなっちゃう」

　エルミーユが脚を閉じようと膝を動かすも、ツルに膝を曲げ固定されてしまう。エルミーユは足の指に力を入れ奥歯をグッと噛み締めた。

「いっちゃう？それとも吸引の力が強すぎていけない？？」

「んん"ッッ」

「ああ、それともナカに挿れて欲しいの？」

「やああアああっ」


　エルミーユはすでに外からの刺激だけでは満足できない身体になっており、細いツルや小さな触手の刺激ではいくことが出来なかった。

　アーチの言葉に食らい付くように蕩けた顔を向けるエルミーユ。潤む瞳からは涙が流れ、唇からは息と唾液が滴り落ちる。

　アーチが今にも跳ね上がりそうな自身の胸を抑えると、ツルに指図するように指を宙で動かした。

　すると薔薇の花がエルミーユの秘部とクリトリスから離れ、今まで絡み付いていたツルがゆっくりとエルミーユを回転させ地面へと下ろした。

　エルミーユは地べたにへたばるように脚をつき、震えを抑えようと腕で自身の身体を抱え込む。

「.....エルミーユ、最後のチャンスをあげよう。」

「.....っ..」

　アーチが振り返り、屋敷の壁際に置かれたベンチに腰を下ろす。彼が突如ズボンのベルトに手を掛けると滾たぎり切ったモノを出した。

「これ、挿れて欲しい？」

「ぁッっ」

　思わず漏れてしまった自分の甘い声にエルミーユの顔が赤く染まる。今まで嫌というほど彼らに乱暴に捩じ込まれてきたモノが今は喉から手が出るほど欲しいと思えてしまう。

　しかしアーチは彼女を"愛している"と自覚してしまったため、ソレを無理に挿れようという気はなかった。

「エルミーユ、僕は追わないし薔薇にももう襲わせない。だから、逃げるなら今だよ？」

「なっ...」

「でも、僕のコレが欲しいなら、自分の脚で歩いて僕に跨がりにおいで？？」

　アーチ型のトンネルの前で腰を下ろすエルミーユに優しく言い放ったアーチ。その笑顔は本気で逃げてもいいと思っているものなのか、それとも何か確証のある自信なのかは分からない。

　試されていると分かっていても、もうエルミーユにはアーチのそそり立つソレから目が離せなくなっていた。

　外へ逃げる絶好の機会を快楽のためだけに捨てることがどれだけ屈辱的なものか。強く気高いはずのエルミーユにはそんなプライドすら既になくなっていた。

　エルミーユが胸を腕で隠しながらゆっくり立ち上がると、地面は未だ乾き切っていない愛液で濡らされていた。薔薇の花がエルミーユの足には触れないよう地面から愛液を吸い取ろうとしきりにおしべとめしべが蠢いている。

「おいで、エルミーユ。」

　外の方を一度も振り返らず自分の方に真っ直ぐと歩んで来るエルミーユにアーチは愛しさを覚えた。しかし"もう二度とこんなチャンスは与えてやらない"と彼女を見つめるその瞳は物語っている。

　火照る身体を隠しながらもベンチにゆっくりと膝をのせるエルミーユ。アーチがワンピースの中に手を入れエルミーユの下着を下げるとエルミーユが自ら下着を膝から抜いた。

「お利口だね。じゃあエルミーユから僕にキスをして？そしたら沢山ナカを可愛がってあげる♡」