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報酬と相談
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指名依頼を受けてから報酬が振り込まれるまでの3日間、適当に依頼を受けて時間を潰した。
そして今日、ついに莫大な金額の報酬が振り込まれたのだ。一度の仕事でこんなに稼いだのは初めてだし、受け取るのにも緊張している。
しかし、この程度の金額はなんてことなさそうに渡してくるあたり、流石は貴族だ。とても恐ろしい。
さて、この報酬で何をするのかというと、もちろん貯金などしない。
せっかくなので、防具やアイテムなどを揃えようかな。元は名声値を違法に買うために金を貯めてたけど、もうその必要もなさそうだし。
今の防具やアイテムは、正直言って初心者用みたいなものが多いんだ。なので、ここで心機一転、いいアイテムを揃えようと思う。
「ってことなんだけどさ、いいアイテム屋さんとかって知らない?」
アイテムを買おうにも、いいアイテム屋は知らないし、ショップ機能のアイテムはちょっとお値段が高めだし、量産型のものが多い。
それに比べて、アイテム屋のアイテムはオーダーメイドができたりと、融通が効きやすいし送料がかからなかったりで安い。
そこで、エレナちゃんに評判の良い防具屋さんを教えてもらいに来ていた。ついでにご飯も食べたかったしね。
「この街、防具屋さんとか武器屋さんとか、7個ずつくらいありますもんね、専門店以外も含めたら十数店舗」
「そうなんだよ、アイテムや防具屋は自分の命を守るものだからしっかりしたのを選びたいけど、いかんせん売っているところが多すぎてね。全部見回る時間もないから困ってるんだよ。」
その辺はあまり詳しくないのか、エレナちゃんも困り顔で思考を巡らせている。困らせてしまったなぁ。
すると、後ろから大柄な女性が近づいてきて口を開いた。
「それなら、ガルフのところの装備がおすすめだよ」
「あ、お母さん! 出てきてたのね」
「こんにちはミレーナさん。いつもご飯美味しくいただいてます」
話に入ってきたのはエレナちゃんのお母さんであり、この店の料理人であるミレーナさんだ。
「はいよ、うちだってあんたのおかげで大繁盛で大助かりさ。それと、いつも美味しく食べてくれてありがとうね」
大繁盛とは、クリーニングでお店を綺麗にしたことを言っているのだろう。あの程度のこといくらでもするのに、いまだに会うたびお礼を言ってくる。義理堅い人だ。
「いえいえ、ところで、ガルフさんっていうのは?」
クリーニングの話はいいとして、気になったガルフさんについて聞いてみる。
「あー、そう言えばその話だったね。ガルフっていうのは、ちょうどその辺にあるアイテム屋をやってるジジイのことさ。」
ミレーナさんは、店の扉側の方を指さしてそういった。いや、透明でもないから方向を刺されてもわからないんだけれども。
そうは思ったものの余計なことは言わず、話を聞いていくと、ガルフさんという人物についてなんとなく分かってきた。
なんでも、魔法アイテムから自身で打った武器や防具まで、色々と取り扱っているらしい。それと、珍しくアイテムの加工をその場で引き受けてくれるらしい。すごい多彩な人だな。
「ありがとうございます、ちょっとこの後、見に行ってみますね」
「あいよ! 今日もおすすめ食ってくのかい?」
「はい、お願いします」
「まかせな! すぐ出してやるからね! 」
ミレーナさんはそう言って、厨房へと消えていった。
「エレナちゃんもありがとうね」
「いえいえ! 私はほとんど役に立ってませんし!」
どうやら、役に立てなかったと思い、少し落ち込んでしまっているようだ。一緒に考えてくれるだけでもありがたいのに、申し訳ないなぁ。
「それよりさ、今日のおすすめってなんなの?」
軽く慰めた後、気まずくならないように話を変えた。単純に今日のおすすめが気になったというのもあるが。
「今日は唐揚げですよ!」
「おー!いいね、めちゃくちゃ早く食べたい」
「うふふ、それじゃあそろそろできてる頃なので、取りに行ってきますね」
「うん、色々とありがとう」
そして今日、ついに莫大な金額の報酬が振り込まれたのだ。一度の仕事でこんなに稼いだのは初めてだし、受け取るのにも緊張している。
しかし、この程度の金額はなんてことなさそうに渡してくるあたり、流石は貴族だ。とても恐ろしい。
さて、この報酬で何をするのかというと、もちろん貯金などしない。
せっかくなので、防具やアイテムなどを揃えようかな。元は名声値を違法に買うために金を貯めてたけど、もうその必要もなさそうだし。
今の防具やアイテムは、正直言って初心者用みたいなものが多いんだ。なので、ここで心機一転、いいアイテムを揃えようと思う。
「ってことなんだけどさ、いいアイテム屋さんとかって知らない?」
アイテムを買おうにも、いいアイテム屋は知らないし、ショップ機能のアイテムはちょっとお値段が高めだし、量産型のものが多い。
それに比べて、アイテム屋のアイテムはオーダーメイドができたりと、融通が効きやすいし送料がかからなかったりで安い。
そこで、エレナちゃんに評判の良い防具屋さんを教えてもらいに来ていた。ついでにご飯も食べたかったしね。
「この街、防具屋さんとか武器屋さんとか、7個ずつくらいありますもんね、専門店以外も含めたら十数店舗」
「そうなんだよ、アイテムや防具屋は自分の命を守るものだからしっかりしたのを選びたいけど、いかんせん売っているところが多すぎてね。全部見回る時間もないから困ってるんだよ。」
その辺はあまり詳しくないのか、エレナちゃんも困り顔で思考を巡らせている。困らせてしまったなぁ。
すると、後ろから大柄な女性が近づいてきて口を開いた。
「それなら、ガルフのところの装備がおすすめだよ」
「あ、お母さん! 出てきてたのね」
「こんにちはミレーナさん。いつもご飯美味しくいただいてます」
話に入ってきたのはエレナちゃんのお母さんであり、この店の料理人であるミレーナさんだ。
「はいよ、うちだってあんたのおかげで大繁盛で大助かりさ。それと、いつも美味しく食べてくれてありがとうね」
大繁盛とは、クリーニングでお店を綺麗にしたことを言っているのだろう。あの程度のこといくらでもするのに、いまだに会うたびお礼を言ってくる。義理堅い人だ。
「いえいえ、ところで、ガルフさんっていうのは?」
クリーニングの話はいいとして、気になったガルフさんについて聞いてみる。
「あー、そう言えばその話だったね。ガルフっていうのは、ちょうどその辺にあるアイテム屋をやってるジジイのことさ。」
ミレーナさんは、店の扉側の方を指さしてそういった。いや、透明でもないから方向を刺されてもわからないんだけれども。
そうは思ったものの余計なことは言わず、話を聞いていくと、ガルフさんという人物についてなんとなく分かってきた。
なんでも、魔法アイテムから自身で打った武器や防具まで、色々と取り扱っているらしい。それと、珍しくアイテムの加工をその場で引き受けてくれるらしい。すごい多彩な人だな。
「ありがとうございます、ちょっとこの後、見に行ってみますね」
「あいよ! 今日もおすすめ食ってくのかい?」
「はい、お願いします」
「まかせな! すぐ出してやるからね! 」
ミレーナさんはそう言って、厨房へと消えていった。
「エレナちゃんもありがとうね」
「いえいえ! 私はほとんど役に立ってませんし!」
どうやら、役に立てなかったと思い、少し落ち込んでしまっているようだ。一緒に考えてくれるだけでもありがたいのに、申し訳ないなぁ。
「それよりさ、今日のおすすめってなんなの?」
軽く慰めた後、気まずくならないように話を変えた。単純に今日のおすすめが気になったというのもあるが。
「今日は唐揚げですよ!」
「おー!いいね、めちゃくちゃ早く食べたい」
「うふふ、それじゃあそろそろできてる頃なので、取りに行ってきますね」
「うん、色々とありがとう」
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