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訪問者と状況の変化
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アンドレイらの訪問は全部で二回あった。
一回目は正午になる前に彼の護衛である大柄の男チャドと、その彼の身体に隠れるようにして共にやって来た小人族のケイシーによって、ルーカス司祭が遺体で発見された現場の調査の進展についてや、他の者達の様子について語ってくれた。
一日目のジークベルト大司教の時よりも、他の音楽家とその護衛達はアグレッシブに調査へと身を乗り出していたそうだ。
特に注目するところとして、ジークベルトの殺害の件で疑いを持たれていたベルヘルムや、シン達が遭遇することのなかった“リヒトル・ワーグナー“も動き出しているようだ。
相変わらず騒ぎ立てているのはブルースのところの連中だそうで、彼らは他のグループと協力するつもりも無いらしく、情報共有を持ちかけたアンドレイの誘いを一蹴したという。
彼らとの対話や協力は諦め、この後は昼食を済ませた後にリヒトルらとの交渉に向かうのだそうだ。事件の調査については、ルーカス司祭の一件は手掛かりらしい手掛かりも見つからず、部屋には彼一人しかおらず外には警備隊が待機しており、窓の外には巡回する警備隊や護衛がいる為、外部からの侵入も考えられない。
一件目以上に何も情報の得られなかったルーカスの事件に関しては、少数の人員のみで調査が行われ、先ずはジークベルトの件から改めて調査を行う方針に変わったのだと語る。
伝えるべき事を伝えたチャドとケイシーは、シン達の元を去り主人の元へと戻っていった。他にはマティアス司祭の代わりにシン達のグループに合流する人物が誰になるかという話だったが、今のところ有力な候補としては教団護衛隊から選抜されるのではないかという動きが確認できたようだ。
妥当なところだろう。調査を行う部隊の者達は教団関係者を、他の者達よりも信頼しているため、彼らの証言は状況を大きく左右する要因にもなる。下手なことは出来ないが、自分達の無実を証明するには寧ろ好都合なのかも知れないとケヴィンは語った。
部屋の前で会話を終えたシンやケヴィンは部屋に戻ると、情報を仲間達と共有し昼食を取ることにした。部屋を出る為の条件を満たしていないシン達は、部屋で食事をすま焦るしかなかった。
だが、一部食堂の料理長らの計らいによりルームサービスが使用可能とのことで、注文した料理を運んできてもらう。料理長自ら料理を運んできてくれたようで、アンドレイらから事情を聞いた彼は、シン達が心配でサービスを付けて様子を見にきたのだと言う。
ジークベルトの時の事もあり、毒を盛ったのではと再び調理場を事細かに調査されたのだと愚痴をこぼしながら、そんな彼にケヴィンはルーカスが生前最後に口にしたものについて尋ねる。
どうやらルーカスも同じくルームサービスを利用して夕食を済ませたのが最後だったようだ。念のため、その時のメニューや食材をメモしてもらい、警備隊に確認してもらってから受け取る。
一行はそれぞれ昼食をとりながら、先程料理長から受け取ったメモに目を通しながら、食材に含まれる成分などを調べる。料理長を疑っているわけではなかったが、それ以外に彼らもやる事がなく、何かをしていなければ気も紛れなかった。
結果は案の定、彼らの想像していた通りで、料理からも食材からも毒素らしきものなどは確認出来なかった。
結局何も進展のないまま無駄に時間を消費するだけだったのだが、その間もシンは密かにケヴィンの様子を注意深く、それこそ監視役という役目を果たすかのように見ていた。
しかしこれまでのようなカメラを起動する様子もなければ、どこかで外と連絡を取るといった様子も見受けられない。それがかえってシンには不自然に感じていた。
マティアス司祭が連れて行かれたことに関して、どこか楽観的というか妥当だと考えているようにも思える。確かにそれほど接点のない関係性だったのかもしれないが、それでも突然連れ去るように身柄を拘束するやり方は、やはり強引と言わざるを得ない。
ケヴィンの動きにも注意しつつ、昼食でとった食事が消化され新たな欲が目を覚まそうとした頃に、アンドレイらが二度目の訪問にやって来た。今度は総出で現れた一行を、一度目と同じくシンとケヴィンで迎える。
会話をする場所は例の如く部屋の前。内容は全て警備隊とも共有され、記録されることになる為、密談や秘密裏の物の譲渡は不可能となる。無論、それは双方ともに把握済みで、寧ろその方が会話の内容を思い出すという意味でも都合が良く、逐一現状を警備隊に確認できるという点でもメリットはあった。
「なるほど・・・。結局大きな進展はなく、手掛かりもなかった・・・と」
「えぇ、状況としては大司教の時よりも厄介ですね」
「他に何か変わった事は?」
シンの質問に対し、アンドレイはそこで新たに状況が変わるかもしれない出来事について二人に語る。それは、大司教の遺体が発見された後で、外から宮殿内に招いた人物がいることについて明かしたのだ。
「そういえば昨日、大司教が遺体で発見された後に重要参考人として宮殿の外から二名の人物を招き入れたそうですよ」
「重要参考人?」
「一人はこの街の現音楽監督であるフェリクスさん。そしてもう一人は式典やパーティーでもその歌声を披露した世界的な女性シンガーのカタリナさんです。既に宮殿内部にいた者達との話の内容を確認するまでは、情報を伏せていたようですね」
この時初めてシンとケヴィンは、アンドレイが口にした二名が事件が発覚した日に宮殿内にいなかった事を知った。両名とも大司教との面識があり、式典の当日やパーティーでも会話をしていたことから、身元の確保を急がれていたようだ。
一回目は正午になる前に彼の護衛である大柄の男チャドと、その彼の身体に隠れるようにして共にやって来た小人族のケイシーによって、ルーカス司祭が遺体で発見された現場の調査の進展についてや、他の者達の様子について語ってくれた。
一日目のジークベルト大司教の時よりも、他の音楽家とその護衛達はアグレッシブに調査へと身を乗り出していたそうだ。
特に注目するところとして、ジークベルトの殺害の件で疑いを持たれていたベルヘルムや、シン達が遭遇することのなかった“リヒトル・ワーグナー“も動き出しているようだ。
相変わらず騒ぎ立てているのはブルースのところの連中だそうで、彼らは他のグループと協力するつもりも無いらしく、情報共有を持ちかけたアンドレイの誘いを一蹴したという。
彼らとの対話や協力は諦め、この後は昼食を済ませた後にリヒトルらとの交渉に向かうのだそうだ。事件の調査については、ルーカス司祭の一件は手掛かりらしい手掛かりも見つからず、部屋には彼一人しかおらず外には警備隊が待機しており、窓の外には巡回する警備隊や護衛がいる為、外部からの侵入も考えられない。
一件目以上に何も情報の得られなかったルーカスの事件に関しては、少数の人員のみで調査が行われ、先ずはジークベルトの件から改めて調査を行う方針に変わったのだと語る。
伝えるべき事を伝えたチャドとケイシーは、シン達の元を去り主人の元へと戻っていった。他にはマティアス司祭の代わりにシン達のグループに合流する人物が誰になるかという話だったが、今のところ有力な候補としては教団護衛隊から選抜されるのではないかという動きが確認できたようだ。
妥当なところだろう。調査を行う部隊の者達は教団関係者を、他の者達よりも信頼しているため、彼らの証言は状況を大きく左右する要因にもなる。下手なことは出来ないが、自分達の無実を証明するには寧ろ好都合なのかも知れないとケヴィンは語った。
部屋の前で会話を終えたシンやケヴィンは部屋に戻ると、情報を仲間達と共有し昼食を取ることにした。部屋を出る為の条件を満たしていないシン達は、部屋で食事をすま焦るしかなかった。
だが、一部食堂の料理長らの計らいによりルームサービスが使用可能とのことで、注文した料理を運んできてもらう。料理長自ら料理を運んできてくれたようで、アンドレイらから事情を聞いた彼は、シン達が心配でサービスを付けて様子を見にきたのだと言う。
ジークベルトの時の事もあり、毒を盛ったのではと再び調理場を事細かに調査されたのだと愚痴をこぼしながら、そんな彼にケヴィンはルーカスが生前最後に口にしたものについて尋ねる。
どうやらルーカスも同じくルームサービスを利用して夕食を済ませたのが最後だったようだ。念のため、その時のメニューや食材をメモしてもらい、警備隊に確認してもらってから受け取る。
一行はそれぞれ昼食をとりながら、先程料理長から受け取ったメモに目を通しながら、食材に含まれる成分などを調べる。料理長を疑っているわけではなかったが、それ以外に彼らもやる事がなく、何かをしていなければ気も紛れなかった。
結果は案の定、彼らの想像していた通りで、料理からも食材からも毒素らしきものなどは確認出来なかった。
結局何も進展のないまま無駄に時間を消費するだけだったのだが、その間もシンは密かにケヴィンの様子を注意深く、それこそ監視役という役目を果たすかのように見ていた。
しかしこれまでのようなカメラを起動する様子もなければ、どこかで外と連絡を取るといった様子も見受けられない。それがかえってシンには不自然に感じていた。
マティアス司祭が連れて行かれたことに関して、どこか楽観的というか妥当だと考えているようにも思える。確かにそれほど接点のない関係性だったのかもしれないが、それでも突然連れ去るように身柄を拘束するやり方は、やはり強引と言わざるを得ない。
ケヴィンの動きにも注意しつつ、昼食でとった食事が消化され新たな欲が目を覚まそうとした頃に、アンドレイらが二度目の訪問にやって来た。今度は総出で現れた一行を、一度目と同じくシンとケヴィンで迎える。
会話をする場所は例の如く部屋の前。内容は全て警備隊とも共有され、記録されることになる為、密談や秘密裏の物の譲渡は不可能となる。無論、それは双方ともに把握済みで、寧ろその方が会話の内容を思い出すという意味でも都合が良く、逐一現状を警備隊に確認できるという点でもメリットはあった。
「なるほど・・・。結局大きな進展はなく、手掛かりもなかった・・・と」
「えぇ、状況としては大司教の時よりも厄介ですね」
「他に何か変わった事は?」
シンの質問に対し、アンドレイはそこで新たに状況が変わるかもしれない出来事について二人に語る。それは、大司教の遺体が発見された後で、外から宮殿内に招いた人物がいることについて明かしたのだ。
「そういえば昨日、大司教が遺体で発見された後に重要参考人として宮殿の外から二名の人物を招き入れたそうですよ」
「重要参考人?」
「一人はこの街の現音楽監督であるフェリクスさん。そしてもう一人は式典やパーティーでもその歌声を披露した世界的な女性シンガーのカタリナさんです。既に宮殿内部にいた者達との話の内容を確認するまでは、情報を伏せていたようですね」
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