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第24話 ふたりで湯浴み *
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浴室に着いた。
リシャールは脱衣所で、着ているものをすべて脱ぎ去った。
これから湯浴みをするのだから当然の行動だけれども、僕はどぎまぎしてしまった。リシャールは前を隠さなかった。太い性器がぶるんと揺れている。
湯浴みに誘ったのは僕だ。
リシャールとの仲を深めたいと思って申し出たのだから、今さら何を戸惑っている。
己を鼓舞して、僕は服を脱いだ。
僕の体はリシャールと比べると貧相である。
「あまり……見ないでくれ」
浴室に入った僕は、前かがみになった。細い肩や腕、それにリシャールよりも小ぶりな性器を見られたくない。リシャールは後ろを向いて、僕に「これでいいか?」と優しく声をかけてくれた。
「うん……。ありがとう。まずは、僕がきみの体を洗う」
「ああ。頼んだぞ」
僕はリシャールの体にお湯を浴びせると、石鹸を泡立てた。ナツメヤシの種子から油脂をとって作られた石鹸は、素朴な香りがした。僕はこんもりと盛り上がった泡を手のひらでリシャールの体に撫でつけていった。
首筋から肩にかけて手をすべらせる。
リシャールの体のあちこちには傷跡があった。右の上腕についている傷跡は特に大きくて、彼の激動の人生がうかがえた。
「リシャール。あまり気持ちよくないのか?」
彼がずっと無言だったので、僕はおそるおそる訊ねた。
リシャールは僕の手のひらをぎゅっと握った。
「すごく嬉しいよ……。ウィルレインが俺のために背中を流してくれるだなんて」
「背中だけじゃなくて、前も洗わないといけないね」
僕はリシャールの胸元に手を這わせた。
綺麗に凹凸がついた体に思わずため息がこぼれる。
「きみの体つき……男として羨ましいよ」
「そうか? ウィルレインの方が優美だと思うが。俺の体は、戦車のようなものだ。ボーンドラゴンを狩るために腕も足も太くなった」
「努力の証じゃないか」
僕はリシャールの太ももに石鹸の泡をつけていった。
するとリシャールが体を反転させて、僕を抱き締めた。
「今度は俺の番だ」
「あっ」
リシャールの指が、僕の胸の突起に泡をちょんとつける。そのままくりくりと指先で乳首を押されて、僕は内股になった。とても恥ずかしいのに、もっとしてほしいとねだるように胸の粒が硬くなってしまう。リシャールは僕の乳首を左右につまんだ。
「あぁんっ」
「ウィルレイン……。愛している」
リシャールが僕の腰を抱き寄せる。
泡まみれになった体を合わせて、僕たちはキスを交わした。キスのあいだもリシャールの手が僕の胸をまさぐる。
「どうして……そこばかり……っ!」
「男の胸は感度が低いと聞いていたが、あんたはそうでもなさそうだな」
「やぁん。ちくび……引っ張らないでぇ」
僕はリシャールのいたずらを止めるため、彼の胴体に抱きついた。リシャールは「ごめん」と言って、僕の髪を指先でかき混ぜた。
「このまま続けたら、婚前交渉になってしまうな」
「……うぅっ」
「あんたを大切にしたい俺と、あんたを壊してしまいたい俺がいる……」
リシャールは僕に深く口づけた。
呼吸を奪われ、僕の頭はぼうっとなった。ちゅくちゅくという水音が耳をくすぐる。やがて僕のペニスが上を向きはじめ、リシャールの腹筋をつんとつついた。
「勃起してるな」
「……見ないでくれっ」
「ココで感じてしまったのか?」
「あっ、やっ。むね、……だめっ」
コリコリと乳首を指先で転がされながら、ペニスを扱かれる。僕はリシャールにされるがままになった。僕はこの人を愛している。だから、たとえ何をされたとしても構わない……。
僕が嬌声を上げていると、リシャールの下腹部もまた兆していった。
天を突くように立派なソレを太ももに押し当てられる。リシャールは苦しそうに囁いた。
「厭わしくはないか? こんなモノを見せられて」
「……きみの体の一部だから」
「健気なことを言う」
リシャールは僕に口づけると、ふたりのペニスを大きな手のひらの中に収めた。敏感な箇所が触れ合ったため、僕とリシャールは乱れた吐息をこぼした。にちにちと淫音を立てて、リシャールが僕と彼のペニスを扱いていく。僕は心地よさのあまり思わず腰を揺らしてしまった。
「だめだっ、リシャール……。出てしまうっ」
「俺もイきそうだ」
「くるしい……っ」
僕はパンパンに腫れ上がった性器をリシャールの手のひらにこすりつけた。なんてはしたないことをしているのだろう。自己嫌悪が募ったけれども、快楽に流されてしまう。あんあんと啼き続ける僕の首筋や肩に、リシャールが優しいキスを落とす。僕はリシャールによって溶かされていった。
「あっ! は、……っ」
遂情の瞬間が訪れた。僕はリシャールの手の中に放った。
僕の唇のはしから、たらりと唾液がこぼれた。淫らに濡れた僕の唇をリシャールが吸う。リシャールの舌遣いが性急になる。彼もまた達しつつあるようだ。
「……ぐっ」
眉根を寄せると、リシャールは彼のすべてを解き放った。温かいしぶきが僕の腹にふきかかった。リシャールの精液はとろりと垂れて、僕の下生えを濡らしていった。
「すまない。あんたに……かけちまった」
「構わないよ。きみのだし」
「ウィルレイン。すぐ綺麗にしてやるからな」
リシャールが僕の体に泡の立った石鹸をつけていく。僕もまたリシャールの体に泡をつけた。
僕たちは泡まみれになりながら、ぎゅっと抱き合った。
「もう俺たち、結婚してるようなものだな」
「……そうかもしれない」
「嫌がらないのか? 嫁扱いされたんだぞ」
「僕は……きみを愛している。だから、求められるのは嬉しい」
「ウィルレイン……」
体を洗い流したあと、僕たちは一緒に湯船に浸かった。
「砂漠の風呂は狭いだろう。すまんな」
「いいや、これでいいよ。きみと密着できるし……」
つい本音が出たあと、僕は自分の淫らな発言を恥じた。真っ赤になって訂正する。
「今のは聞かなかったことにしてくれ!」
「ウィルレイン。あんた、日を追うごとに可愛くなってくな」
「きみが僕を変えてしまった」
僕たちはキスを交わした。
はじめは淡かったキスはやがて、お湯がばしゃばしゃと音を立てるほど激しいものへと変わった。
リシャールは脱衣所で、着ているものをすべて脱ぎ去った。
これから湯浴みをするのだから当然の行動だけれども、僕はどぎまぎしてしまった。リシャールは前を隠さなかった。太い性器がぶるんと揺れている。
湯浴みに誘ったのは僕だ。
リシャールとの仲を深めたいと思って申し出たのだから、今さら何を戸惑っている。
己を鼓舞して、僕は服を脱いだ。
僕の体はリシャールと比べると貧相である。
「あまり……見ないでくれ」
浴室に入った僕は、前かがみになった。細い肩や腕、それにリシャールよりも小ぶりな性器を見られたくない。リシャールは後ろを向いて、僕に「これでいいか?」と優しく声をかけてくれた。
「うん……。ありがとう。まずは、僕がきみの体を洗う」
「ああ。頼んだぞ」
僕はリシャールの体にお湯を浴びせると、石鹸を泡立てた。ナツメヤシの種子から油脂をとって作られた石鹸は、素朴な香りがした。僕はこんもりと盛り上がった泡を手のひらでリシャールの体に撫でつけていった。
首筋から肩にかけて手をすべらせる。
リシャールの体のあちこちには傷跡があった。右の上腕についている傷跡は特に大きくて、彼の激動の人生がうかがえた。
「リシャール。あまり気持ちよくないのか?」
彼がずっと無言だったので、僕はおそるおそる訊ねた。
リシャールは僕の手のひらをぎゅっと握った。
「すごく嬉しいよ……。ウィルレインが俺のために背中を流してくれるだなんて」
「背中だけじゃなくて、前も洗わないといけないね」
僕はリシャールの胸元に手を這わせた。
綺麗に凹凸がついた体に思わずため息がこぼれる。
「きみの体つき……男として羨ましいよ」
「そうか? ウィルレインの方が優美だと思うが。俺の体は、戦車のようなものだ。ボーンドラゴンを狩るために腕も足も太くなった」
「努力の証じゃないか」
僕はリシャールの太ももに石鹸の泡をつけていった。
するとリシャールが体を反転させて、僕を抱き締めた。
「今度は俺の番だ」
「あっ」
リシャールの指が、僕の胸の突起に泡をちょんとつける。そのままくりくりと指先で乳首を押されて、僕は内股になった。とても恥ずかしいのに、もっとしてほしいとねだるように胸の粒が硬くなってしまう。リシャールは僕の乳首を左右につまんだ。
「あぁんっ」
「ウィルレイン……。愛している」
リシャールが僕の腰を抱き寄せる。
泡まみれになった体を合わせて、僕たちはキスを交わした。キスのあいだもリシャールの手が僕の胸をまさぐる。
「どうして……そこばかり……っ!」
「男の胸は感度が低いと聞いていたが、あんたはそうでもなさそうだな」
「やぁん。ちくび……引っ張らないでぇ」
僕はリシャールのいたずらを止めるため、彼の胴体に抱きついた。リシャールは「ごめん」と言って、僕の髪を指先でかき混ぜた。
「このまま続けたら、婚前交渉になってしまうな」
「……うぅっ」
「あんたを大切にしたい俺と、あんたを壊してしまいたい俺がいる……」
リシャールは僕に深く口づけた。
呼吸を奪われ、僕の頭はぼうっとなった。ちゅくちゅくという水音が耳をくすぐる。やがて僕のペニスが上を向きはじめ、リシャールの腹筋をつんとつついた。
「勃起してるな」
「……見ないでくれっ」
「ココで感じてしまったのか?」
「あっ、やっ。むね、……だめっ」
コリコリと乳首を指先で転がされながら、ペニスを扱かれる。僕はリシャールにされるがままになった。僕はこの人を愛している。だから、たとえ何をされたとしても構わない……。
僕が嬌声を上げていると、リシャールの下腹部もまた兆していった。
天を突くように立派なソレを太ももに押し当てられる。リシャールは苦しそうに囁いた。
「厭わしくはないか? こんなモノを見せられて」
「……きみの体の一部だから」
「健気なことを言う」
リシャールは僕に口づけると、ふたりのペニスを大きな手のひらの中に収めた。敏感な箇所が触れ合ったため、僕とリシャールは乱れた吐息をこぼした。にちにちと淫音を立てて、リシャールが僕と彼のペニスを扱いていく。僕は心地よさのあまり思わず腰を揺らしてしまった。
「だめだっ、リシャール……。出てしまうっ」
「俺もイきそうだ」
「くるしい……っ」
僕はパンパンに腫れ上がった性器をリシャールの手のひらにこすりつけた。なんてはしたないことをしているのだろう。自己嫌悪が募ったけれども、快楽に流されてしまう。あんあんと啼き続ける僕の首筋や肩に、リシャールが優しいキスを落とす。僕はリシャールによって溶かされていった。
「あっ! は、……っ」
遂情の瞬間が訪れた。僕はリシャールの手の中に放った。
僕の唇のはしから、たらりと唾液がこぼれた。淫らに濡れた僕の唇をリシャールが吸う。リシャールの舌遣いが性急になる。彼もまた達しつつあるようだ。
「……ぐっ」
眉根を寄せると、リシャールは彼のすべてを解き放った。温かいしぶきが僕の腹にふきかかった。リシャールの精液はとろりと垂れて、僕の下生えを濡らしていった。
「すまない。あんたに……かけちまった」
「構わないよ。きみのだし」
「ウィルレイン。すぐ綺麗にしてやるからな」
リシャールが僕の体に泡の立った石鹸をつけていく。僕もまたリシャールの体に泡をつけた。
僕たちは泡まみれになりながら、ぎゅっと抱き合った。
「もう俺たち、結婚してるようなものだな」
「……そうかもしれない」
「嫌がらないのか? 嫁扱いされたんだぞ」
「僕は……きみを愛している。だから、求められるのは嬉しい」
「ウィルレイン……」
体を洗い流したあと、僕たちは一緒に湯船に浸かった。
「砂漠の風呂は狭いだろう。すまんな」
「いいや、これでいいよ。きみと密着できるし……」
つい本音が出たあと、僕は自分の淫らな発言を恥じた。真っ赤になって訂正する。
「今のは聞かなかったことにしてくれ!」
「ウィルレイン。あんた、日を追うごとに可愛くなってくな」
「きみが僕を変えてしまった」
僕たちはキスを交わした。
はじめは淡かったキスはやがて、お湯がばしゃばしゃと音を立てるほど激しいものへと変わった。
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