生きる、そして生かされる

ゆとそま

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天国と地獄

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  僕は今、図書館にいる。図書館に来るなど、何年ぶりだろうか。最後に来たのは確か小学3年生の時か。あれは夏休みの宿題で絵日記を提出しなければならなかったのだが、両親のいない僕にはそんな物書けない。なので、図書館で海や魚や動物の図鑑を見ながら絵を書いた。そして、あたかも水族館や動物園に行ったかのように見せかけたのだ。今考えてみれば、あの時の担任教師は何を考えていたのだろう。僕に両親がいない事は知らないはずがない。そんな生徒に絵日記の宿題を与え、明らかにウソとわかる絵日記を回収し、その後は何もなし。これ、ウソだよね?とも、施設の皆で行ったの?とも何もリアクションが無かったのだ。きっとあの担任教師は、生徒全員に機械的に宿題を与え、機械的に宿題を回収し、機械的に処理したのだ。生徒1人1人の事など考えちゃいない。当時はそんな事は考えなかったが、心のどこかで思っていたのだろう。翌年から絵日記の宿題はやらなくなったし、図書館にもそれ以来行かなくなった。
  ではなぜ僕は今図書館にいるのか。それは僕の中で絞り込んだ3つのキーワードを解くためだ。まず1つ目のキーワードは「お腹の傷跡」。これが何の傷跡なのかを解き明かすのはかなり難しい。もしかしたら医者ならわかるのかもしれないが、今の僕の精神状態で医者に事情を説明し、わかるかどうかわからない謎かけをするコミュニケーションを取るのは苦痛だ。だからこれは後回しにした。続いて2つ目のキーワード「福島さん」。根拠は無いが、この人は絶対に何かを隠している。1番手っ取り早く解決させるなら、福島さんから本当の話を聞く事だ。ただ、何の根拠も無しに問い詰めたところで、また誤魔化されるに決まっている。もし、何か都合の悪いものを福島さんが持っているとしたら、それを隠滅させられる可能性もある。何の根拠も策も無しに福島さんを問い詰めるのはリスクが高いため、これも後回しにした。そして、最後のキーワード「通り魔事件」。これは単純に精神的に辛い。この事を調べていく内に、またいつ発作が起こるかわからない。ただ、この第3のキーワードが1番調べやすいのだ。僕が通り魔事件に対して敏感に反応するようになった原因は、おそらく産まれてから3歳になるまでの間の可能性が高い。なぜなら、3歳以降に通り魔事件に関わった記憶が無いからだ。もちろん、あまりにショッキングな出来事で記憶から抹消されている可能性はあるが、それを証明するのは難しい。なので、まずは調べる対象期間を24年前から21年前の間に絞った。通り魔事件ほどの凶悪犯罪で新聞に載らない、なんて事はまずないだろう。そういう理由で、3年分の新聞を見に図書館に来たのだ。
  しかし、この作業は一筋縄ではいかない。そりゃそうだ。単純に計算して約1000部ある新聞を1つ1つ調べていくのだ。それも隅から隅まで。とてもじゃないが、1日で終わる作業量ではない。まぁ良い。この前の騒動で、僕は仕事を長期間休む事になった。結局、病院の検査の結果もどこも異常なしだったし、そうなれば疑われるのは精神疾患だ。おそらく職場の連中もそれを見越して休むように奨めてきたに違いない。実際、僕自身もそう思っているので、職場の人間にどう思われようがどうでも良い。いずれにしても、せっかくできた時間なので無駄にはしない。
  
  1週間が過ぎた。この1週間、朝から晩まで1日中図書館に通ったが、目ぼしい記事は見つからない。通り魔事件としての記事も僅か2件だ。1件は22年前、僕が2歳の頃に起きた事件。この事件は薬物に依存した加害者が、老若男女問わず、15人を殺傷した事件。もう1件は、21年前。僕が3歳になる少し前の3月に起きた事件だ。この事件の加害者は後に誰でも良かったと語っており、被害者は幼児1名が亡くなっている。このどちらかの事件に何か関わったのか?しかし、どちらも僕が過ごした施設からはほど遠い場所で起きた事件だ。施設の皆で旅行に行ったのなら偶然居合わせた、というのも考えられるが、施設で旅行に行ったことなどない。だから可能性としては限りなく低い。では、テレビのニュースで見て、そこでショックを受けたのか?僅か2、3歳の子供が?ありえない話ではないが・・・。とにかく、残りの新聞はおよそ1ヶ月分。僕が3歳になる前の1ヶ月分だけだ。もしかしたらその期間に別の通り魔事件が載っているかもしれないし、全てを調べてから考えよう。僕は昼食をとりながらそう思った。
  僕はこの1週間で気付いた事がある。これまで毎日のように考えていた、僕はなぜ生きているのか、という疑問を考えなくなっていたのだ。なぜだか理由はわからない。ただただ夢中になって新聞を読み漁っているからか、他に考える事があるからなのか・・・。とにかく、余計な事を考えずにこんなに物事に夢中になるのは初めての経験だ。これが生きがいという物なのか?自分に降りかかっている謎を解き明かすのが生きがいとは、ますます何のために生きているのかよくわからないな、と1人で苦笑いしていると、1つの小さな記事が目に飛び込んできた。そして、その記事は、僕に希望の光を与えると同時に地獄への扉も開くのだった。

  のびのび園。僕が育った施設の名称だ。僕は高校を卒業してからすぐに今の市役所に就職した。当然、施設からも卒園し、一人暮らしを始めたのだったが、卒園する時、福島さんは叫んだ。
「輝彦ー!何かあったらいつでも来いよー!ここはお前の家だ!お前は1人じゃないからなー!」
  施設の門に向かって歩いてる最中だったので、そんなに大きな声を出さなくても聞こえるよ、と思ったが、嬉しかった。やはり、僕は福島さんにだけは心を開いていたようだ。
  それなのに・・・。なんでだ?なんでこんな記事が出てるんだ?僕は施設に行く道中、怒りにも似た混乱状態に陥っていた。
「輝彦ー!久しぶりだなぁ!元気にしてたか?」
  福島さんは温かく出迎えてくれた。見た目は少し痩せたかな?昔はどちらかというとガッチリした体型だったが、今は華奢に見える。
「お久しぶりです、福島さん。園長になったそうで。おめでとうございます。」
「やめろよ、ただ誰よりも長くこの施設に勤めてるだけさ。それよりそんな仰々しい喋り方はなんだ?昔みたいにタメ口で良いよ。」
「まぁ一応社会人なんでね。でも、福島さんがそう言うなら遠慮なく。」
  やはりこの人と話をする時は心が緩む。基本的に他人と関わりたくない僕は、人と話をするだけで緊張するのだ。ただ、福島さんだけは違う。緊張するどころか逆に解きほぐされるのだ。
「外は寒いだろ。冬本番だからな。今温かい飲み物持ってくるから、そこ座ってな。」
  そう言って福島さんは調理室に向かった。僕は普通の家でいうとこの、いわゆるリビングに通されイスに座った。懐かしい。ご飯はここで必ず食べる決まりになっている。僕が施設にいた頃も、ここで福島さんとご飯を食べた。そして、3歳の誕生日だと告げられたあの日も、ここでケーキを食べた。
「コーヒーで良いか?良くないと言われてもコーヒーしかないんだがな。」
  そう言って福島さんは笑った。笑うとシワが目立つ。老いを感じる。
「うん。コーヒーで大丈夫。むしろ、お茶とかより好きだから。」
「はい、お待たせ。」
  福島さんがコーヒーを持ってきてイスに座った。こうやって向かい合って話すのは何年ぶりだろう。僕は高校に行き始めてからはあまり施設でご飯を食べなかった。
「で?今日はどうしたんだ?別に用がなきゃ来ちゃダメって事はないが、この6年間、全く顔を出さなかったんだ。特に何も用事が無いって事ではないんだろ?」
  鋭いな。やっぱり、頭が良いのかな。そう思えば思うほど、僕の推測は確信に変わっていく。もちろん、何もかも推測できた訳ではない。ただ、僕の推測が当たっていれば、この人は何かとてつもない事を隠している。
「まぁね。ちょっと聞きたい事があって。」
「聞きたい事?なんだ?」
「この前の通り魔事件、ニュースで見た?」
  僕が居酒屋のテレビで目にした事件だ。
「この前の・・?あ、ああ、2ヶ月前ぐらいのやつか。もちろん見たよ。悲惨な事件だったな。」
「あーゆー事件でさ、両親を亡くした子供ってみんな施設に行くのかな。俺みたいに。」
  福島さんの表情が少し固まる。
「さぁなぁ。親族がいれば引き取る事もあるし、一概には言えないなぁ。」
  ズズズ、と福島さんはコーヒーを啜る。
「そっか・・・。」
「なんだ?そんな事が聞きたくてここまで来たのか?」
「・・・昔さ、俺がまだ中学生の頃、福島さんに聞いた事覚えてる?」
「んー、さぁ、なんだったかな。」
「俺の両親の話だ。俺がなんで施設に預けられたか、って聞いただろ?」
「あー、ああ。そういえばそんな事もあったな。」
  福島さんは懐かしむような笑顔を見せながらコーヒーを口元に運ぶ。ただ、その笑顔には裏がある。僕が中学生の時、あの質問をした時に感じた違和感そのものだ。全く同じ違和感を感じる。あれは僕の勘違いではなかったのだ。
「その時にさ、俺の両親は俺が産まれて間もなく交通事故で亡くなった、って言ってたよね。俺は奇跡的に助かったけど、両親はダメだった、って。」
「ああ、その通りだ。」
  福島さんはまだコーヒーを口元から離さない。まるで隠し事をうっかり喋らないように守ってるみたいだ。
「あの時にさ、もう1つ質問したんだけど、覚えてない?今日はそれを聞きに来たんだ。」
「もう1つ?さて、なんだったかな?」
  僕はシャツを捲り上げ、お腹の傷跡を見せた。
「このお腹の傷跡の事だよ。あの時、なんで俺にはこの傷跡があるのか聞いたけど、福島さんは答えてくれなかった。両親の事だけ話してタバコを吸いに行ってしまったから。でも、今日はそれに答えてほしいんだ。」
  しばらく沈黙になった。その間、福島さんは相変わらずコーヒーを口元に置いている。
「・・・答えてくれないの?」
  僕がそう言うと、ようやく福島さんはコーヒーをテーブルの上に戻して、話始めた。
「それはな、手術の跡だ。言っただろ?お前は奇跡的に助かった。それは手術をしたからなんだ。その傷跡だ。」
  おそらく、数ヵ月前の僕ならこれで納得しただろう。辻褄も合っているし、何も疑う余地もない。ただ、僕は見てしまったのだ。長髪無精髭の相談者の傷跡と、とある新聞記事を。それを見てしまった以上、納得などできなかった。
「・・・福島さん、本当の事を言ってくれよ・・・。」
「おいおい、何を疑ってるんだ、本当の事だよ。」
  また福島さんはコーヒーを口元に運んだ。
「俺、見たんだよ。仕事でさ、ある人と話す機会があって、その人、通り魔事件に巻き込まれて、腹を刺されたらしいんだ。」
  福島さんの顔が固まった。今までに見たことのない表情をしている。
「おんなじなんだよ!俺の傷跡と!」
  僕はつい声を荒げてしまった。
「今まで手術の跡ならいくつも見てきたよ。でもさ、その刺された人と俺の傷跡とは全然違うんだ!素人の俺が見てもそんなのはわかる!元医者のあんたならとっくにわかってんだろ!!」
  
  カシャーン!

  福島さんがコーヒーカップを落とした。
「・・・輝彦・・・お前・・・今なんて言った・・?」
「だから、あんた元医者なんだろ?」
  茫然自失とはまさにこの事だろう。福島さんは僕の目を見ているようで見ていない。目は合っているのにもっと遠くの何かを見ている。こぼれたコーヒーが服についているのも気にする様子はない。本当に驚いているのだろう。そしてこのリアクションが、福島さんが元医者であると認めている何よりの証拠だろう。
「・・・どこで知った?誰から聞いたんだ?」
  僕は図書館でコピーした新聞の記事と、あるホームページに掲載された記事を印刷したものをテーブルの上に出した。新聞記事にはこう書いてあった。

「○○県警は、総合病院勤務の現役医師、山口 勉(やまぐち つとむ)容疑者を死体遺棄の容疑で逮捕した。山口容疑者は30代の男女2名の死体を遺棄したと見られている。また、同総合病院の医師、福島 航(ふくしま わたる)氏も同事件の関係者として事情聴取を受けている」

「・・・」
「これ、あんたの事だろ?」
「・・・」
「俺も最初は疑ったよ。ただの同姓同名なんじゃないかって。でもさ、今の時代、インターネットで調べれば何でもでてくるんだよ。」
  そう言って僕はホームページの記事を指差した。そこには山口医師の写真がでかでかと載っており、記事の内容は「天才医師!山口勉!」というこの医者を褒め称える記事だった。しかし、記事の内容などどうでも良い。問題はこの写真なのだ。そう。山口医師の後ろに小さく福島さんが写っている。若い頃の写真ではあるが、これは間違いなく福島さんだ。子供が親の若い頃の写真を見ても自分の親だとわかるように、僕にもこの写真に写ってる人物が福島さんである事がわかる。
「死体遺棄ってなんだよ。あんた、人殺してんのか!?それは俺の腹の傷跡となんか関係があるんじゃないのか!?だから言えないんだろ!本当の事を!あんた、一体何者なんだよ!!」
「・・・」
「答えてくれよ!!!」
  僕は気がついたら泣いていた。福島さんが殺人犯だと思っているからなのか、ただ単に感極まってるだけなのか、理由はわからない。ただ、涙が止まらなかった。まるで、あの温かい記憶が頭の中を駆け巡っている時のように。
  カチャカチャ・・・福島さんは立ち上がり、割れたコーヒーカップを片付け始めた。
「・・・福島さん!!」
  僕はありたっけの願いを込めて叫んだ。この人から真相を利かなければ、何もわからない。今、何かを掴みかけてるチャンスなんだ。お願いだから、本当の事を教えてくれ。
「・・・あるか?」
「え?」
  ようやく、福島さんが口を開いた。
「明日は時間あるか?」
「あ、ああ。大丈夫だ。」
「今日はもう遅いから帰れ。明日また施設に来い。ある場所に連れていってやる。そこで・・・何もかも話そう。」
  そう言って福島さんは割れたコーヒーカップを調理室に運んで行った。
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