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49王女クリスティーナの婚約破棄1
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僕はヒルデとリーゼのおかげで、王女ティーナの晩餐会に出席して、彼女の婚約者になる予定の男性に、僕がティーナ王女を手込めにしたと盛大に告白する事になった。
普通に考えると、僕の風評被害が酷くならない?
「アル様、口をあけて。『あーん』」
「ズルいです。殿下、お弁当作ったのはアンナなのに! だから、アンナのも『あーん』」
僕はティーナ王女と従者のアンナの二人に美味しそうなお弁当のおかずを口元にグイグイと無理矢理押し付けられていた。
「キチンと責任をとってくださいね。ティーナを傷ものにしたのですから、よ、よろしくおねふぁいします」
「そうです。アル様はティーナ殿下を傷ものにしたのですから、責任をとってください。ついでに私の責任もとってください。殿下と一緒に傷ものにされましたのですから!」
「ちょっと、いつアンナがアル様に手込めにされたの? そんなの事実無根じゃないの!!」
いや、王女様のだって、事実無根じゃないですか?
「殿下、ズルいです。殿下がアル様と結婚されたら、アンナはどうやって生きて行けばいいのですか? こう見えても王立学園高等部を中退したのですよ、殿下位残念な人にしか仕える事ができる訳がないでしょう! ここはアル様の愛人になるのが自然な流れじゃないですか?」
「何ヨ、いつもわたくしの事馬鹿にしていたのに、わたくしより残念じゃないの! それに自分までアル様の愛人にだなんて図々しすぎますわ!!」
「そんな事を言うと、アル様に学園で魔法陣を書くことにハマっていて、学園中に魔法陣を描いて校長先生に怒られたし、周りをドン引きさせていた事を暴露しますわよ」
「もう、暴露しているじゃないの! なんて事言うの! あれは闇に葬る闇歴史なのに!」
二人は狭い馬車の中で、ドタバタと喧嘩を始めた。この娘達、いつもこうだな。
晩餐会にはヒルデとリーゼが同伴した。僕には社交界の知識がないので、心強い。
「それにしても、どう言えばいいのかな? 流石に社交界で『殿下を手込めにしました』と突然言うのもなんだし」
「いや、いいのじゃないの? 下僕は馬鹿なの? これはそこのアホな王女が婚約してもらえないようにするのが目的なのよ。王女が既に傷ものになっている事がわかれば、興味を失くす筈だわ。男の人って、そういう事気にするでしょう?」
「そうよ、アル、婚約者の前で、『ティーナさんを先日手込めにしました。それも激しいハードプレイと変態プレイを堪能しました』って言えばいいわ」
「いや、僕の評判が悪くならない? 普通に考えたら、僕の方が酷いヤツだよね?」
僕は思わず抗議した。だって、そうだよね。婚約予定の人の前でそんな事言ったら、本人だけでなく、周りの人も僕の事を酷いヤツだと思う。
「残念ね。下僕は自分の事しか考えられない非道な人間なの? 王女の婚約相手は女性に暴力をふるって愉悦するような男よ。王女が結婚して暴力を受けてもいいの?」
「そうですよ。プロイセン王国の人達には知られていないみたいですけど、かなり評判悪いですよ。ヒルデの婚約予定者としてピックアップされた事もあるのですが、流石に酷くてお父様が却下した位です」
そういうものかな? 確かにこの王女様は可哀そうだけど、自業自得のような気がする。ちゃんと勉強してさえいればいいだけじゃなかったのかな?
「ねぇ、気のせいか、この王女様、ちゃんと勉強していなかったから、自業自得のような気がするのだけど?」
「そ、そんな、アル様、なんて酷い事を言われるのですか? ティーナないちゃいまふ」
「そうです。殿下の脳の実力を知らなさすぎます。殿下は伝説の全科目0点をとった二人めの方なのですよ。学園1000年の歴史でたった二人だけしかいなんのですよ!!」
「ええっ? そうなの?」
僕は少し萎えた。こんなに可愛いのに残念過ぎる。というか、僕に普通に責任を取らせるというのも酷くない? 僕、何もしていないし、この残念な子を一生面倒みなきゃいけないの?
「アンナ、なんて事を言うんですか! それではわたくしが凄く馬鹿だと思われてしまうではないではないですか! 罰として、学園で歴史上最初に全科目0点取ったのはアンナな事を暴露しますわ!!」
「殿下!? 酷すぎます! というか、何故それを知っているのですか? あんな事バラされたら、アンナ立ち直れません。あの時のトラウマで不登校になって、学園を中退したんですから!」
いや、それだと普通に卒業できないんじゃない? 二人は再び喧嘩を始めた。
「殿下なんて、『大好きなアニメの聖地巡礼をして一生犬と過ごすわ~!』って自虐的に学園中で言いふらして、学園中の人にドン引きされていた癖に!?」
「だから、どうして、アンナは主人の黒歴史をバラすの? ホントはわたくしの事嫌いなんでしょう?」
晩餐会が開かれるアマルフィ城…クリスティーナ王女の婚約予定者に会う為に向かう。心底嫌な気分で。
普通に考えると、僕の風評被害が酷くならない?
「アル様、口をあけて。『あーん』」
「ズルいです。殿下、お弁当作ったのはアンナなのに! だから、アンナのも『あーん』」
僕はティーナ王女と従者のアンナの二人に美味しそうなお弁当のおかずを口元にグイグイと無理矢理押し付けられていた。
「キチンと責任をとってくださいね。ティーナを傷ものにしたのですから、よ、よろしくおねふぁいします」
「そうです。アル様はティーナ殿下を傷ものにしたのですから、責任をとってください。ついでに私の責任もとってください。殿下と一緒に傷ものにされましたのですから!」
「ちょっと、いつアンナがアル様に手込めにされたの? そんなの事実無根じゃないの!!」
いや、王女様のだって、事実無根じゃないですか?
「殿下、ズルいです。殿下がアル様と結婚されたら、アンナはどうやって生きて行けばいいのですか? こう見えても王立学園高等部を中退したのですよ、殿下位残念な人にしか仕える事ができる訳がないでしょう! ここはアル様の愛人になるのが自然な流れじゃないですか?」
「何ヨ、いつもわたくしの事馬鹿にしていたのに、わたくしより残念じゃないの! それに自分までアル様の愛人にだなんて図々しすぎますわ!!」
「そんな事を言うと、アル様に学園で魔法陣を書くことにハマっていて、学園中に魔法陣を描いて校長先生に怒られたし、周りをドン引きさせていた事を暴露しますわよ」
「もう、暴露しているじゃないの! なんて事言うの! あれは闇に葬る闇歴史なのに!」
二人は狭い馬車の中で、ドタバタと喧嘩を始めた。この娘達、いつもこうだな。
晩餐会にはヒルデとリーゼが同伴した。僕には社交界の知識がないので、心強い。
「それにしても、どう言えばいいのかな? 流石に社交界で『殿下を手込めにしました』と突然言うのもなんだし」
「いや、いいのじゃないの? 下僕は馬鹿なの? これはそこのアホな王女が婚約してもらえないようにするのが目的なのよ。王女が既に傷ものになっている事がわかれば、興味を失くす筈だわ。男の人って、そういう事気にするでしょう?」
「そうよ、アル、婚約者の前で、『ティーナさんを先日手込めにしました。それも激しいハードプレイと変態プレイを堪能しました』って言えばいいわ」
「いや、僕の評判が悪くならない? 普通に考えたら、僕の方が酷いヤツだよね?」
僕は思わず抗議した。だって、そうだよね。婚約予定の人の前でそんな事言ったら、本人だけでなく、周りの人も僕の事を酷いヤツだと思う。
「残念ね。下僕は自分の事しか考えられない非道な人間なの? 王女の婚約相手は女性に暴力をふるって愉悦するような男よ。王女が結婚して暴力を受けてもいいの?」
「そうですよ。プロイセン王国の人達には知られていないみたいですけど、かなり評判悪いですよ。ヒルデの婚約予定者としてピックアップされた事もあるのですが、流石に酷くてお父様が却下した位です」
そういうものかな? 確かにこの王女様は可哀そうだけど、自業自得のような気がする。ちゃんと勉強してさえいればいいだけじゃなかったのかな?
「ねぇ、気のせいか、この王女様、ちゃんと勉強していなかったから、自業自得のような気がするのだけど?」
「そ、そんな、アル様、なんて酷い事を言われるのですか? ティーナないちゃいまふ」
「そうです。殿下の脳の実力を知らなさすぎます。殿下は伝説の全科目0点をとった二人めの方なのですよ。学園1000年の歴史でたった二人だけしかいなんのですよ!!」
「ええっ? そうなの?」
僕は少し萎えた。こんなに可愛いのに残念過ぎる。というか、僕に普通に責任を取らせるというのも酷くない? 僕、何もしていないし、この残念な子を一生面倒みなきゃいけないの?
「アンナ、なんて事を言うんですか! それではわたくしが凄く馬鹿だと思われてしまうではないではないですか! 罰として、学園で歴史上最初に全科目0点取ったのはアンナな事を暴露しますわ!!」
「殿下!? 酷すぎます! というか、何故それを知っているのですか? あんな事バラされたら、アンナ立ち直れません。あの時のトラウマで不登校になって、学園を中退したんですから!」
いや、それだと普通に卒業できないんじゃない? 二人は再び喧嘩を始めた。
「殿下なんて、『大好きなアニメの聖地巡礼をして一生犬と過ごすわ~!』って自虐的に学園中で言いふらして、学園中の人にドン引きされていた癖に!?」
「だから、どうして、アンナは主人の黒歴史をバラすの? ホントはわたくしの事嫌いなんでしょう?」
晩餐会が開かれるアマルフィ城…クリスティーナ王女の婚約予定者に会う為に向かう。心底嫌な気分で。
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