10 / 125
婚約者の優しさがずれてました
5
しおりを挟む
お茶会は、急遽、婚約破棄の作戦会議場となり、友人達が嬉々として案を出し合っていた。
俺が反論しようものなら、上手に遮り、クラリスに言葉が届かない。
親友はそういう奴なんだ……
クラリスに関わることなら、容赦なく潰しにくる。
俺は目の前で繰り広げられる作戦会議を、ただただ忌々しい気持ちで眺めている事しかできなかった……
おい!
昨日婚約、今日破棄って……いくらなんでも展開早すぎだろー! 1日くらいは俺との結婚も考えてくれよーー
俺が心の中で叫んだ声は、もちろん想い人に届くはずもなく……
お茶会は良案が浮かばぬまま、お開きとなり、俺はホッとした。王命と説明したのが功を奏したらしい。
帰りの馬車に揺られながら、とてつもない疲労感に襲われ、大きく大きく息を吐く。
2人の激怒は想定内だが、我が親友ながら厄介な2人である。
昔からよく一緒にいた、同じ年のジェスター・シトリン。
黒髪に深緑の瞳で美しい顔をしていて、栗毛の俺は子供の頃からその黒髪が羨ましかった。
頭脳明晰、冷静沈着。
眼鏡をかけた姿がより一層、知的さを醸し出している。
そして、シトリン侯爵家次期当主。
シトリン家はただの貴族ではない。
代々国王の右腕となり、裏でいろいろ手をまわす、この国1番の策略家の家系。
政治的にも発言力が強く、陰の治安を担っているのは暗黙の了解。王家といえど、シトリン家の意見を無視する事はできない。
昔からシトリン家は、臣下でありながら、身内のような、王家とはちょっと特殊な関係なのだ。
世間では、王家の次に敵にしてはいけない家系と恐れられている。
俺が反論しようものなら、上手に遮り、クラリスに言葉が届かない。
親友はそういう奴なんだ……
クラリスに関わることなら、容赦なく潰しにくる。
俺は目の前で繰り広げられる作戦会議を、ただただ忌々しい気持ちで眺めている事しかできなかった……
おい!
昨日婚約、今日破棄って……いくらなんでも展開早すぎだろー! 1日くらいは俺との結婚も考えてくれよーー
俺が心の中で叫んだ声は、もちろん想い人に届くはずもなく……
お茶会は良案が浮かばぬまま、お開きとなり、俺はホッとした。王命と説明したのが功を奏したらしい。
帰りの馬車に揺られながら、とてつもない疲労感に襲われ、大きく大きく息を吐く。
2人の激怒は想定内だが、我が親友ながら厄介な2人である。
昔からよく一緒にいた、同じ年のジェスター・シトリン。
黒髪に深緑の瞳で美しい顔をしていて、栗毛の俺は子供の頃からその黒髪が羨ましかった。
頭脳明晰、冷静沈着。
眼鏡をかけた姿がより一層、知的さを醸し出している。
そして、シトリン侯爵家次期当主。
シトリン家はただの貴族ではない。
代々国王の右腕となり、裏でいろいろ手をまわす、この国1番の策略家の家系。
政治的にも発言力が強く、陰の治安を担っているのは暗黙の了解。王家といえど、シトリン家の意見を無視する事はできない。
昔からシトリン家は、臣下でありながら、身内のような、王家とはちょっと特殊な関係なのだ。
世間では、王家の次に敵にしてはいけない家系と恐れられている。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
89
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる