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魔法の鍛錬、頑張りました
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やっと王宮にたどり着いたボロボロの俺は、門番に偽物じゃないかと疑われ(ちゃんと仕事してえらいネ)、すったもんだありながらも、やっとザラの執務室の前に立つことができた。
自分の頬を両手でパシッと叩き、背筋を伸ばし、ザラの執務室をノックする。
「ザラ先生、戻りました」
「遅かったですね」
ザラはチラッとだけ見ると、すぐに書類のチェックを始める。
机の上の書類の山は2つ減ってはいたが、また、新たな山が3つできていた。
「ジェスターはもっと早かったですよ。川を脱出時の風魔法、もっと効率よく使いなさい。魔力集中も時間がかかりすぎです。魔力コントロールが悪いから魔法が切れ、落下したのです。落下時にシールドを張ったのは、悪くない選択ですが、もう少し早く張りなさい。飛行魔法の飛行距離をもう少し伸ばすように」
書類を確認しながら、俺の顔を見ずに一気に指摘するザラ。
「……はい」
はぁ……全て、お見通しなんだな。
さすが王宮魔道士長。
ああ、疲れた……
半端なく疲労した俺は、私室に戻り、すぐに眠りについた。
「強くなって、俺がクラリスを守る。ジェスターでもミカエルでもなく、婚約者の俺が守る」
夢の中で何度もクラリスに誓いを立てる俺がいる。クラリスは穏やかに微笑んでいたが、なぜかザラと王宮騎士が1人、クラリスの前に立ち、俺はクラリスに近づけない。
えっと、あの騎士の名は、たしか……
俺はそこで目が覚めると、ゾクッと背中に悪寒を感じた。
時計を見ると、日付を超えたばかりでもう1度ベッドに潜り込む。
嫌な夢だ……
久々の鍛錬で疲れすぎたか……
ザラと王宮騎士が俺の前に立ちはだかる夢なんて。
あの、王宮騎士は……
ゾゾッと寒気がしたが、俺はたかが夢だと思い直し、そのまま眠ってしまう。
次の日、俺は風邪を引いていた。
自分の頬を両手でパシッと叩き、背筋を伸ばし、ザラの執務室をノックする。
「ザラ先生、戻りました」
「遅かったですね」
ザラはチラッとだけ見ると、すぐに書類のチェックを始める。
机の上の書類の山は2つ減ってはいたが、また、新たな山が3つできていた。
「ジェスターはもっと早かったですよ。川を脱出時の風魔法、もっと効率よく使いなさい。魔力集中も時間がかかりすぎです。魔力コントロールが悪いから魔法が切れ、落下したのです。落下時にシールドを張ったのは、悪くない選択ですが、もう少し早く張りなさい。飛行魔法の飛行距離をもう少し伸ばすように」
書類を確認しながら、俺の顔を見ずに一気に指摘するザラ。
「……はい」
はぁ……全て、お見通しなんだな。
さすが王宮魔道士長。
ああ、疲れた……
半端なく疲労した俺は、私室に戻り、すぐに眠りについた。
「強くなって、俺がクラリスを守る。ジェスターでもミカエルでもなく、婚約者の俺が守る」
夢の中で何度もクラリスに誓いを立てる俺がいる。クラリスは穏やかに微笑んでいたが、なぜかザラと王宮騎士が1人、クラリスの前に立ち、俺はクラリスに近づけない。
えっと、あの騎士の名は、たしか……
俺はそこで目が覚めると、ゾクッと背中に悪寒を感じた。
時計を見ると、日付を超えたばかりでもう1度ベッドに潜り込む。
嫌な夢だ……
久々の鍛錬で疲れすぎたか……
ザラと王宮騎士が俺の前に立ちはだかる夢なんて。
あの、王宮騎士は……
ゾゾッと寒気がしたが、俺はたかが夢だと思い直し、そのまま眠ってしまう。
次の日、俺は風邪を引いていた。
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