33 / 125
風邪を引いて寝込んでました
7
しおりを挟む
「アルベルト様、本当に大丈夫ですか?」
「お、おう。大丈夫、だ。それより、ゼ、ゼリー、食べたいのだが……」
照れているのを悟られないよう、あらぬ方向を見ながら、クラリスに伝えた。が、どうしても声に緊張していることが出てしまう。
「まぁ、良かった。食欲はあるのですね」
俺の緊張も何のその、気にせずニコッと微笑むクラリス。
たまには、鈍感も役に立つもんだ。
クラリスはりんごのゼリーにスプーンをスッと入れ、一口分をすくう。
「はい、どうぞ。アルベルト様」
俺はぎこちなくも口をあけ……
こ、これが、男の夢「あ~ん」ってやつだな。
婚約者なんだし……いいよな?
「あ~……ん?」
目の端にここにいないはずの人物達が映る。
「アルベルト、大丈夫?」
「見舞い買ってきたぞ」
ゼリーが口に入る、まさに直前、ミカエル、ジェスターの悪魔のような声とともに、メイドに先導された2人が元気よく部屋に入ってきたのだ。
クラリスは無意識にゼリーの乗ったスプーンを手元に戻し「あら……」と呟く。
「な……んで……」
俺は呆然とし、言葉が出ない。出す元気もない。
片手を額に当て、苦悩する。
お前ら…………なんだこのタイミング。
なんで、来たんだよ……
「王子がジェスター様とミカエル様にも会いたそうでしたので、早馬を出しておきました」
「まぁ、ナクサス、さすがね」
「お褒めいただき恐縮です」
ナクサスが澄ました顔で説明しているのが聞こえ、頭の中でぐるぐる回っていた俺の疑問は氷解した。
恨みがましくナクサスを見るが、ナクサスはどこ吹く風で、無表情で控えている。
お前ーーーー給料引くぞ!
「お、おう。大丈夫、だ。それより、ゼ、ゼリー、食べたいのだが……」
照れているのを悟られないよう、あらぬ方向を見ながら、クラリスに伝えた。が、どうしても声に緊張していることが出てしまう。
「まぁ、良かった。食欲はあるのですね」
俺の緊張も何のその、気にせずニコッと微笑むクラリス。
たまには、鈍感も役に立つもんだ。
クラリスはりんごのゼリーにスプーンをスッと入れ、一口分をすくう。
「はい、どうぞ。アルベルト様」
俺はぎこちなくも口をあけ……
こ、これが、男の夢「あ~ん」ってやつだな。
婚約者なんだし……いいよな?
「あ~……ん?」
目の端にここにいないはずの人物達が映る。
「アルベルト、大丈夫?」
「見舞い買ってきたぞ」
ゼリーが口に入る、まさに直前、ミカエル、ジェスターの悪魔のような声とともに、メイドに先導された2人が元気よく部屋に入ってきたのだ。
クラリスは無意識にゼリーの乗ったスプーンを手元に戻し「あら……」と呟く。
「な……んで……」
俺は呆然とし、言葉が出ない。出す元気もない。
片手を額に当て、苦悩する。
お前ら…………なんだこのタイミング。
なんで、来たんだよ……
「王子がジェスター様とミカエル様にも会いたそうでしたので、早馬を出しておきました」
「まぁ、ナクサス、さすがね」
「お褒めいただき恐縮です」
ナクサスが澄ました顔で説明しているのが聞こえ、頭の中でぐるぐる回っていた俺の疑問は氷解した。
恨みがましくナクサスを見るが、ナクサスはどこ吹く風で、無表情で控えている。
お前ーーーー給料引くぞ!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
89
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる