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お出掛けすることになりました
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クラリスは時計を取り出し、時間を確認すると、カフェは予約をしてあるんです。と屈託ない笑顔を見せた。
よほど楽しみなのか、鼻歌交じりに歩き出す……令嬢が鼻歌かぁ……俺はクスリと笑い、楽しそうな様子のクラリスを見て、心がほんのり温かくなる。
ああ、無理してでも来てよかった……
「アルベルト様、あそこです。あそこ!」
カフェが近づくとクラリスが声を弾ませて、俺の手をギュッと握り、引っ張った。
結果、今、クラリスと手を繋いでいる状況になっている俺は、嬉しさと恥ずかしさで心臓の鼓動が早くなる反面、俺の知らないところで、他の男にもこんな事してるのかも……と不安と嫉妬が混じり合い、なんとも言えない気持ちになる。
だからさぁ……こういうところも、みんなをたらしこむ一因なんだよな。他の男にもやってるんじゃないだろうな? まぁ、俺にだけなら……コホン……いいけどな……よし! ここは男らしく、ビシッと……
「あのなぁ、クラリス、お前、誰構わず……」
「アルベルト様。私、ずっと楽しみにしていたんです。今日はありがとうございました」
クラリスは振り返ると俺の顔を覗き込み、無邪気に微笑む。
「あ、ああ……」
結局、俺はクラリスの笑顔にノックアウトされ、ビシッとどころか、言いたい事を99パーセントも言えず、ひたすら照れるだけの時間が流れた。
ああ、ここに毒舌ナクサスがいなくて良かった。どんな事を言われるか……
「アルベルト様、着きました」
「お、おお」
カフェの白い扉の前に立ち、クラリスは店内を軽く覗き込む。白とピンクを基調としたかわいいお店で、今、カフェから出てきたお客も仲の良さそうな恋人同士。まさにデートにピッタリのお店だ。逆に男だけで入るには、勇気がいるカフェだな。
「さぁ、入りましょ」
ケーキの事で頭がいっぱいなのか、クラリスは俺と手を繋いだまま、軽やかな足取りでカフェの扉を開けた。
よほど楽しみなのか、鼻歌交じりに歩き出す……令嬢が鼻歌かぁ……俺はクスリと笑い、楽しそうな様子のクラリスを見て、心がほんのり温かくなる。
ああ、無理してでも来てよかった……
「アルベルト様、あそこです。あそこ!」
カフェが近づくとクラリスが声を弾ませて、俺の手をギュッと握り、引っ張った。
結果、今、クラリスと手を繋いでいる状況になっている俺は、嬉しさと恥ずかしさで心臓の鼓動が早くなる反面、俺の知らないところで、他の男にもこんな事してるのかも……と不安と嫉妬が混じり合い、なんとも言えない気持ちになる。
だからさぁ……こういうところも、みんなをたらしこむ一因なんだよな。他の男にもやってるんじゃないだろうな? まぁ、俺にだけなら……コホン……いいけどな……よし! ここは男らしく、ビシッと……
「あのなぁ、クラリス、お前、誰構わず……」
「アルベルト様。私、ずっと楽しみにしていたんです。今日はありがとうございました」
クラリスは振り返ると俺の顔を覗き込み、無邪気に微笑む。
「あ、ああ……」
結局、俺はクラリスの笑顔にノックアウトされ、ビシッとどころか、言いたい事を99パーセントも言えず、ひたすら照れるだけの時間が流れた。
ああ、ここに毒舌ナクサスがいなくて良かった。どんな事を言われるか……
「アルベルト様、着きました」
「お、おお」
カフェの白い扉の前に立ち、クラリスは店内を軽く覗き込む。白とピンクを基調としたかわいいお店で、今、カフェから出てきたお客も仲の良さそうな恋人同士。まさにデートにピッタリのお店だ。逆に男だけで入るには、勇気がいるカフェだな。
「さぁ、入りましょ」
ケーキの事で頭がいっぱいなのか、クラリスは俺と手を繋いだまま、軽やかな足取りでカフェの扉を開けた。
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