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棘花 ―イゲバナ―
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「昔から、殿方には興味はございませんわ」
真剣な眼差しで言い終わると、ローザ嬢はコクンと紅茶を飲んだ。
なるほど……女性が好きなのか。
この貴族社会ではよくあることだ。男同士、女同士。
子供の頃から父の仕事を補佐し、社交界にも出入りしていた僕は日常的にそんな話を見聞きしてきた。だから、さほど驚くことでもない。
人が人を好きになるという感情は尊い事だと思っている。男性であれ女性であれ。
そして、凛とした彼女の様子から、良い恋をしているのが伝わってくる。
「そうですか。応援しますよ」
僕はローザ嬢にエールを込めて微笑んだ。
「ありがとうございます。応援してくださるというお言葉、嬉しいです。ジェスター様が応援してくださるなら心強いですわ。その方はとても素敵で、私、一目惚れをしてしまいましたの」
ぱぁと顔を明るくしたローザ嬢は声を弾ませ、想いをよせている令嬢の話をし始める。
幸せそうに語る姿に僕は好感を持った。
本当にその令嬢が好きなんだな。ローザ嬢の恋が上手くいけばいい。
「その方はランチェスター家のお茶会で見かけましたのよ。喧騒から離れて猫と遊んでまして……」
好きな人の話ができる事で、喜色満面の彼女の頬にほんのり赤みがさす。
ランチェスター家のお茶会か……先月、行われたやつだ。僕は仕事で行けなかったけれど、あのお茶会の参加者はほとんど顔見知りだし……ローザ嬢と顔合わせの場を作ってあげてもいいかもしれない。まずは友人として紹介できるかも……
僕はふと思い出す。
そういえば、クラリスとミカエルも参加したって言ってたな……あの時、嬉しげにクラリスは猫がかわいかった……とか…………言ってた……けど……
…………猫?
真剣な眼差しで言い終わると、ローザ嬢はコクンと紅茶を飲んだ。
なるほど……女性が好きなのか。
この貴族社会ではよくあることだ。男同士、女同士。
子供の頃から父の仕事を補佐し、社交界にも出入りしていた僕は日常的にそんな話を見聞きしてきた。だから、さほど驚くことでもない。
人が人を好きになるという感情は尊い事だと思っている。男性であれ女性であれ。
そして、凛とした彼女の様子から、良い恋をしているのが伝わってくる。
「そうですか。応援しますよ」
僕はローザ嬢にエールを込めて微笑んだ。
「ありがとうございます。応援してくださるというお言葉、嬉しいです。ジェスター様が応援してくださるなら心強いですわ。その方はとても素敵で、私、一目惚れをしてしまいましたの」
ぱぁと顔を明るくしたローザ嬢は声を弾ませ、想いをよせている令嬢の話をし始める。
幸せそうに語る姿に僕は好感を持った。
本当にその令嬢が好きなんだな。ローザ嬢の恋が上手くいけばいい。
「その方はランチェスター家のお茶会で見かけましたのよ。喧騒から離れて猫と遊んでまして……」
好きな人の話ができる事で、喜色満面の彼女の頬にほんのり赤みがさす。
ランチェスター家のお茶会か……先月、行われたやつだ。僕は仕事で行けなかったけれど、あのお茶会の参加者はほとんど顔見知りだし……ローザ嬢と顔合わせの場を作ってあげてもいいかもしれない。まずは友人として紹介できるかも……
僕はふと思い出す。
そういえば、クラリスとミカエルも参加したって言ってたな……あの時、嬉しげにクラリスは猫がかわいかった……とか…………言ってた……けど……
…………猫?
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