グリム・リーパーは恋をする ~最初で最後の死神の恋~

桜乃

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御祝 ―おいわい― side クラリス

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 私、クラリス・アルフォントは、教室で頭を抱えていた。

 前世で私の兄だったエドワード様とザラ様の登場で入学式は収拾がつかなくなり、なし崩しに閉会してしまう。

 壇上の2人の姿を見た私は、驚きのあまり声も出なかった。

 暇なの? 暇なの? 暇なの?
 お兄ちゃん達、暇なのーーー!? 

 教室内では、素晴らしい、とか。さすが、とか。美しい、とか。かっこいい、とか……ありったけの称賛の声が飛び交い、私の口からは溜息が一つ漏れる。

 入学式でエドワード様とザラ様が『将来国を背負う皆さんを導く為に……云々うんぬんかんぬん』なんて澄ました顔で挨拶していたのを思い出しては、げんなりした。

 もっともらしい事言ってるけど、あれ、ただのシスコンゆえの行動でしょ!

 うぅぅ、お兄ちゃんに文句、言うっ! 絶対、言うっ! なんで黙ってたの。講師になるなんて聞いてないんだからっ!!

 お兄ちゃん達に負けるもんか!と決意を新たに顔を上げると、前方ではジェスター様も自席で頭を抱えていた。

 ……なんでジェスター様まで衝撃を受けているのだろうか…………謎だ。

「クラリス様」

 ローザ様の声で我に返り、むぅと膨れていた顔を慌てて令嬢スマイルに切り替える。

「ローザ様、お帰りですか?」
「ええ、今日は用事がありまして……残念ですわ。せっかくお友達になったんですもの。クラリス様とカフェでお喋りしたかったです」

 ローザ様は悔しげに顔を曇らせた。そして、少し顔を反らせたローザ様の小さな可愛らしい口元からボソリと低い呟き声が聞こえる。

 ジェスター様め……と。

 ……
 ……
 ……
 ……気のせい……かな?

 こんなお人形さんみたいに愛らしいローザ様の口から『ジェスター様めっ』なんて言葉が出てくるはずがない。きっと私の聞き間違いね。

 うん、きっと気のせいだ。
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