グリム・リーパーは恋をする ~最初で最後の死神の恋~

桜乃

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御祝 ―おいわい― side クラリス

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「低レベルの争いは見苦しい」

 ぶっちぎりの首席であるジェスター様でさえも『低レベル』と言い捨てる雪兄の冷ややかな声に、三人は口をつぐむ。

 前世で雪兄この人は、全国模試1位から陥落したことがない。全世界の天才が競い合う大会でも、常にトップだった化け物だ。一般人は張り合ってはイケマセン。

 ピシャリと飛ばした一声で大人しくなった三人を無視し、雪兄は本題を話し始めた。

「今日、呼んだのは、渡したい物があるからです」

 男達お前らは呼んでない、と言いたげな雪兄の目線を三人はとぼけた顔でかわし、そっぽを向く。

 私はこのピリピリした雰囲気を変えようと、雪兄の顔を覗き込み、笑顔で首を傾げた。

「私に渡すものってなんでしょうか?」

 表情を少し和らげた雪兄は、デスクの引出しから小さなペンダントを取り出す。

「入学祝いです」

 予想だにしていなかった贈り物に私は驚き、ペンダントをまじまじと見つめた。

「……かわいい」

 つるんっとまん丸いブルーの石がキラリと光って、とても素敵なペンダント。

「嬉しい……ありがとうございます。ザラ様!」

 雪兄はクスリと笑い、ペンダントの留め具を外す。

「貴女の瞳の色に合わせました。早速つけてあげましょう」
「えええっ!?」

 友人達の驚愕の声が響き渡り、私はびっくりして思わず三人を見た。

 雪兄の圧迫面接にも動じなかったジェスター様まで驚いているとは……!?

 何か異常事態でもあったのかと、きょろきょろ周りを見渡すが、何一つ異変はない。

 どうしたんだろ……と疑問に思っていると、アルベルト様がおずおずと雪兄に物申す。

「ザラ先生、さすがに令嬢にペンダントをつけてあげるのは……」

 私の後ろにまわり、今まさにペンダントをつけようとしていた雪兄にジロリと睨まれ、アルベルト様は撃沈。

「クラリスは構いませんよね?」
「ええ、もちろん」
「もちろんなの!? 義姉さま!」

 ミカエルが立ち上がって、驚きと困惑が混ざり合ったような表情で叫んだ。
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