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お題系ポスノベ
おもちゃの日
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今日も星が夜空にきらきらと輝いている。
夜は僕が自由になれる時間だ。
僕はしがない兵隊で、いつもお屋敷の門の前に立っている門番の一人だ。
昼は自由に動くことはできないけれど、夜は開放されてそっと見つめることができる。
城に住んでいるお嬢様は淡いピンクの花のドレスが良く似合う素敵な方で、いつも笑顔を絶やさずに僕たちのような下々の者たちでも気を配ってくださる方だ。
お嬢様を慕う者は大勢いるし僕もその一人だけれど、僕にとっては尊敬すべき人物というだけで恋慕の気持ちはない。
僕はその隣にいつも控えている執事さんに恋焦がれている。
彼は若いのに執事長で、元執事長だったお父様の仕事を見事に引き継ぎこの家を支えている立派な人だ。
お嬢様も花が咲き誇るように美しい方だけれど、執事さんも男性だというのに綺麗な人だった。
お嬢様の美しいブロンドの緩やかなウェーブの髪とは対照的な黒の艶やかな黒い髪。
蒼い瞳のお嬢様と、ブロンドの瞳の執事さん。
立場が違えば、二人は結ばれていると言っても過言ではないほどに隣にいるのがしっくりくる。
「今日も遅くまで仕事なのかな……」
夜は空き時間もあるから、散歩という名目で執事さんのいる部屋を見上げるのが癖になってしまった。
ふと見上げると、空気の入れ替えのためなのか窓際までやってきた執事さんと目が合ってしまった。
「あ……」
勝手に恥ずかしくなって目を逸らす。
僕の顔なんて知られている訳もないのに、何を一人で恥ずかしがっているのか。
その時の僕はこれから起こることを何も知らなかった。
+++
今日はガーデンパーティーが開かれていた。
お客様のために音楽も披露していたけれど、一人が急に体調不良になってしまったので代わりに僕がトランペットを吹くことになってしまった。
一応楽器を吹けるからということで抜擢されたけれど、知っている曲じゃなかったら大変なことになっていただろう。
「君、今日は助かったよ。まさか音楽を嗜んでいたなんて」
「いえ、たまたまです。趣味で吹くことがあって友人に呼ばれて出向くことがあるんです」
執事さんが困っていた時に協力できて良かった。
今、こうして話す機会までもらえたのだから僕はとても幸運だ。
代わりの人が来るまでの繋ぎだったとはいえ、お役に立てたことが嬉しい。
「そうだ。少し時間はあるか?」
「あ、はい」
僕たちは人気のない裏庭へやってきた。
ここはひっそりとしていて、僕もとても好きな場所だった。
「あ……花が咲いてる」
「ブルーローズ。今日は不可能が可能になる日かもしれないな」
「ふふ。そんな奇跡があるのなら素敵ですね」
花言葉? 僕にとっては執事さんと話していることが奇跡みたいなものだ。
花を眺めていると、会場からまた音楽が聞こえてくる。
「少し踊らないか?」
「え? 急に何を……」
笑った執事さんに手を引っ張られると、急にダンスが始まった。
いつの間にかやってきた黒猫とお嬢様の飼っている可愛い子豚までやってきて、僕たちを祝福するように鳴き始める。
まるで、曲に合わせて歌っているみたいだ。
「君の髪はふわふわしているな。羊の毛もこんな感じだろうか」
「羊かどうかは分かりませんけど……ただのくせ毛ですよ」
「くるくるとしていて可愛いなと思っていたんだ。一度触れてみたいと」
「え!? な、なんで……」
僕が変な声を出すと、クスクスと執事さんに笑われてしまった。
一体どういう意味なのかさっぱり分からない。
ドキドキと胸が高鳴る夢のような時間が終わらないといいなと思ったけれど、幸せな時間は長く続かない。
自由な時間は夜だけなのだから。
「今日はありがとう。また夜に会えるといいな」
「いえ、こちらこそ。ありがとうございました」
ダンスは終わり、僕たちは各々のいる場所へ戻る。
素敵な夜の時間は優しく過ぎていった。
+++
「あら、またお人形ごっこ? 本当に好きね」
「うん! だって可愛いもん!」
明るい日が差す一室で、女の子は二体のお人形を持って母親に向かって笑いかけた。
彼女の手には、ピンクの花の淡いドレスを着た女の子とタキシードを着た男の子の人形が握られている。
「あら、今日も兵隊さんがお家を守ってるのね」
「兵隊さんと、猫さんと、豚さんも一緒なの!」
「そうね。みんな一緒で楽しいわね。あら、お庭は片付けたの? 偉いわね」
人形用の家の前には、巻き毛の兵隊が一人佇んでいる。
家の中には黒猫と豚のフィギュアが飾られていた。
そう。彼らが自由になれる時間は、女の子が寝静まる夜だけだ。
夜は僕が自由になれる時間だ。
僕はしがない兵隊で、いつもお屋敷の門の前に立っている門番の一人だ。
昼は自由に動くことはできないけれど、夜は開放されてそっと見つめることができる。
城に住んでいるお嬢様は淡いピンクの花のドレスが良く似合う素敵な方で、いつも笑顔を絶やさずに僕たちのような下々の者たちでも気を配ってくださる方だ。
お嬢様を慕う者は大勢いるし僕もその一人だけれど、僕にとっては尊敬すべき人物というだけで恋慕の気持ちはない。
僕はその隣にいつも控えている執事さんに恋焦がれている。
彼は若いのに執事長で、元執事長だったお父様の仕事を見事に引き継ぎこの家を支えている立派な人だ。
お嬢様も花が咲き誇るように美しい方だけれど、執事さんも男性だというのに綺麗な人だった。
お嬢様の美しいブロンドの緩やかなウェーブの髪とは対照的な黒の艶やかな黒い髪。
蒼い瞳のお嬢様と、ブロンドの瞳の執事さん。
立場が違えば、二人は結ばれていると言っても過言ではないほどに隣にいるのがしっくりくる。
「今日も遅くまで仕事なのかな……」
夜は空き時間もあるから、散歩という名目で執事さんのいる部屋を見上げるのが癖になってしまった。
ふと見上げると、空気の入れ替えのためなのか窓際までやってきた執事さんと目が合ってしまった。
「あ……」
勝手に恥ずかしくなって目を逸らす。
僕の顔なんて知られている訳もないのに、何を一人で恥ずかしがっているのか。
その時の僕はこれから起こることを何も知らなかった。
+++
今日はガーデンパーティーが開かれていた。
お客様のために音楽も披露していたけれど、一人が急に体調不良になってしまったので代わりに僕がトランペットを吹くことになってしまった。
一応楽器を吹けるからということで抜擢されたけれど、知っている曲じゃなかったら大変なことになっていただろう。
「君、今日は助かったよ。まさか音楽を嗜んでいたなんて」
「いえ、たまたまです。趣味で吹くことがあって友人に呼ばれて出向くことがあるんです」
執事さんが困っていた時に協力できて良かった。
今、こうして話す機会までもらえたのだから僕はとても幸運だ。
代わりの人が来るまでの繋ぎだったとはいえ、お役に立てたことが嬉しい。
「そうだ。少し時間はあるか?」
「あ、はい」
僕たちは人気のない裏庭へやってきた。
ここはひっそりとしていて、僕もとても好きな場所だった。
「あ……花が咲いてる」
「ブルーローズ。今日は不可能が可能になる日かもしれないな」
「ふふ。そんな奇跡があるのなら素敵ですね」
花言葉? 僕にとっては執事さんと話していることが奇跡みたいなものだ。
花を眺めていると、会場からまた音楽が聞こえてくる。
「少し踊らないか?」
「え? 急に何を……」
笑った執事さんに手を引っ張られると、急にダンスが始まった。
いつの間にかやってきた黒猫とお嬢様の飼っている可愛い子豚までやってきて、僕たちを祝福するように鳴き始める。
まるで、曲に合わせて歌っているみたいだ。
「君の髪はふわふわしているな。羊の毛もこんな感じだろうか」
「羊かどうかは分かりませんけど……ただのくせ毛ですよ」
「くるくるとしていて可愛いなと思っていたんだ。一度触れてみたいと」
「え!? な、なんで……」
僕が変な声を出すと、クスクスと執事さんに笑われてしまった。
一体どういう意味なのかさっぱり分からない。
ドキドキと胸が高鳴る夢のような時間が終わらないといいなと思ったけれど、幸せな時間は長く続かない。
自由な時間は夜だけなのだから。
「今日はありがとう。また夜に会えるといいな」
「いえ、こちらこそ。ありがとうございました」
ダンスは終わり、僕たちは各々のいる場所へ戻る。
素敵な夜の時間は優しく過ぎていった。
+++
「あら、またお人形ごっこ? 本当に好きね」
「うん! だって可愛いもん!」
明るい日が差す一室で、女の子は二体のお人形を持って母親に向かって笑いかけた。
彼女の手には、ピンクの花の淡いドレスを着た女の子とタキシードを着た男の子の人形が握られている。
「あら、今日も兵隊さんがお家を守ってるのね」
「兵隊さんと、猫さんと、豚さんも一緒なの!」
「そうね。みんな一緒で楽しいわね。あら、お庭は片付けたの? 偉いわね」
人形用の家の前には、巻き毛の兵隊が一人佇んでいる。
家の中には黒猫と豚のフィギュアが飾られていた。
そう。彼らが自由になれる時間は、女の子が寝静まる夜だけだ。
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