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お題系ポスノベ
恋がはじまる日
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※こちらは続き物の話になります。
一話分だけでもお読みいただけますが、プロポーズの話が続きになります。
+++
「好きです! 付き合ってください!」
「いや、だから……」
「一目見た時から好きでした!」
「えぇ……?」
僕は混乱していた。何故か僕の前には片膝を立ててバラの花束を差し出してくる美形の男がいるのだ。
見たところ高級そうなスーツを着込んだ彼は、道行く人たちも振り返るくらい人の目を惹きつけている。
ちなみに僕の記憶が正しければ、全く知らない人物だ。
一目見たという情報だけで、彼がどこで僕のことを知ったのかも説明されていない。
ただ、街中で突然告白されている状況についていけない。
「どなたか知りませんが……とりあえず移動しませんか?」
「それはOKということですか?」
「それとこれとは話は別です」
僕は辟易しながら、彼を無理やり立たせて人気のないところへ移動した。
+++
適当なカフェへ入って、落ち着くためにコーヒーを頼む。
花が可愛そうなので花束は受け取ることにしたけれど、花瓶は家にあっただろうか?
僕はしがない会社員で、普段は社畜のように働いている中間管理職だ。
確かに僕は恋愛対象に男性も含められるけれども、この展開は困る。
「常識をどこに置いてきたか知りませんが、こういうのは困ります」
「でも、一刻も早く伝えなくてはと思いまして。おかしいな……こういうのが良いと本で読んだのですが」
「どの本を読まれたのかは知りませんが、もっと別のやり方があると思いますよ」
「そう、でしょうか? でも、貴方を誰にも取られたくなくて……」
よく見れば瞳も黒ではなく濃いめの青に見える。どこかの外国の人なのだろうか?
会った覚えが本当にない。というか、これだけ整った顔ならば一度見たら分かりそうなものだけれど……。
僕が彼の顔を見ていると、彼のスマホが震え出したことに気付く。
「ああ……呼び出されてしまいました。でも、大丈夫。またきっと会えますから」
「え、それってどういう……」
僕が唖然としている間に、彼は笑顔で手を振って行ってしまった。
一体何だったのだろう……どっと疲れてしまった。
+++
それから数日後、彼の言っていたことがようやく理解できた。
最近ウチの会社は外国資本の会社と資本提携をしたという話が出ていたのだが、彼は提携先のCEOだったのだ。
いや、だからといって全くもって納得はできないのだけれど。
「だとしても、なんで僕に声をかけてきたんだ?」
「聞きたいですか?」
「へ……? うわぁ!」
気付くと噂の人物が背後に立っていて、ニコニコしながら僕を覗き込んできた。
驚いて数歩離れてから、お疲れ様ですとお辞儀する。
「どうしてここに?」
「うーん……たまたま?」
「いや、ここは従業員用の休憩室の一つで貴方が来るような場所でもないような……もしかして視察ですか?」
「まあ、そんな感じです。この会社で働いている方たちの様子を見るのも仕事ですから」
それについては理解できるが、この人距離感がバグってないか?
女性社員たちがキャーキャー言っているのが目に入らないのだろうか。
僕のような三十代半ばの男に話かけるのではなく、もっと若い女性の元へ行くべきだと思う。
それに、数歩離れたところにいる怖そうな男の人からの視線がものすごく痛い。
「そうだ。この後、空いてますか?」
「は?」
「ちょっとご相談があるのです。後で僕の部屋まで来てください」
「え? いや、待ってくださ……えぇ……?」
相変わらず一方的に話を進めて、ご機嫌な様子で去っていく。
ついていけずにぽかんとしていると、同じ部署の女性社員に囲まれてしまった。
「課長、あのCEOとお知り合いなんですか? すごーい! 今度飲み会のセッティングお願いします」
「いや、僕も正直よく分からなくて……はあ。言っておくけど連絡先だって知らないお偉いさんだからな」
「ええー? でも、課長と話しているとき楽しそうにしてましたよ。課長、楽しみにしてますから!」
とんでもないことに巻き込まれているのは気のせいだろうか?
そして、これが彼との付き合いのはじまりだったなんて。
恋は突然にはじまるとは言うけれど、この時の僕は面倒ごとに巻き込まれたとしか思っていなかった。
<続きます!>
一話分だけでもお読みいただけますが、プロポーズの話が続きになります。
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「好きです! 付き合ってください!」
「いや、だから……」
「一目見た時から好きでした!」
「えぇ……?」
僕は混乱していた。何故か僕の前には片膝を立ててバラの花束を差し出してくる美形の男がいるのだ。
見たところ高級そうなスーツを着込んだ彼は、道行く人たちも振り返るくらい人の目を惹きつけている。
ちなみに僕の記憶が正しければ、全く知らない人物だ。
一目見たという情報だけで、彼がどこで僕のことを知ったのかも説明されていない。
ただ、街中で突然告白されている状況についていけない。
「どなたか知りませんが……とりあえず移動しませんか?」
「それはOKということですか?」
「それとこれとは話は別です」
僕は辟易しながら、彼を無理やり立たせて人気のないところへ移動した。
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適当なカフェへ入って、落ち着くためにコーヒーを頼む。
花が可愛そうなので花束は受け取ることにしたけれど、花瓶は家にあっただろうか?
僕はしがない会社員で、普段は社畜のように働いている中間管理職だ。
確かに僕は恋愛対象に男性も含められるけれども、この展開は困る。
「常識をどこに置いてきたか知りませんが、こういうのは困ります」
「でも、一刻も早く伝えなくてはと思いまして。おかしいな……こういうのが良いと本で読んだのですが」
「どの本を読まれたのかは知りませんが、もっと別のやり方があると思いますよ」
「そう、でしょうか? でも、貴方を誰にも取られたくなくて……」
よく見れば瞳も黒ではなく濃いめの青に見える。どこかの外国の人なのだろうか?
会った覚えが本当にない。というか、これだけ整った顔ならば一度見たら分かりそうなものだけれど……。
僕が彼の顔を見ていると、彼のスマホが震え出したことに気付く。
「ああ……呼び出されてしまいました。でも、大丈夫。またきっと会えますから」
「え、それってどういう……」
僕が唖然としている間に、彼は笑顔で手を振って行ってしまった。
一体何だったのだろう……どっと疲れてしまった。
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それから数日後、彼の言っていたことがようやく理解できた。
最近ウチの会社は外国資本の会社と資本提携をしたという話が出ていたのだが、彼は提携先のCEOだったのだ。
いや、だからといって全くもって納得はできないのだけれど。
「だとしても、なんで僕に声をかけてきたんだ?」
「聞きたいですか?」
「へ……? うわぁ!」
気付くと噂の人物が背後に立っていて、ニコニコしながら僕を覗き込んできた。
驚いて数歩離れてから、お疲れ様ですとお辞儀する。
「どうしてここに?」
「うーん……たまたま?」
「いや、ここは従業員用の休憩室の一つで貴方が来るような場所でもないような……もしかして視察ですか?」
「まあ、そんな感じです。この会社で働いている方たちの様子を見るのも仕事ですから」
それについては理解できるが、この人距離感がバグってないか?
女性社員たちがキャーキャー言っているのが目に入らないのだろうか。
僕のような三十代半ばの男に話かけるのではなく、もっと若い女性の元へ行くべきだと思う。
それに、数歩離れたところにいる怖そうな男の人からの視線がものすごく痛い。
「そうだ。この後、空いてますか?」
「は?」
「ちょっとご相談があるのです。後で僕の部屋まで来てください」
「え? いや、待ってくださ……えぇ……?」
相変わらず一方的に話を進めて、ご機嫌な様子で去っていく。
ついていけずにぽかんとしていると、同じ部署の女性社員に囲まれてしまった。
「課長、あのCEOとお知り合いなんですか? すごーい! 今度飲み会のセッティングお願いします」
「いや、僕も正直よく分からなくて……はあ。言っておくけど連絡先だって知らないお偉いさんだからな」
「ええー? でも、課長と話しているとき楽しそうにしてましたよ。課長、楽しみにしてますから!」
とんでもないことに巻き込まれているのは気のせいだろうか?
そして、これが彼との付き合いのはじまりだったなんて。
恋は突然にはじまるとは言うけれど、この時の僕は面倒ごとに巻き込まれたとしか思っていなかった。
<続きます!>
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