分厚いメガネを外した令嬢は美人?

しゃーりん

文字の大きさ
16 / 44

16.

 
 
翌日の昼過ぎ、カーティス様が来られてメガネ屋に案内してもらった。

今のメガネは領地の街のメガネ屋で買ったもので、それももう何年も前になる。

ミーシャのメガネを見た店員たちは、驚きと感心の声をあげていた。


「いらっしゃいませ。初めてのお客様ですね?えーっと。」


横にいるカーティス様を見ながら店長らしき人が対応を考えている。


「ストローク侯爵家の身内だ。フレームを特注したい。
 それと通常のフレームでいいから予備をいくつか。」

「かしこまりました。こちらにどうぞ。」


なるほど。貴族か平民かで扱いや部屋も変わるのね。

部屋で特注フレームを今のと同じように作ってもらうためにメガネを渡した。
店長と店員が顔を見ている気がしたけど、見えないからわからない。気にしない。

フレームを感心しながら見て、書き写していた店員が驚くことを言った。


「実は半年ほど前に一枚のレンズがこれまでよりも軽くなったものが販売されています。
 ですので、分厚さはほとんど変わりませんが、重さは10枚もあれば大分変わるかと。
 このフレームに入れて試されてみますか?」

「ぜひ!」


言葉が被るくらいの勢いで言ってしまった。

試してみた重さの違いは明らか。耳への負担も軽減している。
嬉しそうな私を見て、カーティス様はもちろんレンズ交換を告げた。

2枚分のレンズが1枚のレンズになったものも販売されるようになっていたけど、厚みは一緒だから今まで通り1枚ずつにした。厚みが半分ならそっちにしたけど。
もしも薬ができて1枚ずつレンズを外せることになれば、2枚分が1つのレンズなのは私には向かないから。

でも、私が以前に興味を持ったレンズの厚みの改良がそのうちされるかもしれない。そう思った。



注文を終えて、店を出てからカーティス様に言った。


「私の目の薬が出来て効果があると、メガネ屋さんに対しての営業妨害ですかね?」

「かもな。でもそれは仕方ないことだ。何事においても進歩や進化はあるんだ。
 喜ぶ人も悲しむ人もいる。時代の変化で生業を変えることは珍しくないしな。」


そうよね。元々メガネをかけている人が少ないのだし。
レンズを使って何か違うものを作ればいいのよ。……思いつかないけど。



カーティス様は他にもいろいろな店や広場、絶対に一人では歩いてはいけない場所などを説明してくれた。
その最中に感じる多くの視線。ほぼ、女性。たまに私のメガネ。
出会う騎士様たちが私にも声をかけてくれるから、視線のトゲが少しマシになる。
カーティス様と二人きりがダメなのかな?それとも騎士様に意識がいくから?

騎士の仕事中、女性から話を聞く場合は相棒のセオドア様が担当するらしい。
10代~20代の女性は特に。 
王宮で騎士をしていた時は貴族令嬢に邪魔されて困ったらしい。
今、街の騎士をしているのは勤務時間がきっちりしているし、休暇が取りやすくてアロイス様に会いに行きやすかったから。
今後はまだ検討中らしい。
 

そっか。街で会えなくなるかもしれないんだ。

 



 
 

あなたにおすすめの小説

公爵令嬢は運命の相手を間違える

あおくん
恋愛
エリーナ公爵令嬢は、幼い頃に決められた婚約者であるアルベルト王子殿下と仲睦まじく過ごしていた。 だが、学園へ通うようになるとアルベルト王子に一人の令嬢が近づくようになる。 アルベルト王子を誑し込もうとする令嬢と、そんな令嬢を許すアルベルト王子にエリーナは自分の心が離れていくのを感じた。 だがエリーナは既に次期王妃の座が確約している状態。 今更婚約を解消することなど出来るはずもなく、そんなエリーナは女に現を抜かすアルベルト王子の代わりに帝王学を学び始める。 そんなエリーナの前に一人の男性が現れた。 そんな感じのお話です。

「退屈な女だ」と婚約破棄されたので去りましたが、翌日から国政が止まったそうです。え、私はもう存じませんけど?

にたまご
恋愛
公爵令嬢クラーラは、ユリウス王太子殿下に婚約を破棄された。 「退屈な女だ」「何の取り柄もない」と。 否定はしない。 けれど殿下が知らないだけで、通商条約も予算案も外交書簡も、この国の政務の大半を六年間匿名で回していたのは──この「退屈な女」だ。 婚約破棄の翌朝、宰相補佐官のレオンが焼き菓子と四十二件の緊急報告を携えて公爵邸を訪れる。 「貴女がいなくなった王宮は、控えめに申し上げて、地獄です」 ──存じません。私はもう、ただの無職ですので。

【完結】私の望み通り婚約を解消しようと言うけど、そもそも半年間も嫌だと言い続けたのは貴方でしょう?〜初恋は終わりました。

るんた
恋愛
「君の望み通り、君との婚約解消を受け入れるよ」  色とりどりの春の花が咲き誇る我が伯爵家の庭園で、沈痛な面持ちで目の前に座る男の言葉を、私は内心冷ややかに受け止める。  ……ほんとに屑だわ。 結果はうまくいかないけど、初恋と学園生活をそれなりに真面目にがんばる主人公のお話です。 彼はイケメンだけど、あれ?何か残念だな……。という感じを目指してます。そう思っていただけたら嬉しいです。 彼女視点(side A)と彼視点(side J)を交互にあげていきます。

あなたに嘘を一つ、つきました

小蝶
恋愛
 ユカリナは夫ディランと政略結婚して5年がたつ。まだまだ戦乱の世にあるこの国の騎士である夫は、今日も戦地で命をかけて戦っているはずだった。彼が戦地に赴いて3年。まだ戦争は終わっていないが、勝利と言う戦況が見えてきたと噂される頃、夫は帰って来た。隣に可愛らしい女性をつれて。そして私には何も告げぬまま、3日後には結婚式を挙げた。第2夫人となったシェリーを寵愛する夫。だから、私は愛するあなたに嘘を一つ、つきました…  最後の方にしか主人公目線がない迷作となりました。読みづらかったらご指摘ください。今さらどうにもなりませんが、努力します(`・ω・́)ゞ

君のためだと言われても、少しも嬉しくありません

みみぢあん
恋愛
子爵家令嬢マリオンの婚約者アルフレッド卿が王族の護衛で隣国へ行くが、任期がながびき帰国できなくなり婚約を解消することになった。 すぐにノエル卿と2度目の婚約が決まったが、結婚を目前にして家庭の事情で2人は……    暗い流れがつづきます。 ざまぁでスカッ… とされたい方には不向きのお話です。ご注意を😓

婚約を破棄したいと言うのなら、私は愛することをやめます

天宮有
恋愛
 婚約者のザオードは「婚約を破棄したい」と言うと、私マリーがどんなことでもすると考えている。  家族も命令に従えとしか言わないから、私は愛することをやめて自由に生きることにした。

親切なミザリー

みるみる
恋愛
第一王子アポロの婚約者ミザリーは、「親切なミザリー」としてまわりから慕われていました。 ところが、子爵家令嬢のアリスと偶然出会ってしまったアポロはアリスを好きになってしまい、ミザリーを蔑ろにするようになりました。アポロだけでなく、アポロのまわりの友人達もアリスを慕うようになりました。 ミザリーはアリスに嫉妬し、様々な嫌がらせをアリスにする様になりました。 こうしてミザリーは、いつしか親切なミザリーから悪女ミザリーへと変貌したのでした。 ‥ですが、ミザリーの突然の死後、何故か再びミザリーの評価は上がり、「親切なミザリー」として人々に慕われるようになり、ミザリーが死後海に投げ落とされたという崖の上には沢山の花が、毎日絶やされる事なく人々により捧げられ続けるのでした。 ※不定期更新です。

君を愛す気はない?どうぞご自由に!あなたがいない場所へ行きます。

みみぢあん
恋愛
貧乏なタムワース男爵家令嬢のマリエルは、初恋の騎士セイン・ガルフェルト侯爵の部下、ギリス・モリダールと結婚し初夜を迎えようとするが… 夫ギリスの暴言に耐えられず、マリエルは神殿へ逃げこんだ。 マリエルは身分違いで告白をできなくても、セインを愛する自分が、他の男性と結婚するのは間違いだと、自立への道をあゆもうとする。 そんなマリエルをセインは心配し… マリエルは愛するセインの優しさに苦悩する。 ※ざまぁ系メインのお話ではありません、ご注意を😓