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翌日の昼過ぎ、カーティス様が来られてメガネ屋に案内してもらった。
今のメガネは領地の街のメガネ屋で買ったもので、それももう何年も前になる。
ミーシャのメガネを見た店員たちは、驚きと感心の声をあげていた。
「いらっしゃいませ。初めてのお客様ですね?えーっと。」
横にいるカーティス様を見ながら店長らしき人が対応を考えている。
「ストローク侯爵家の身内だ。フレームを特注したい。
それと通常のフレームでいいから予備をいくつか。」
「かしこまりました。こちらにどうぞ。」
なるほど。貴族か平民かで扱いや部屋も変わるのね。
部屋で特注フレームを今のと同じように作ってもらうためにメガネを渡した。
店長と店員が顔を見ている気がしたけど、見えないからわからない。気にしない。
フレームを感心しながら見て、書き写していた店員が驚くことを言った。
「実は半年ほど前に一枚のレンズがこれまでよりも軽くなったものが販売されています。
ですので、分厚さはほとんど変わりませんが、重さは10枚もあれば大分変わるかと。
このフレームに入れて試されてみますか?」
「ぜひ!」
言葉が被るくらいの勢いで言ってしまった。
試してみた重さの違いは明らか。耳への負担も軽減している。
嬉しそうな私を見て、カーティス様はもちろんレンズ交換を告げた。
2枚分のレンズが1枚のレンズになったものも販売されるようになっていたけど、厚みは一緒だから今まで通り1枚ずつにした。厚みが半分ならそっちにしたけど。
もしも薬ができて1枚ずつレンズを外せることになれば、2枚分が1つのレンズなのは私には向かないから。
でも、私が以前に興味を持ったレンズの厚みの改良がそのうちされるかもしれない。そう思った。
注文を終えて、店を出てからカーティス様に言った。
「私の目の薬が出来て効果があると、メガネ屋さんに対しての営業妨害ですかね?」
「かもな。でもそれは仕方ないことだ。何事においても進歩や進化はあるんだ。
喜ぶ人も悲しむ人もいる。時代の変化で生業を変えることは珍しくないしな。」
そうよね。元々メガネをかけている人が少ないのだし。
レンズを使って何か違うものを作ればいいのよ。……思いつかないけど。
カーティス様は他にもいろいろな店や広場、絶対に一人では歩いてはいけない場所などを説明してくれた。
その最中に感じる多くの視線。ほぼ、女性。たまに私のメガネ。
出会う騎士様たちが私にも声をかけてくれるから、視線のトゲが少しマシになる。
カーティス様と二人きりがダメなのかな?それとも騎士様に意識がいくから?
騎士の仕事中、女性から話を聞く場合は相棒のセオドア様が担当するらしい。
10代~20代の女性は特に。
王宮で騎士をしていた時は貴族令嬢に邪魔されて困ったらしい。
今、街の騎士をしているのは勤務時間がきっちりしているし、休暇が取りやすくてアロイス様に会いに行きやすかったから。
今後はまだ検討中らしい。
そっか。街で会えなくなるかもしれないんだ。
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