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お茶会のサンルームに案内され、中に入る。

そこにいた高貴な女性は三人。
王妃陛下……の顔はもちろん知っている。
あとのお二人、側妃の方々は遠目に一度見たことはある。 
30歳手前のはずなのに、漂う色気と輝きが半端なかった。10代なんてほんと小娘ね。


「堅苦しい挨拶はいいから、こちらにいらっしゃい。」


見とれてる場合ではなかった。
空いている席に誘導されて、座る前に一応挨拶をした。


「ルクレツィアと申します。本日よりこちらでお世話になります。よろしくお願いいたします。」

「よろしくね。さあ、座って。お話しましょう。」


王妃レジーナ、そして側妃モニカとユリアーヌ。
それぞれ自己紹介をした後、それは急に始まった。


「陛下ってバカよね。」

「それは今更だわ。」

「深く考える前に行動するからよ。」

「今までも何とか問題にはなってないけど。」

「そうね。なぜかいつも奇跡的にトラブルにならないわ。」

「だけど、今回のは、ねぇ?」


三人がルクレツィアを同情したような目で見る。


「えっと。やはりご迷惑ですよね?急に小娘が割り込んで来て申し訳ございません。
 ご不快でしたら、陛下の案はお受けしないで帰ります。」

「ああ、違うのよ。悪いのはあの公爵の愚かさを未だに理解せずに王命を出した陛下よ。」

「そうそう。あの公爵はね、未だに自分たちは引き離された恋人同士だと思い込んでるの。」

「相手の令嬢の恋人は公爵だけじゃなかったのにね。それを信じてないのよ。」

「陛下は強引に結婚させたら目を覚ますかと思っていたみたいだけどね。」

「ルクレツィアは完全なる被害者よ。しかも跡継ぎなんですって?」

「ほんと、王命を出した陛下が悪いわ。ちゃんと責任取ってもらいなさいね。」

「そうよ。三年を無駄にしないで陛下の子を産んで、慰謝料ガッポリもらって帰りなさい。」

「効率的に妊娠したいでしょ?ルクレツィアの月のものの周期を教えてね。
 妊娠しやすい期間にバッチリと陛下に仕込ませる予定を立てるから。」

「はじめは男の子の方がいいかしら?二人目を妊娠する前に三年経つかもしれないしね。」

「そうね。王位継承権がなくても私たちの子の弟妹になるんだもの。伯爵家の跡継ぎがいいわね。」


……どうやら迷惑がられてはいない。というか、陛下との子作りにも協力的なんだけど。


「あの公爵は私との婚約を解消して、男爵令嬢を選んだの。未だに腹が立つわ。」


側妃のモニカがそう言ったので驚いた。


「親に叱られて、修道院に入れられそうになったんだけど、レジーナ様が助けてくれたの。」


公爵ユーグンドがどう考えても悪いのに、魅力が足りないからだとモニカは親から見放されたらしい。
それを知った王妃レジーナが、モニカを側妃にしてほしいと陛下に頼んだそうだ。
そういう経緯で、モニカは側妃になった。

もう一人の側妃ユリアーヌは結婚直前に婚約者を亡くした。
その男が陛下の友人だったらしい。
年の離れた男の後妻になるより側妃になるか?と言われたので側妃になった。


なんだか、人助け?みたいね。

私は当てはまらないわ。だって陛下が悪いんだもの。  
 

 
 
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