婚約者をキープしたまま他の女と恋愛してみたいという男、どう思います?

しゃーりん

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マリエッタは、フレージュがウィリアムとヘンドリック殿下の二人と付き合っていたのかと勘違いしたが、ウィリアムとの婚約は三か月も前に解消されていたと知った。 

不敬な発言はしてしまったが、まぁそれは何とかなるだろう。 
 
それよりも、婚約解消はマリエッタのために違いないのだから。


「ウィリアム様、私、嬉しいです。」

「……は?」

「私のために、フレージュ様との婚約を解消してくれたのですよね?」
 

早く愛の告白をしてください。

そう期待しながらウィリアムを見ると、冷たい視線とぶつかった。どうして?


「お前のために、ではなく、お前のせいで、フレージュに婚約解消されたんだ。」

「……え?」


婚約解消された?した、のではなく?


「俺はお前を利用してフレージュを嫉妬させたかっただけだ。なのに、俺の気持ちを知らなかったフレージュはお前との関係を浮気だと決めつけて、こっそり親に訴えて婚約を破棄しやがった。」

「ウィリアム様は知らなかったのですか?」

「ああ。婚約解消を知ったのはつい数日前だ。」

「そんな……もっと早く教えてくれたらよかったのに。意地が悪いわ。」 


ウィリアムから昼食を断られる前に知っておきたかった。
彼が私と距離をとろうとしたのは、フレージュとの婚約を解消するのが難しいからだと思った。

だけど、ウィリアムはフレージュとの婚約が解消されて、婚約者はいなくなった。

だから、もう距離をとる必要はないはず。


「お前さぁ、さっきから俺の言葉をちゃんと聞いてたか?」

「もちろんです。」
 
「俺はお前と恋愛する気は最初からなくて、フレージュに嫉妬させたくて利用したって言ったんだぞ?」


そう言えば、そんなことを言っていたかもしれないが構わない。
 

「私はウィリアム様のことが好きですから!」


嬉しいでしょう?健気でしょう?

さあ!どうぞ、言って?
 
『婚約してほしい』って。


「ふ~ん。俺が好き、か。俺が侯爵家の跡継ぎじゃなくなったと言っても?」

「もち……え?」


もちろん、じゃない。何て言った?

侯爵家の跡継ぎじゃなくなった?

じゃあ何?侯爵夫人にはなれないってこと?
 

「そう言えば、女は嫁ぎ先の家名になるから、今が子爵令嬢でも誰も覚えていないとか何とか言っていたよな?継ぐ爵位がなくても貴族同士で結婚する奴らも多いが、それでも構わないということか?
ちなみに実家からの援助は期待できないぞ?自立して家から出て行けと言われている。
家を継ぐ弟の婚約者はフレージュの妹だ。サットン侯爵家からは援助も受けているしな。」


自立?

実家からの援助なし?
 
それって、自分が働いた給金だけで生活するってこと?


マリエッタの両親が彼女に勧めた結婚相手は、自領では大きな商会の息子。つまり、平民だった。
平民との結婚が嫌で、貴族との結婚を狙い、学園に入学した。

せっかく狙うのであれば、高位貴族の令息。

しかし、そうなれば婚約者は当然いるのだ。

破局しそうだったり、誘いに乗りそうな男はいないかと探っていたら、ウィリアムが狙い目だと思った。

 
それなのに、援助なしの自立ということは社交界には出られない、つまり、優雅な貴族生活ができないということだった。

 
 
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