あなたに最後の贈り物を

しゃーりん

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アイリーンの人生はあまりいいものではなかった。

両親が亡くなって、兄とともに叔父に引き取られた。

兄が騎士になると、叔父と二人暮らしになり、14歳で叔父に抱かれた。
養っているのだから体で払えと言われ、受け入れたら気持ちよくて夢中になった。
叔父には娼婦並みに上手くなったと言われた。

兄が騎士の大会で命を落とし、金を手にした叔父は姿を消した。
 

18歳で兄と同じく騎士になったが、どこか周りはよそよそしかった。

兄が亡くなったことはアイリーンにはどうでもよかった。
騎士になったのは男が多いからで、逞しい体の男ばかりだから。

なのに、誰も近寄って来ない。
 
囮になる気はあるかと聞かれた時は、面倒で一度断ったが、女であることを馬鹿にされた気がして引き受けた。

指示を無視して勝手に動いたのは自分のミスだ。
しかし、助け出されるのが遅くなったのは、犯される瞬間を見ていたからだと知っている。

もう少し確保が遅かったら、男に犯されながら悦ぶ姿を騎士たちに見せつけていたかもしれない。
それくらい、男の性器はいいモノだった。

その後から、真面目な振りをしても意味はないと思い、街で男を誘い始めた。

酔った振りをして隊員にキスをし始めたのも、嫌がらせだった。


そんな時に、ブレイズが入隊してきた。

すぐに抱かれたことのある男だと気づいた。若くて、顔も体も好みの男だから覚えていた。
相手は覚えていなさそうだったけれど。

同じく第三に異動してきた男に酔ったフリをしてキスをすると、ひどく嫌がられた。
嘘泣きをしてブレイズに縋ると、慰めてくれた。

やはり、この男は女好きである。

それからは、親睦会のたびにブレイズにキスしまくった。


婚約者がいることは知っていた。
だが、アイリーンを抱いた時も婚約者がいたような男だ。
嫌がる様子もなかった。

ブレイズが結婚しても、キスは続いた。
この男は妻を愛していないのだろうか。

対抗心が沸き上がった。 


唇を開かせて舌を絡めても受け入れるブレイズ。

この男は女なら誰でもいい?
それとも、アイリーンのことを好意的に見ている?

ブレイズの妻、メルリーの顔も知っていた。
訓練場に来たのを見て、関係を教えてやろうと思った。

あの女が驚いた顔をしたので楽しかった。


なのに、イーサンがブレイズと引き離そうとする。

親睦会の後、イーサンはいつもサッと帰る。
それを知っていたため、アイリーンはノロノロと行動し、ブレイズに家まで送らせた。

キスで誘うと、ブレイズは慣れた手つきで気持ちよくしてくれた。
やはり、この男は上手い。
しかし、酔いが醒めたのか、慌てて帰って行った。

奥さんが待っているのを思い出したのかもしれない。

でも、アイリーンの体を欲しく思ってくれたのは確かで、好かれていると確信した。

嬉しくて、窓から手を振って叫んだ。次は泊まって朝まで抱いてほしい、と。

ブレイズに触れられた体が疼き、男を欲しがっていた。
そのため、街に戻り、男を誘った。

このときに、浮かれていて避妊を忘れてしまったのだ。
相手は多分、他国の男。
仕事で来た既婚者だろう。

妊娠を怪しんでいた時にブレイズの離婚を知り、今度こそ彼に抱かれようと思った。
家もあり、使用人もいる。
ブレイズの子ということにすれば、貴族のように楽な暮らしができると思った。
 
年齢的にも体力的にも、騎士を続けるよりも家庭に入る方が楽だと思い始めていたから。

妊娠が確定し、ブレイズに結婚を迫った。
家と使用人はブレイズのものではなかったが、実家が貴族だから、まぁ、何とかなると思っていた。 
しかし、彼の実家からの援助は全くなかった。
ケチな貴族だと思ったが、自分がブレイズの離婚の原因の女だから関わりたくないのだと知った。


妊娠しているせいで、ブレイズは抱いてくれない。
家にいるのは暇だ。
出歩くと寝取った女だと笑われる。

子供が生まれても可愛くなかった。 

ブレイズの帰宅が遅くなってきた。
周りの噂話からも、浮気をしているのは決定的だった。

問い詰めると、私のことは好きじゃないと言われた。
それなのにマーカス共々養ってやっているんだから、浮気を責める資格はないだろう?と。


ブレイズに好かれていないのなら、私は何のために、子供を産んだの?
 

 
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