家族に裏切られて辺境で幸せを掴む?

しゃーりん

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チェリムが払う慰謝料は、チェリムの月々のお小遣いの8割を5年分を貰うことにした。


「そんなに取られたら、何も買えないわ。」

「何言ってるのよ。たった5年で許してあげてるの。
 あなた、人の婚約者を取ったら当然のことなのよ。
 それにね、これからのあなたの自由な時間は少なくなるでしょ?
 お小遣いを使う暇もなくなるわ。」

「え?どういうこと?」

「跡継ぎになるのなら、まずは学園を卒業しなければならないわ。
 言っておくけれど、最低ラインというものがあるのよ。ただ卒業すればいいわけじゃないの。
 今の成績を上げないと、難しいわよ。
 それに加えて、領地や当主の仕事についても勉強しなきゃならない。
 お父様、お母様、チェリムを甘やかさないでくださいね。」

「いや、だが、プリムが跡継ぎのままでいいんじゃないのか?」

「どうしてです?
 お父様たちは私ではなくチェリムを跡継ぎに選びましたよね。 
 ずっと努力してきた私ではなく、ね。」


両親は黙ってしまった。少しはひどいことを言った自覚があるのだろうか。


「婚約も無くなりましたし、跡継ぎとは言えない私には縁談も来ないでしょう。
 ですので、辺境の伯父様のところで仕事をします。
 チェリムの結婚生活を横目にここで仕事させられるなんてまっぴらごめんですからね。
 もし、私に縁談が来ることがあっても、勝手に受けないでください。
 そんなことがあれば、平民になります。
 とりあえず、チェリムが無事に卒業して跡継ぎの資格を得るまでは貴族のままの方がいいでしょう?」


今、私が平民になり、跡継ぎの登録から外れると親戚の誰かが登録することになる。 
チェリムが卒業した時に、その親戚が跡継ぎ指定の登録をし直してくれるとも限らないのだ。
 

「プリム、すまなかった。やはりお前が跡継ぎの方が……」

「今更ですわ。私、お父様に失望しました。
 チェリムから婚約者と跡継ぎ変更の話を聞いた時、どうして諌めなかったのですか?
 姉妹だからいいと思ったのですか?
 娘が婚約者を奪われたのですよ。娘が婚約者を奪ったのですよ。
 どうしてチェリムたちを叱らなかったのですか?
 これが他人がしたことなら怒るでしょう?
 確かに、他の女性に気持ちがある男と結婚しても幸せにはなれないかもしれない。
 だけど、そんな夫婦はたくさんいます。違いますか?
 それでも2人が一緒になりたいのなら、私は許しました。
 跡継ぎをチェリムに変えると言われなければね。
 それさえなければ、ここまで怒りませんでした。
 跡継ぎのままなら、新たな婚約者は見つかると思いますから。
 ですが、私に相談もなく勝手に跡継ぎの変更を了承したことが許せません。
 そして、私の幸せを考えてくれず、仕事を押し付けようとした。
 独り身で仕事に生きるのなら、ここではなく辺境で治癒魔力を使う仕事をします。
 その方が感謝されますし、やりがいがありますからね。」


「いや、だが、チェリムとクラレンス君では頼りなく思えるんだが……」


今更何を言っているのかしら。そんなわかりきったことを。って本当に私に仕事を押し付ける前提だったってことね。
 

「そんなこと私に言われても、私は残って仕事をすると了承していませんから。
 クラレンスとチェリムはまだ婚約したわけではないのですから、優秀な婚約者を選んでは?
 あ、チェリムの好みは聞いた方がいいですよ。」


勉強しなければならないと聞いて放心したままだったチェリムが反応した。


「ハゲでデブじゃなかったらこの際いいわ。
 お父様、私の代わりに仕事してくれそうな人を探して。ね?」


ハゲでデブは父親世代より上の人でないと見つからない気がしたけど、チェリムと同年代から10歳上くらいまでで探したら仕事のできる人はいると思う。性格がいいかは知らないけど。

そして、やっぱりチェリムはクラレンスと婚約する気はないのね。
 


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