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衝立の向こうの女性の話を最後まで聞いた私とソラーナは、彼女たちが出て行った後をつけた。
新しい部屋に案内するって友人を誘っていたので場所を知ろうと思ったからだ。
女性たちの会話だけでも十分だったけど、確実にルシードがそこに通っているという証拠が欲しかった。
部屋があった地区は、私とルシードがデートで訪れたことのない辺りだった。
ソラーナお勧めの甘味の喫茶店を私たちが訪れたように、割と人気のある飲食店が近くにたくさんある。
ルシードがこの辺りに私を連れて来なかった理由は、彼女の部屋があったからだと気づいた。
彼女に出くわす可能性もあるし、彼女の部屋を度々訪れるルシードを目にしている人もいるだろう。
その彼が別の女性とデートしていると、うっかり誰かが冷やかしでもするかもしれない。
それを恐れたんだとわかった。
部屋を突き止めた私とソラーナは付き添いの護衛たちにも場所を覚えてもらい、屋敷に戻って伯父様に話をした。
「ルシードは、一度別れた女とまたよりを戻したということか。
結婚後も別れるつもりはなく、愛人も子供を産むつもりだった。
そういうことだな?」
「はい。私はルシード様を信じてお付き合いをしていました。
結婚を前提にということでしたので、そろそろ将来のことを考えるつもりでいました。
ですが、もう彼を信じることはできません。
あの部屋に彼が通っていても通っていなくても別れます。」
「わかった。こちらとしては確実な証拠を得るために部屋に来るかどうかを確かめる。
その部屋にやって来れば、アイツは私の顔に泥を塗ったも同然だ。
処分を検討しなければならない。」
ルシードはわざわざ辺境伯を通してプリムを紹介してもらったのだ。
性格や価値観の不一致でお互いに納得して別れるのであれば、口出しはしない。
だが、プリムの望む条件を飲んだことで付き合い始めたというのに、わずか2週間で裏切っていたのだ。
しかも、結婚後にプリムが妊娠するまで隠しながら付き合い続ける気でいた。
愛人がいて、しかも愛人が子供を産むことまで計画された裏切りだ。
事実であれば、許せることではなかった。
辺境伯に指示された見張りは、その晩のうちにルシードが部屋にやってきたこと、隙間からルシードが女と交わっているのを確認したことを報告した。
裏切りが明らかとなった。
ルシードとデートの約束をした日、プリムを迎えに来たルシードは屋敷内の応接室へと案内された。
やがてプリムと辺境伯、次男と次男の正妻でプリムと一緒に話を聞いたソラーナが応接室に入った。
必要ないだろうが万が一、ルシードが言い逃れをしようとしたときの証人としてソラーナも来たのだ。
部屋での浮気が確認されている以上、肉体関係の言い逃れはできないが。
「え……辺境伯様。今日はプリム嬢との約束なのですが、僕に何か話が?」
「ああ。座れ。」
辺境伯を見てソファから立ち上がっていたが、再び腰を下ろさせた。
「ルシード、お前は今日どういうつもりでプリムを迎えに来た?」
「え?あ……ひょっとしてご存知でしたか?今、ここで皆様の前でしろということですか?」
辺境伯は答えなかった。が、ルシードはそれが答えだと思い、プリムの前に膝をついた。
「プリム嬢、あなたを愛しています。僕と結婚してくれますか?」
「お断りします。」
「…………え?」
プリムはルシードのプロポーズを冷たく一蹴した。
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